シャープがAndroidスマートフォンの最新モデル「AQUOS R10」と「AQUOS wish5」を発表しました。ハイエンドのAQUOS R10は7月上旬以降発売。メーカー直販のSIMフリーモデルは256GBモデルが10万円台、512GBモデルが11万円台と予告されています。キャリアではドコモ、ソフトバンクが取り扱います。エントリーモデルのAQUOS wish5は6月下旬以降発売で、SIMフリーモデルの価格は3万円台。ドコモとワイモバイルが取り扱います。
5月29日に開催された発表会で新製品にいち早く触れること両モデルの特徴を見ていきましょう。
■観る・撮る・使う体験が向上する「AQUOS R10」
AQUOS R10は、昨年デザインを一新して人気を集めた「AQUOS R9」の後継モデル。プロセッサーは前モデルと同じSnapdragon 7+ Gen 3で、画面サイズ(約6.5インチ)やカメラの有効画素数(約5030万画素)も変わっていませんが、性能はグレードアップしています。
▲カラバリはカシミヤホワイト、チャコールブラック、トレンチベージュの3色
例えば、ディスプレイの明るさは最大輝度が2000nitから3000nitへと向上。「バーチャルHDR」の搭載によって、HDR非対応の映像コンテンツもメリハリ感のある鮮やかな画質で楽しめるようになっています。
▲ディスプレイはPro IGZO OLED(有機EL)。ピーク輝度は前モデル比1.5倍の3000nitに向上した
新たに開発されたフルメタルBOXスピーカーによって音質も向上。「Dolby Atmos」との相乗効果により、映画などを観る際の没入感がアップ。シャープは「生で観るより生々しい」と謳っていますが、そこまではないにしろ、画質や音質の良さはすぐに実感できるものでした。
▲新開発のスピーカーユニットを搭載
ライカ監修のカメラは標準(約5030万画素/F値1.9)+広角(約5030万画素/F値2.2)。標準カメラには1/1.55インチの大型センサーを採用し、暗い場所での撮影時のノイズを低減。さらに、周囲の光を測定する「14chスペクトルセンサー」によって、色の再現性が向上。見たままに近い色で撮れることに主眼を置き、設計されているとのこと。発表会では、ディテールの表現力が向上していることもアピールされていました。
▲ライカ監修の約5030万画素のデュアルカメラを搭載。なお、インカメラも約5030万画素だ
▲AQUOS R10のカメラのチューニング前(左)とチューニング後(右)の画質比較。解像感が細かく、ディテールまで細かく写ることが一目瞭然
ユーザーが意識することなく使えるオンデバイスAIにも注力。前モデルには、料理を撮る際に写り込んだ影が除去される機能が搭載されていましたが、R10では、テキストを認識した場合にも自動で影が除去されるようになっています。
▲AQUOS R10のカメラのチューニング前(左)とチューニング後(右)の画質比較。解像感が細かく、ディテールまで細かく写ることが一目瞭然
▲保存された画像を表示すると、影はきれいに消えている
前モデルに引き続き、生成AIによる通話サポート機能も搭載。会話中のキーワードを自動で抽出してメモに残せるほか、メモに日時がある場合にカレンダーアプリに簡単に予定を登録できる機能も追加。前モデルと同じCPUですが、AIの処理性能は大きく向上しているそうです。
▲AIの処理速度が大きく向上
▲通話内容が要約され、さらにカレンダーに登録できるようになった
SIMフリーモデルだけに搭載されるのが「glance ai for AQUOS」という機能。自分の顔を撮影すると、AIがその顔を合成したファッション写真を生成。画面を点灯したときに、自分のかっこいい写真が表示される趣向。恥ずかしく感じる人もいるでしょうが、服装の提案として参考になり、その服を購入することもできるという仕掛けになっています。
▲自撮り画像からファッショナブルな画像が生成される
▲提案された服の詳細が見られて、購入することもできるそうだ
CPUはSnapdragon 7+ Gen 3(最大2.8GHz)で、RAMは12GB。ストレージは256GBと512GBが用意されます。5000mAhのバッテリーを内蔵しているので、電池持ちも心配無用。
