定番vs.コスパ.vs.新製品、夏に快適なイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン3機種比較

2025年、ワイヤレスイヤホンの新トレンドは「耳を塞がない快適さ」。中でも注目を集めているのが、耳をクリップのように挟んで装着する「イヤーカフ型」。暑い夏が続くなか、オープンで蒸れにくい装着感と、周囲の音も聞こえる安心感で支持を集めています。

そんななか出揃った今夏の注目3モデル。定番のShokz、高コスパのEarFun、そしてハイスペックな新製品SOUNDPEATS。それぞれの実力を徹底比較してみました。

▲耳をクリップのように挟み込む「イヤーカフ型」の人気が急上昇

▲外出先はもちろん、自宅でも料理をしながら音楽を聞くと時などにも便利

2025年夏の最新注目モデルといえば、まずは骨伝導イヤホンのパイオニアとして絶大な信頼を誇るShokzが送り出した初のイヤーカフ型Shokz「OpenDots ONE」。

▲Shokz「OpenDots ONE」。実勢価格は2万7800円

そして、ネット通販を主戦場に、1万円を切る価格ながらLDACコーデックとハイレゾワイヤレスに対応する驚異的なコストパフォーマンスを実現したEarFun「EarFun Clip」。

▲EarFun「EarFun Clip」。実勢価格は7990円

3つめは、イヤーカフ型ながらLDAC対応、Dolby Audio対応という高音質ハイスペック路線に挑んだSOUNDPEATS「Clip1」。

▲SOUNDPEATS「Clip1」。実勢価格は9980円

このの3台を装着感、音楽リスニングの音質、通話マイク音質などをレビューしていきます。

 

■3機種のプロフィールと装着感を紹介

まずは各モデルのプロフィールとデザインをチェックしていきます。

2025年6月に発売されヒットモデルとなっているのがShokz「OpenDots ONE」。最大の特徴は骨伝導技術とスポーツ向け製品を牽引してきた同社らしい完成度の高さ。バッテリー性能はイヤホン単体で約10時間です。

▲Shokz「OpenDots ONE」

▲デザインは最小サイズのShokz「OpenDots ONE」

見た目にも小型、かつ耳に触れる部分のシリコン素材の素材選定なども作りが細かく、形状が秀逸で圧迫感なく、吸い付くようなフィットが快適です。長時間の装着でもストレスなく装着できます。激しい動きでもズレる気配はありません。

2025年5月発売のEarFun「EarFun Clip」は、1万円未満というお手頃価格でLDACに対応し、IP55の防水性能と欲しいスペックをすべて備えた価格破壊モデルになります。バッテリーはイヤホン単体で10時間、ケース込みで最大40時間再生と、十分なスタミナを確保しています。

▲EarFun「EarFun Clip」

▲長めのクリップ部が特徴のEarFun「EarFun Clip」

今回は白色を用意した本体は、耳の外側に来る本体部こそ若干大柄ですが、クリップの型がちょうどよく、耳にストレートに挟まり装着感は快適。

SOUNDPEATS「Clip1」は、2025年8月に通常価格9980円で発売予定の最新モデル。最大の特色は、LDACコーデック対応と共にオープンイヤー型では珍しいDolby Audioへの対応です。独自のアルゴリズムや構造設計が多数投入されており、コスパ大賞受賞など技術評価の高モデルになります。バッテリー駆動時間はイヤホン単体で8時間、ケース併用で最大40時間。

▲SOUNDPEATS「Clip1」

▲左右対称でプレート部は大きめですが…前からは見えません

0.6mmの超薄型ニッケルチタン合金を用いた「N-Flex Arch構造」で耳を軽く挟むようにフィットし、安定した装着感。左右どちらの耳に装着したかを自動で判別する「AutoSense 左右自動識別テクノロジー」もユニークです。

では音質を聴き比べてしていきましょう。宇多田ヒカルの『BADモード』と、ROSÉ & Bruno Marsの『APT.』の2曲を使いました。

▲Androidスマホをプレイヤーにして音質テスト

Shokz「OpenDots ONE」のサウンドは、バランスの取れた優等生的なもの。『BADモード』では、ボーカルの息遣いや繊細なニュアンスを伝えながら、メリハリを効かせた低音で空間を満たしてくれます。『APT.』ではグルーヴィーなベースラインとキレのあるギターカッティングが心地よく、ボーカルとのセパレーションも良好。周囲の音を聞きながらこれだけの音質も出せるは正直驚きです。

EarFun「Clip」は、価格を考えるとかなりの優秀。『BADモード』をLDACコーデック接続で聴くと、オープン型とは思えないほど深く厚みのある重低音が空間を満たします。ボーカルはナチュラル思考で自然に聞こえるのでBGMに心地よいサウンド。『APT.』では、リッチな低音で楽曲をドライブするタイプのサウンド。男性・女性ボーカルの歌声もクセなく聞けるオールラウンダーですね。

SOUNDPEATS「Clip1」は、他の2機種とは異なるタイプ。Dolby Audioがデフォルトで有効ながら、宇多田ヒカルのボーカルもクリアに立てつつ空間的な定位の広がりも重視。『APT.』も耳の外からハッキリ鳴るサウンド設計が面白いですね。なお、アプリからDolby Audioはオフしてみても傾向はほぼ同じでした。

サウンドの完成度で考えると、やはり最も高額なShokz「OpenDots ONE」が頭ひとつ抜けますが、EarFun「Clip」、SOUNDPEATS「Clip1」でも音楽リスニングとしては十分な音質に到達しています。

最後にオンライン会議向けにマイク性能テストをしてみます。3機種とも厚みがある声の拾い方。通話マイク音質は3機種ほぼ同等というレベルで、通話用にも実用性があることを確認できました。

*  *  *

最新イヤカフ型ワイヤレスイヤホン、Shokz「OpenDots ONE」、EarFun「Clip」、SOUNDPEATS「Clip1」。どの機種も甲乙つけがたい完成度です。

Shokz「OpenDots ONE」は唯一の2万円オーバーですが、ブランドの信頼性と音質はやはりトップ。EarFun「Clip」は7990円で買えるコスパの高さは魅力的。最新のSOUNDPEATS「Clip1」は9980円でDolbyAudio対応の性能の高さは驚きです。空間志向サウンドという他機種にはない特徴があるので、映像コンテンツへの没入感を求めるユーザーにはピッタリですね。

▲3機種どれでも良いかなというのが正直感想

まだ試した事もない人も多いであろうイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン。まだまだ暑さが続くと考えると、3機種どれでも快適でハマるはず。まずは気になる1台から手に取って、使い始めてみてはいかがでしょうか。

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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