主翼を差し替え可能にプチ改造!機体塗装もスタートです!【達人のプラモ術<フェアリーガネット>】

【達人のプラモ術】
エアフィックス
「1/48 フェアリーガネット AS.1/AS.4」
03/06

ガネットの最大の特徴でもあるZ型に折りたたまれる主翼は、キットでも主翼を広げた状態との選択で再現できます。異形ともいえるガネットのフォルムを堪能するのであれば、折りたたんだ主翼での製作一択となりますよねぇ、やっぱり…。

とは言うものの、ガルウイングの翼を広げた精悍なガネットも作りたいですよね~。というワケで今回の作例は、主翼にプチ改造を加えることで、主翼を広げた状態と折りたたんだ状態のどちらも楽しめるように製作を進めました。(全6回の3回目/1回目2回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeチャンネル
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

■主翼(展開状態)の組み立て

前回は折りたたんだ状態の主翼を組みましたが、今回別途入手したパーツを使い、伸ばした状態の主翼も組んでいきます。

中翼配置の主翼は大型で、正面から見ると逆ガルウイングとなっており、これはこれでカッコ良いです。

主翼は動翼類が別パーツとなっており、また大型のフラップは収納状態と下げた状態を選んで組むことができます。作例ではフラップを下げた状態で組んでいます。

フラップは大型のヒンジパーツを使い、左右の主翼にそれぞれ2枚組んでいますが、このヒンジパーツが良く考えられており、似た形状をしている4つのヒンジパーツを間違えないように、それぞれパーツ番号が記されたタブがモールドされていて、主翼にフラップを接着する際にタブを切り離すように指示されています。こうした気遣いはすごくありがたいですね。

▲折りたたみ状態で3分割された主翼と、新たに組んだ展開した主翼(仮組み)の比較

▲フラップを固定するヒンジパーツには、間違えないようにそれぞれにパーツ番号が記されたタブ(S1、S2とモールドされた部分)が付いており、主翼にフラップを接着する際に切り離す着け間違い防止仕様になっている

 

■エンジンカウルの取り着け

ガネットMk.1(対潜哨戒機)は「アームストロング・シドレー ダブルマンバ ASMD.1ターボプロップ(2950馬力)」を搭載しています。エンジンパワーがあるので、大型のプロペラ機にしては最高速も499Km/h出せます。

キットは特徴的なインテーク周りのみで、エンジンは再現していませんが、2パーツでの構成ながらインテーク奥のディテールなどもよく再現されています。

インテーク部分は組み上げてしまうと塗装がやりづらいので、先に機体下面色で塗装しておきます。

またカウリング自体は精度もよろしく、機体側とピタリと合わせられるのですが、接合面がどうしてもパネルラインと比較して太く見えるので、溶きパテ流し込みで修正しました。

▲特徴的なインテークは2パーツで構成される

▲2パーツ構成のカウリング。インテークダクト内は組む前に塗装しておく

▲正面から見たカウリング(塗装後)。特徴的なインテークダクトがよく再現されている

▲胴体とカウリングの接着線(矢印の部分)が太く目立ったので、溶きパテを使い機体のパネルラインと違和感のないように修正している

 

■塗装スタート!まずは機体にシェード(影色)塗装を入れていく

胴体と主翼が2組(展開状態と折りたたみ状態)、水平尾翼などを組み上げたら、グレーサーフェイサーで下地を整え、主翼の前縁や胴体上面の接着面などをチェック。問題がなければそれぞれを塗装していきます。

まずはパネルラインに沿ってシェード塗装(セミグロスブラック)を入れていきます。ガネットの塗装は上面がエクストラ・ダークシーグレー、機体側面から下面がダックエッググリーン(スカイ)の2色迷彩で、英国機好きにはお馴染みのペンギンカラーとなります。

▲ガネットの塗装は上面がエクストラ・ダークシーグレー、機体側面から下面がダックエッググリーン(スカイ)の2色迷彩。部隊によって白と黒のインベンジョンストライプが入る

▲グレーサーフェイサーによる下地塗装が完了した機体。カウリング周りはサンディングしたのでサフが取れている

▲2組の主翼とフラップ類もサフで下地塗装

▲サーフェイサーの乾燥後、セミグラスブラックで機体のパネルラインと凸部分にシェード塗装を入れていく

▲シェード塗装が完了した胴体と折りたたみ状態の主翼

▲広げた主翼にもシェードの黒を入れていく

 

■本塗装機体下面から塗装

塗装は明るい色となる機体下面色から入れていきます。ダッグエッググリーン(スカイ)はMr.カラーの29番を使用。

個人的な見解ですが、このダッグエッググリーンはかなり明度と彩度が高く、そのまま使用するのはちょっと辛い。そこで10%程度Mr.カラーの315番(グレーFS16440)を加えて色調を調整しています。

また塗装は口径0.3ミリのエアブラシで行っていますが、塗料は溶剤(薄め液)7に対して塗料3で希釈して、シェード塗装を塗り潰さないよう意識しながら3回塗り重ねています。

主翼は差し込み式になっているので、胴体と主翼をそれぞれ塗装できるのがありがたいですね。上面色となるエクストラ・ダークシーグレイは次回塗装を進めます。

▲ダックエッグリーンの塗装1回目。シェード塗装の黒ラインはかなり目立っている

▲塗装2回目、意識して薄めに調色したダックエッググリーンでシェード塗装のムラを整えていく

▲3回目。シェード(影色)となる黒にダックエッググリーンを重ねて、どこまで残すか、どこまで消すかは個人の好みによる

▲彩度と明度の調整のためダックエッググリーンに10%混色したMr.カラー315番のFS16440。本来は米海軍機の塗装で使用するグレー

▲主翼下面も同様に塗装していく

▲主翼下面塗装1回目

▲主翼下面塗装2回目

▲主翼下面塗装3回目

▲ダックエッググリーンによる機体下面塗装が完了。主翼下面はウエザリングを意識してシェードの黒を意識的に残している

▲折りたたみ状態の主翼も塗装完了

*  *  *

ガネットはお世辞抜きで組みやすく、パーツの精度も高くパチパチとストレスなしで組める優良キットです。フラップのパーツ番号表示など作り手視点にも好感が持てます。いやエアフイックスのキットも進化しているということですね。

ということで今回はここまで、次回は機体の上面塗装や、脚等艤装パーツの製作を進めます!お楽しみに。

▲ガネットが3機もあって至福!ww

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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