AQUOS R10は、パッと見は前モデルと変わりませんが、体感は大きくバージョンアップしています。尖り過ぎていない、幅広いユーザーに合うハイエンドという印象を受けました。
■子どもに持たせるスマホにも最適「AQUOS wish5」
wishは、シャープのスマホの中で最も安く、最も売れているシリーズ。前モデルのAQUOS wish4から約6.6インチの大画面になりましたが、国内だけでなく海外でも好評だったとのこと。新モデルのAQUOS wish5にも継承されています。そして、リフレッシュレートを最大120Hzにし、輝度も向上させるなど、進化が図られています。
▲カラバリはMISORA(み空)、NADESHIKO(撫子)、WAKABA(若葉)、YUKI(雪)、SUMI(墨)の5色。文房具から着想された日本らしい色を採用したとのこと
▲約6.6インチの液晶ディスプレイは、リフレッシュレートが向上し、スクロール時の残像感は軽減されていた
従来はIPX5/IPX8だった防水性能はIPX9にも対応。高圧の水流や80℃の高温にも耐えられるとのこと。ハンドソープで洗ったり、アルコール除菌シートで消毒したりすることもできます。
▲IPX9は、水道水厚の約40倍の8MPaの高水圧に耐えられることを指す。高圧洗浄機で水をぶっかけるデモも披露された
今回、大きな特徴としてアピールされたのが安全機能。スマホを振るだけで防犯アラートが鳴り、あらかじめ登録した連絡先に電話をかけ、位置情報が送信される機能を新搭載。例えば子どもが危険な状況に遭遇した場合に、鞄からスマホを出さなくても、鞄を振れば、アラートが起動する仕組み。加速度センサーを用いた機能で、ただ走ったりするだけでは誤作動しないように設計されていて、どのくらいの振動に反応するかの強度を設定することもできます。
▲画面のタッチ操作はしなくても、激しく降ると大音量のアラームが鳴り始める。ホーム画面にウィジェットを置いて、タップで起動することもできる
▲振動に対する反応の感度を調整することもできる
AIを用いた電話アシスタント機能も搭載。通話内容を解析し、詐欺電話の可能性が高い場合に、その電話をブロックするように導いてくれる趣向。なお、この機能は上位モデルのAQUOU R10でも使えます。
▲AIが通話内容を解析し、詐欺電話と判定すると知らせてくれる
アウトカメラはシングルレンズで約5010万画素、インカメラは約800万画素。CPUはMediaTek Dimensity 6300(最大2.4GHz)。RAMは4GBで、ストレージは128GB。バッテリー容量は余裕の5000mAh。控えめの仕様ですが、これで十分という人も多いのでは? 5色から選べるのも魅力です。
▲背面カメラは、昨今では珍しいシングルレンズ
* * *
シャープは昨年、スマートフォンAQUOSのデザインをリニューアルし、4機種をリリースしました。日本で順調に売り上げを伸ばして、国内のAndroidスマホの出荷台数では8年連続で1位を記録。さらに、本格的な海外展開も開始しました。今年もおそらく、さらに2台が発表されると予測されます。超ハイエンドの “pro” や、ミッドレンジの “sense” が気になる人は、それらの登場を待ったほうがいいかもしれませんよ。
▲左からシャープの通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部長 清水寛幸氏、執行役員 Co-COO 兼 スマートワークプレイスビジネスグループ長 小林 繁氏、通信事業本部 本部長 中江優晃氏、通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長 川井 健氏。自信が感じられる発表会だった
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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- Original:https://www.goodspress.jp/news/679824/
- Source:&GP
- Author:&GP
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