車内にも仕掛けがいっぱい!新型「レクサスES」はクルマ好きの審美眼を満足させるボディラインが魅力

レクサスが、2025年4月25日から5月2日にかけて開催の自動車ショー「オート上海」で新型「ES」をお披露目しました。いまどきセダン? と、思う人もいるかもしれません。でもレクサスの開発者は、セダンの魅力を見直してもらえたら、と言います。

■クルマ好きの審美眼を満足させる、作り込まれたボディライン

レクサスESは、今回で第8世代。1989年にレクサス・ブランドが誕生していらい、LSとESは常にラインナップで主要な地位を占めてきました。

私は上海のショー会場で、実物を観る機会に恵まれました。驚いたのは、写真よりずっと存在感があること。SUVとミニバンばやりの中国ですが、私が考えていた以上に、来場者の注目を集めていました。

昨今、中国では、大きなインフォテイメントシステムのモニターなど、ガジェット感覚のクルマが若いひとの人気を集めているようです。でも現地の人に聞いたところによると、親子づれでショールームを訪れて、ガジェット満載の新車をねだった子どもに、「トヨタかレクサスにしときなさい」とお父さんが言うケースが多々あるとか。

新型ESは、確かに、従来のクルマ好きの審美観を満足させる内容を持っているようです。ひとつはデザイン。車体四隅に広いトレッドとともに配された4つの車輪による力強いスタンスと、長いルーフラインをもつファストバックスタイル、それに、丁寧に作り込まれた面と線で構成されたボディが魅力です。

■車内にも“仕掛け”いっぱい

新しいESには、BEV(バッテリー駆動のEV)の設定もあるし、室内には大きなモニターも、また、「レスポンシブ・ヒドゥンスイッチ」といってダッシュボードに手をかざすと、スイッチが出現する仕掛けも。タッチでなく、しっかり押せる物理的なスイッチというのが注目の技術です。

単に新奇さを狙ったのでなく、クリーンなリビングルームにいるような気分で乗車中もリラックスした気分を味わってもらいたいという、開発者の考えにもとづいたデザインとのことです。

一方で、リラックスばかりでなく、気分を盛り上げてドライブしたいというときだってあります。「センサリーコンシェルジュ」は、高揚、集中、リラックスと目的別に3つのモードがえらべて、音楽に合わせたイルミネーションの変化などが体験できる機能です。

室内空間は実際に広くて、後席も足もとが広びろ。レクサスのフラッグシップであるLSよりも広いとのことでした。ファミリーカーとしても使えるし、ゴルフバッグが4個入るそうなので、友人たちと週末を過ごしに遠出というのもよさそうです。

ラインナップは大きくいって、HEV(ハイブリッド)とBEV。HEVにはES300hとES350hがあり、どちらにも前輪駆動版とAWD版が用意されます。BEVは前輪駆動のES350eと、165kWに対して252kWとよりパワフルなES500eが設定されるとのことです。

一般公開日に先立つメディアの取材日には、米国向けに仕立てられたソニックカッパーという塗色の「ES500e」と、角度によって濃度がちがって見える「蒼(そう)」なるブルー系塗料で塗られた中国向け「ES350e」、2つのモデルが並べられました。

2日目には、しかし、置かれたのはブルーのES350eのみ。聞けばES500eは米国でのイベントに向けて港(飛行場?)へと向かったとのこと。ニューモデルは忙しい。日本市場には2026年春にお目見えの予定です。

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

【関連記事】
◆年次改良で操縦安定性や乗り心地向上! 「レクサスNX」シリーズは“ドライブ好きの大人”向けのクルマ
◆レクサスユーザーを満足させるためのコンパクトカー「LBX」が目指したところ
◆操縦安定性と悪路走破性を両立した新型「レクサスGX」は本格オフローダーでありながらも快適な乗り味


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA