【GoodsPress 上半期 AWARD 2025】
熱狂的なブームは落ち着き、真摯にギア開発に取り組むメーカーのこだわりプロダクトが評価される時代に突入。今期は尖りすぎた自己満製品ではなく斬新アイデアと使いやすさ、価格のバランスがいいプロダクトがズラリ。キャンプにハマった人にたちに愛されるプロダクトは時代を超えて愛されそうな予感大。
* * *
自分のスタイルがわからず試行錯誤する初心者が多かったキャンプブーム真っ只中とは異なり、現在キャンプを楽しんでいるのは自分なりのスタイルを確立し、使いやすい道具を手にした経験者たち。
ちょっとやそっとではヒット商品が出ない時代だが、400年ぶりに進化した「ヨカシチリン++」は大きな話題となった。着火から消火、再点火まで手間なくできるよう再設計しており伝統的な七輪の良さを損なうことなくアップデートに成功した。
タイヤ付きの「ワンマイルチェア」もそうだが、メイン機能も後付け機能も高レベルを維持し、これが目の肥えたキャンプ好きのアンテナに引っかかった。
また、低山ハイクや釣りなど積極的にソト遊びを楽しむキャンパーが増え、極小テーブルや変幻自在な保冷ラップのように持ち運びやすくてアウトドアの質を底上げする小物が好調。流行に左右されることのない超こだわりプロダクトが評価される時代に突入だ。
ーライフスタイル部門/アウトドアー
<大賞>
1. 革命的な七輪がキャンパーの心をわしづかみ
YOKA
「ヨカシチリン++」(1万8920円)
別途火消し壺や火起こし器を用意する必要がありません。点火時にチャコールスターターを被せて煙突状にするというアイデアがスゴイ
空気孔がないのに煙突効果を利用して炭に点火しやすく、フタが付いて消火もできるなど400年ぶりに劇的な進化を遂げたステンレス製の七輪。付属の焼き網は2段構造でいろいろな使い方ができる。灰がこぼれ落ちず、オールステンレスで水洗いも可能となるなど七輪の面倒くささを払拭した。クラファンで話題となり、一般発売も即完売。
▲メッシュのコア(バスケット)に木炭を詰め、チャコールスターターを被せると煙突効果でスムーズに着火する
▲フタはバックルでピチッと留められるので持ち運び中に灰が舞わない。消火もできる一石二鳥のアイデアだ
▲卓上で使う場合はフタを本体に敷くことで熱によるダメージを低減できる。フタに機能を与えたのがスゴイ
<ソロキャン賞>
2. 椅子+車輪=キャリー。これがソロキャンの最適解
コールマン
「ワンマイルチェア」(9350円)
ソロキャンの道具なら1度で運べて座り心地も満足。キャリーと椅子、どちらも高レベルで両立しています
同社「ヒーリング チェアNX」に似ているが後部接地面はタイヤ付きでカートみたいに50kgまでの荷物を載せて転がせるという意欲作。ひとり分のキャンプ道具くらいは余裕で乗るのでソロキャンにカートは大げさ…という人にぴったり。また、釣りやスポーツ観戦などかさばる荷物を持って移動するにも便利だとヒット。座面が広めで座り心地が良く、ハンドル部分はヘッドレストになるのもユニークだ。
▲座面の前端がポケットみたいになっていて荷物を支える。付属ラバーバンドでずり落ちを防ぐのも◎
<キャンプ&ハイク賞>
3. ハイカー歓喜! バーナーの収納を変えた
SOTO
「トレイルテーブル」(5830円)
燃料の上に袋入り調味料を置けるってイイ。持ち運びに悩む「トライトレイル」の保護カバーになるのも目から鱗
重量135gのミニテーブルで天板は177×130mm。カップやカトラリーを置くのにちょうどいい。単独で使うほかカセットボンベの上を台にできるアイデアグッズ。畳めば「トライトレイル」の保護カバーにもなり“バーナー=クッカーの中に入れて持ち運ぶ”
という常識を覆したのもポイントだ。
▲天板が水平を開くと脚も開き、天板はロックする。閉じるときは天板を外に引き出してから畳むだけ
▲隙間に山岳向きバーナー「トライトレイル」を挟めばこのとおり。バーナーを衝撃から守ってくれる
<マルチユース賞>
4. この1枚でクーラーバッグや缶クーラーに!
アソビト
「ビア・サーモラップ」(1枚:2900円)
思っている以上に保冷効果があるし、結ぶ必要がないのが便利。濡れたら付属のカラビナで干せばいいなどケアも簡単です
巻くだけでくっつく特殊生地を使った保冷ラップ。大きさは46×46cmで350mL缶や 500mL缶はもちろん、1Lのナルゲンボトルまですっぽり包みこめ、巻き方次第で缶クーラーやコジーになる。この自由度の高さがアクティブなキャンパーに刺さった。使用後は畳め、付属のカラビナでパックに吊るせて邪魔にならないのがイイ。
▲保冷だけでなく保温も可能でアルファ米の蒸らしにも重宝する。重量106gで軽快に持ち運べるのもポイント
■IGT人気は継続中! 気になるニューカマー
TOKYO CRAFTS
「MFTマルチフレーム テーブル」(1万4980円)
天板を載せる上部の角度が3段階、脚の長さは2段階に調節できるテーブルフレームとステンレス天板のセット。IGT規格に対応していてカスタム可能なうえ、天板の向きを変えたり、フレーム単体でハンガーラックになったりするのがユニーク。
▲テーブルとして使うほか、天板を使わずハンガーラックとしても使用OK。ありそうでなかったシステムだ
▲角度を変えることでフラットバーナーと天板1枚を横向きにセットOK。天板の向きを選べる構造は斬新
>> 特集【GoodsPress 上半期 AWARD 2025】
※2025年7月6日発売「GoodsPress」8月9月合併号50-51ページの記事をもとに構成しています
<文/大森弘恵>
ライター
大森弘恵
フリーランスの編集者、ライター。おもなテーマはアウトドアと旅、ときどき車中泊と料理。プライベートのキャンプは学生時代からオートバイで各地を巡るソロツーリング派
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/689745/
- Source:&GP
- Author:&GP
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