掃除機もやっぱりマキタが良いんですか⁉ プロが認める電動工具メーカーの掃除機のポテンシャルを探る

10年ほど仕事場で使っていた某家電メーカーの掃除機。ヘッドの回転式ノズルにゴミが絡まり動かなくなったため処分することにし、改めて掃除機を新調することにしました。

荷物の少ないすっきりした部屋であれば、無人のロボット掃除機なども良いなと思うものの、あいにく仕事場はモノだらけ。自分で細やかに掃除できるモデルのほうが良さそうです。また、本当は、掃除時の持ち手が軽い昔ながらのキャニスター式が良いのですが、ただでさえモノが多いので、できるだけ場所を取らないコードレスのスティック式に絞って選ぶことにしました。

そこで複数の家電メーカー、量販家具メーカーのスティック式掃除機をチェックしてみたのですが、中でも一際魅力を感じたのがマキタの「充電式クリーナ CL284FD」というモデル。カーキ色(オリーブ)のボディがあることだけでなく、プロユースの電動工具のマキタなので、モノ好き男子的にはグッとそそられるわけです。

本体+充電器+バッテリーはそれぞれバラ売りなため、一式を揃えると3万円オーバー。高額な部類には入りますが、「マキタ=プロユース」「マキタ=現場でガンガン使われても壊れない」という良い意味での先入観から迷わず購入しました。

■実は家庭用としても評価が高かったマキタの掃除機

▲実は家庭用掃除機でもヒットモデルが存在するマキタ(写真は140万台ものヒットに至った『マキタのターボ・60』通販生活モデル)(画像:カタログハウス)

これは後で知ったことですが、マキタの掃除機は家庭などでも多く使われていて、2025年5月には某通販サイトではなんと140万台の販売を突破したモデルも存在。また、機械に詳しくない妻が、「子どもが地方の大学に通っていた頃、マキタの掃除機を買ってあげた」とも話しており、実は前述のような「ギア好きの男性」だけでなく、主婦層の間でも一定の信頼を得ていることを知りました。

一方、筆者がチョイスした「充電式クリーナ CL284FD」は2023年発売の製品。家庭用からややプロユースに寄ったモデルであり「扱いやすさとパワー」双方を満たしてくれるのではないかと期待で胸が膨らみます。

▲今回、筆者がチョイスした「充電式クリーナ CL284FD」。現場で働いてるっぽい人が持つ写真にもそそられました(画像:マキタ)

■前モデルの倍以上の吸引力を発揮する最新モデル

▲コンパクトな梱包で届いた「充電式クリーナ CL284FD」

果たして届いた「充電式クリーナ CL284FD」。本体のみのダンボールは実にコンパクトで、ここからボディを組み立てていきます。

▲「充電式クリーナ CL284FD」のボディ本体

▲「充電式クリーナ CL284FD」のパイプ。細部掃除用のノズルが取り付けられており、掃除中でもすぐに付け替えることができます

▲「充電式クリーナ CL284FD」のノズル。これも「充電式クリーナ CL284FD」の新設計とのこと

「充電式クリーナ CL284FD」の全体の質量は約1.5kg。見た目よりもはるかに軽い印象を抱きました。それでいて前身モデルの倍以上の吸引出力を発揮するとあります。ただし、フル充電でのパワフルモードでの使用は約8分と前身モデルよりも短くなっていますが、日々の仕事場での生活では掃除にそれほどの時間をかけられる余裕もないので、これには不満は抱きません。

また、別途オーダーしたマキタ製品の汎用バッテリー「BL1830B」および充電器のセットは、本体並みの価格で、購入前、これには一瞬たじろぎました。しかし、このバッテリーは他製品にも流用できるものなので、まぁ多少高額でもやむなし、と思っています。

■スイスイ吸い込む気持ち良さと静かな吸引音の理由は…?

▲「充電式クリーナ CL284FD」にバッテリーをガチャっとつける瞬間が気持ち良いです

というわけでフル充電したバッテリーを装着し、「充電式クリーナ CL284FD」を使ってみましょう。バッテリーを「ガチッ」とつける瞬間は、家電というよりはまさにプロユースのギアな感じ。男子的にはこの所作もなかなか気持ち良いものです。

それでいて、操作性は極めて優れていて、掃除機を持っている状態で指先のワンタッチでオン・オフやモードを変えられます。慌ただしい仕事の合間の掃除には、結構この操作性の良さはありがたいとも思いました。

▲指先ワンタッチでオン・オフやモードを変更できます

▲細かいゴミもスイスイ気持ち良く吸い上げてくれます

そして吸引力。前述の通り、埃やゴミを気持ち良いくらいにスイスイ吸い上げてくれ、これが実に素晴らしいです。その一方、吸引時の騒音などは極めて静かで、音だけを聞いていれば、それほどまでのパワーを持つ掃除機を稼働させているとは思えないほど。

この「パワーがあるのに静か」というのは近年マキタが開発したハイパワーブラシレスモータ「BL MOTOR」という高稼働率の機能によるもののようで、この辺はやはり電動工具の膨大な知見があるマキタならではの機能のように思いました。

▲「充電式クリーナ CL284FD」搭載のマキタ独自開発の「BL MOTOR」(画像:マキタ)

■最低でも10年は使い続けたい大満足の掃除機

なお、吸い込んだゴミはボディを捻り分解し、そのままゴミ箱に捨てるという「カプセル式」。ゴミ捨て時に、埃が舞ったりすることに不満を抱くユーザーは、別売のサイクロンユニットを装着させることで解消されることでしょう。

▲吸い込んだゴミはボディを捻り分解し、そのままゴミ箱に捨てる仕組み

▲「カプセル式」が苦手な人は、別売のユニットを装着させることで、「サイクロン式」にも変更できます

また、スティック式掃除機の宿命として「掃除の際の持ち手が重い」という問題は当然ありながらも、これは「充電式クリーナ CL284FD」に限ったことではないこと。コンパクトに保管できることを思えば、これも特段問題とは思えず、筆者的には大満足の掃除機で、ズバリ「買って良かった」と思っています。

▲掃除の際の持ち手はどうしても重いですが、これはスティック式掃除機に共通することなので、気になりません

ボディカラーは購入したカーキ色(オリーブ)の他に白もあります。ユーザーの部屋の雰囲気に合わせてチョイスすると良いようにも思いましたが、いやはや、掃除機もやっぱりマキタはすごかったです。よほど革命的な掃除機が出ない限り、最低でも向こう10年は使い続けたい……そう感じさせてくれた「充電式クリーナ CL284FD」でした。

<取材・文/松田義人(deco)>

松田義人|編集プロダクション・deco代表。趣味は旅行、酒、料理(調理・食べる)、キャンプ、温泉、クルマ・バイクなど。クルマ・バイクはちょっと足りないような小型のものが好き。台湾に詳しく『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)をはじめ著書多数

 

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