世界の機内食案内[40]中国国際航空 成田〜上海~ハノイ(往復)

ちょっとでも安く海外に行きたい人にとって、最近無視できない存在なのが中国の航空会社です。目的地がアジアの場合はもちろん、ヨーロッパの場合でも、北京や上海乗り継ぎとなる中国系エアラインの格安っぷりが目立ちます。

今回、ベトナム・ハノイに行く日程を決めたのは出発の約3週間前。そうなると、メキメキ存在感が増しているベトナムのLCC、ベトジェットエアの直行便もそこそこの価格に上がっていました。そこで「スカイスキャナー」で安い順に並べてみると、最も安いのは中国国際航空(エア・チャイナ)。次が中国南方航空。ベトジェットエアはずーっとあとに出てきます。

もちろん乗り継ぎになるので時間はかかりますが、安さには変えられん。ということで、エア・チャイナ上海経由で最も時間帯が良さそうなチケットを購入。行きは上海3時間15分トランジットとイイ感じですが、帰りは同じく上海で11時間45分トランジットというハードモードになりました。さらに4便とも事前座席指定他をしたので合計で約4万8000円(チケットだけなら約4万円)。

とはいえ、LCCでは有料となるドリンクサービスや機内食が付き、預け入れ荷物も23kgまでは無料。たくさんお土産買いたい人にとっては、悪くない選択肢ではないでしょうか。

これにて、めでたく機内食にありつけることになりました。

ということで、成田ー上海ーハノイ往復、全4便の機内食を一気に紹介。いやー、なかなか個性的な機内食でしたよ。

 

【往路/CA158:成田→上海】

往路は朝8時55分成田空港発のCA158便。機材はエアバスA321-200。世界中で見かけるベストセラー機です。それにしてもエア・チャイナのカラーリング、こういっちゃなんですがレトロみがありますね。

ナローボディの3-3配列で、シートにはモニターがないシンプル構成。なんだか国内線気分です。でも、たかだが3時間10分のフライトなので問題なし。USBポートもないですが、そのぐらいの時間ならスマホで動画を見続けていても電池はもちそう。

 

時間がないので結構すぐに食事となりました。朝便なので朝食。ウエスタンブレックファーストかチャイニーズブレックファーストの2択で、選んだのはチャイニーズ。

◯おかゆ
◯漬物
◯フルーツ
◯ヨーグルト
◯パン

おかゆは中華粥にしてはあっさりな味付けで、寝ぼけた胃にやさしい。漬物と一緒にいただきます。そして謎なパン。これいる?

時間通りに上海浦東国際空港に到着。次の便まで3時間しかないので、入国せずに出発エリアに移動します。

浦東空港はとにかく広い。今回はターミナル2の利用でしたが、ここだけでもめちゃくちゃ広いのに、同じ大きさのターミナルがもうひとつと、さらに専用地下鉄で移動するサテライトもあります。

どこに行っても空いているので、適当な場所に座ってスマホを充電。

中国のコンセントは日本と同じ形状(画像上側)と、3つ差し込み口があるタイプ(画像下側)の2種類。手持ちのACアダプタがそのまま使えるので助かります。

 

【往路/CA755:上海→ハノイ】

そうこうしているうちに搭乗時間に。さっそく乗り込みます。機材はまたしてもエアバスA321-200なので、写真割愛。

上海を14時20分発、ハノイに16時40分着(いずれも現地時間)で、3時間20分のフライトです。

◯チキンバーガー?
◯あられ
◯チョコレートバー
◯飲むヨーグルト

まさに軽食。ほぼお菓子ですが、時間帯を考えるとこれでいいかも。ハノイに着いたら現地ごはん食べたいですからね。

紙に包まれていたのは、唯一温められたバーガー状のもの。バンズは焼かれていて硬めです。かぶりつくと…

中には味付けされた鶏肉?のフレークのようなものが。もちろん中華風。さすがにお菓子だけだと寂しいですが、これがあるだけで得した気分に。結構おいしかった。

そうこうしているうちにハノイに到着。上海からハノイはすべて陸の上を通っていきました。東京ー上海も上海ーハノイも約1800~1900km。東京ー福岡の倍ぐらい。そう考えると案外近いよなー、と感じた往路でした。

 

【復路/CA756:ハノイ→上海】

帰路はハノイ・ノイバイ空港を17時55分発のフライトからになります。機材はやっぱりエアバスA321-200。

ノイバイ空港は首都の空港のわりには小ぢんまりとしていて、なんだか地方空港っぽい。そういえばハノイの街も、大きいんだけどそこはかとなくローカル感がありました。そこがいいんですが。

