犬の毛をただ“整える”のではなく、その個性や美しさ、そして人との関係までもトリミングで浮かび上がらせる。犬と人を繋ぐ“今と本質"を創り上げる、江頭重知さんに聞いた。
江頭重知さん|長崎県生まれ、東京育ち。「犬のプロになりたい」と23歳で会社を辞め、トリマーの学校へ。自分らしいカットを模索し、“テディベアカット”を考案。プードルカットがスタンダードだった当時、全身の毛を自然に生かして作るテディベアカットは珍しく、話題に。そして1997年、26歳で世田谷区下馬に『DogMan』を開業し、そのスタイルが全国区となる(現在は、青山に2店舗展開)。 @dogmantokyo/ウリム9歳(ミニチュア・プードル)、トムミム9歳(ミニチュア・プードル)
▲笑顔に包まれる『DogMan』の店内。「スタッフ間の理解やコミュニケーションが大事です」と江頭さん
▲想いと経験を深めたトリマーたちが、飼い主や犬たちとコミュニケーションを重ね、オールシザーで丁寧に作り込んでいく
■生と死、愛しきる経験、日々の奇跡。育てているようで育てられているのは、きっと私たちなんですよね。
犬達にワシャワシャされながら、取材スタッフにも笑顔で気さくな対応をしてくれた
愛犬の個性、毛質、骨格、性格。そして飼い主のライフスタイルや美意識までも。犬の“今”と“本質”を見つめ、ありのままの美しさを創り出すトリミングサロン『Dog Man』。そのオーナーである江頭重知さんの隣には、兄弟のミニチュア・プードル、ウリムとトムミムが寄り添う。
「仔犬の頃は人が教えることが多いけれど、ある時期からは、犬の方が多くのことを教えてくれるようになるんです」と、二頭に抱きしめられながら江頭さんは語る。
▲「トリマーって、犬に喜ばれて、人に喜ばれて、最高の職業です」と江頭さん
30年前、彼が出会ったトイ・プードルのナッティーは、トリマーとしての眼をひらいてくれた存在。仔犬ながら3キロ越えで、当時は珍しかったレッドの巻き毛のナッティ―との運命の出会いは、江頭さんがコレクションしていたアンティークのテディベアをイメージしたオリジナルのカットを生み出した。その革新が、後に“テディベアカット”として多くの人の心を掴んだ。
「今まで15頭の犬と暮らしました。犬がいたから、僕の人生は広がっていった。出会いも、仕事も、生き方も全部です」
犬は犬だけで完結しない。その先にいる“人”との繋がりもまた、江頭さんの信念なのだ。
▲天然で自由気ままなウリムと、リーダー気質のトムミム
店名の由来は、“ドッグの先にはマンがいる”。犬と人が交わるところに、新しい何かが生まれる。その確信とともに、江頭さんは今日も犬と人のまなざしの奥にある、想いをすくい取っていく。
■THANK YOU for My Partner
ウリトミ、そして今まで暮らした素晴らしい犬たちへ。共に人生を歩め、多くを教えてもらい、心底感謝しています。
▲“dog bless you”は、『DogMan』の想いが込められたキャッチコピー
▲“テディベアカット”のモデルになったチーキーは今でも店内に
▲亡き愛犬、オーストラリアン・ラブラドゥードルのブルーノとの一枚。「犬種は違えど、どのコも先住犬達の面影を不思議と引き継いでいる気がします」と語る江頭さん
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<構成・文/小出健太郎、写真/小澤義人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/columns/694261/
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