トヨタ自動車が「RAV4」の新型を2025年5月に公開しました。話題は多く、バッテリー走行距離の伸びたPHEV、モーターによる走破性の向上、進んだ知能化技術、という具合。
開発テーマは「ライフ・イズ・アドベンチャー」だといいます。「だれもがこのクルマでそれぞれのアクティブな生活を楽しんでいただけることを目指しています」とはトヨタの説明。
メディア向け発表会の壇上には、「コア」という標準モデルをはじめ、「アドベンチャー」と「GR SPORT」が並べられました。デザインは、トヨタのSUVとのファミリーアイデンティティを感じさせるもので、同時に新しさを感じさせます。とくに「SUVハンマーヘッド」と呼ばれるフロントマスクは、従来のRAV4との大きな相違点です。
「アドベンチャー」は現行モデルにも設定されている仕様で、「タフなスタイル」などとうたわれています。コアとは違うデザインの大型グリル、高くなっているノーズピーク、専用ホイールアーチモール、ブリッジ型ルーフレールなど、専用装備が用意されています。
■EV走行距離は従来の95kmから150kmに延伸!
新型はそもそもラフロードでも平衡感覚を保てるようにと水平基調のダッシュボードを採用。ダッシュボードの高さも従来より40mm低くして視界を確保しています。
荷室容量も従来の733リッターから749リッターに拡大。後席シートの折りたたみ時の角度が従来よりフラットになっています。長尺物の収納性が向上していて、キャンプなどに出かけようと思っている人には、うれしい改良でしょう。
「あらゆるライフスタイルにフィットする相棒のような存在となることを目指しています」とトヨタ。新型のパワートレインは(大きな意味で)電動のみ。プラグインハイブリッドとハイブリッドで、純粋エンジン車の設定はありません。
プラグインハイブリッドは、大容量の駆動用バッテリーや高出力充電器を使う新開発のシステムだそうで、EV走行距離は従来の95km から150kmに延伸するとともに、モーター出力が12パーセント上がり走破性も向上したといいます。
電動車だからこその走破性、とはトヨタの弁です。確かに、モーターとオフロードは相性が良好。微速領域でトルクがたっぷり得られることに加え、微細なアクセルワークで加減速ができるので、登坂能力も高いし、加減速に神経を使うラフロードなど、さまざまな状況をクリアしやすいのです。
■“事故ゼロ社会の実現”を目指す知能化技術「アリーン」
ディメンションは、全長4600mm、全幅1855mm、全高1680(PHEVは1685)mm。ホイールベースは2690mm。従来のモデルと基本的には同寸です。ただし、前後のトラック(トレッド)は、専用チューニングでスポーティな走りを追求しているGR SPORTでは20mm拡大しています。
先に触れた知能化技術は、「アリーン」というソフトウェアづくりプラットフォーム。さまざまなアプリの搭載に迅速に対応できるのがメリットのひとつだそう。新型RAV4では、音声認識が「スマートフォンなみの使いやすさに近づきました」と、アリーンを担当したウーブン・バイ・トヨタ株式会社の開発者は説明してくれました。
トヨタが強調しているアリーンのメリットは、「安心・安全」とその先の「事故ゼロ社会の実現」。たとえば登録したドライバーの走行データをクラウドに集め、それをもとに安全技術を進化させるというものです。
車載カメラやレーダーもさらに性能が向上しているそうです。走行中に得られる情報を、自動ブレーキなど事故回避システムとより効果的に連動させていくなど、通信によって性能向上をはかることも出来るといいます。
性能や機能をソフトウェアのアップデートによって向上させていく。新型RAV4が「ソフトウェアディファインドビークル(SDV)」とされるゆえんであります。オフロード性能もアップデートされていくかもしれません。
新型RAV4の発売は2025年内とのこと。価格は現時点では未公表です。
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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