Trip.comによると、エア・チャイナA321-200はシートピッチ(前後間隔)は79cm。同機材でもLCCの場合は71~73cmぐらいなので、余裕はあります、が…

いかんせん、シートがへたりすぎてます…。これはしんどい。座面奥のフレームがお尻に当たるんですよ。前めに座ると抜けてるし、深く座ると硬い。だいぶ使われてるのかな。エア・チャイナはA321-200の後継機であるA321neoを大量発注していて、順次導入が進んでいるので、この機材はそろそろ引退になるのかも、なんて思ってしまうほどでした。

◯魚と野菜とごはん
◯サラダ
◯ケーキ
◯パン

自分の席にCAさんが回ってきた時点でチキンが売り切れなので自動的にフィッシュ。白身魚おいしかったですよ。野菜が入っているのもうれしかったかも。サラダには少し酸味のあるドレッシングがかかっていて、口直しにぴったり。そして機内食にはほぼ付いてくるパン。正直、パンはなくてもいいかなー。

上海着が現地時間で22時10分だったので、これが夕飯になります。全部おいしくいただきました。

そしてこの日は、いったん中国に入国して上海泊。

 

【復路/CA929:上海→成田】

最後のフライトは、上海浦東国際空港9時55分発です。ということは成田から乗った最初の便と同じく朝食メニューか? と思ってましたが、違いました。

この日の機材は、今回のハノイ行きでは初めてとなるワイドボディ機のエアバスA350-900! やったぜ、このやろう!

シートは3-3-3配列。通路が2本あるのがワイドボディだなぁ。ワイドボディは当然ながら断面がナローボディより大きいため、天井が高くて空間に余裕が感じられます。シートピッチもA321-200より若干広い81cm。たかが2cm、されど2cm。空間の広さも相まって、エコノミークラスの狭さも軽減された気分。

機内エンタメも付いています。たかだか3時間5分のフライト、ゆっくり映画を観る余裕もないですが、個人的にはルートマップが見られるので好きなんですよね。

モニター下にはUSB-Aの端子も付いているので、スマホの充電も可能です。

定刻通り上海を離陸し、一路東へ。

◯ポークライス
◯サラダ
◯ケーキ
◯パン

またもや朝食メニューかと思っていたら、しっかりメニューでした。考えてみれば成田着は14時ですからね。昼食になるわけです。

そして機内食4食目にしてナンバーワンのメニューが登場しました。それがこのポークライス(たしかポークだった気が…メニュー名はわかりません)です。これきっと誰でもおいしいと感じる味。

格安料金なのに、ちゃんと機内食を出してくれて、しかもおいしいなんて、円安で海外旅行もなかなか大変なご時世にありがたいかぎりです。

食後にコーヒーもいただき、シートも座り心地が良く(笑)、気持ちよく帰国できました。

*  *  *

中国と名の付く航空会社は中国国際以外にも中国東方や中国南方などがありややこしいですが、1988年に中国民航が6つに分割された際、北京中心の便と国際線を引き継いで誕生したのが今回利用した中国国際航空(エア・チャイナ)です。

近年は上海を拠点とする中国東方航空や広州を拠点とする中国南方航空がメガキャリア化し、さらに大手の傘下となる厦門航空や山東航空、深圳航空、上海航空、独立系の吉祥航空、海南航空、四川航空、LCCの春秋航空など航空会社が山ほど生まれ、国際線ならエア・チャイナといえる状況ではなくなりました。

ライバルが増えると当然ながら価格競争も発生し、結果として我々利用者からすれば格安で移動ができるようになりました。ありがたい。

近年はフルサービスキャリアでもLCC同様に座席指定や荷物の預け入れにお金がかかったりと、サービスの課金化が進んでいます。エア・チャイナをはじめ中国系のエアラインも今後その流れに乗り、細かく課金していくシステムになる可能性はありますが、現時点ではまだそこまでにはなっていません。

サービスレベルや機材状態などでいろいろ言われることも多いですが、実際に乗ってみると「いやいやこの金額なんだから、なんの問題もないでしょ」というのが正直なところです。

ちょっとでも安く海外に行きたいという人は、検討してみるのはアリだと思いますよ。

>> 中国国際航空

>> 世界の機内食案内

<取材・文/円道秀和(&GP)

円道秀和|&GP編集部所属。担当ジャンルはITデジタル、オーディオビジュアル、ホビー他。好きなものはコーヒー、旅行、キャンプ、乗り物全般、カレー、ラーメン、アジア料理、小さいギア。好きが高じてSCAJコーヒーマイスターの資格を取得。

 

 

 

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