スニーカーのプロたちが語り尽くす! スニーカートレンドの現在地、そして今後の流行とは?

【スニーカー最前線2025】

ファッションアイテムとしても日用品としても毎日必ず必要となるのがシューズ。なかでもスニーカー人気はここ数年、いや、十数年継続し続けています。毎年数々のアイテムが登場するため、今一体何を選べば良いかわからない人も多いのではないでしょうか? そこで今回、国内の人気スニーカーセレクトショップ「アトモス」と「ミタスニーカーズ」のプレスに現在、そして今後の動向について語ってもらいました。

■最近の流行りは? これからのスニーカーは何が流行る? プロが語るスニーカートレンドの“今”と“未来”

スニーカーについて知りたいのであれば、その道のプロに聞くのが手っ取り早い、ということで「アトモス」と「ミタスニーカーズ」協力のもと座談会を実施。リアル店舗を構え常日頃からスニーカー、そしてユーザーに向き合っている両ショップだからこそわかるスニーカーの現在と今後とは?

▲左:ミタスニーカーズ プレス 草ヶ谷 駿さん/1994年生まれ。小学校~高校でサッカー部だったこともあり、プーマ「パラメヒコ」や「クライド」に出合いスニーカーに目覚める。地元企業に勤めた後、「ミタスニーカーズ」で働くことを決意し上京。2020年からPRを担当 右:フットロッカー アトモスジャパン ブランドプランニング シニアスペシャリスト 福田千暁さん/1995年生まれ。小学生から始めたサッカーをきっかけに靴への関心を持ち、中学時代にファッションを通してスニーカーへと傾倒。大学時代に「Chapter」で販売を経験後、「atmos」で店長を経て現在はPR兼プランナーとしてマーケティングに携わる

――まずは今のスニーカートレンドについてですが、どういうアイテムが市民権を得ているとか、ヒットしているとか、逆にブランドからはこういうアイテムが多いなどお聞かせいただけますか?

ミタスニーカーズ草ヶ谷さん(以下、草ヶ谷):トレンドのひとつとして、まず外せないのがローファースタイルですね。スニーカーという括りから選ぶというよりは履物全般から選ぶ、という感覚の人が増えてきているように思えます。そういうこともあって、革靴のアッパーデザインにスポーツブランドのテクノロジーを流用したモデル流行っているのかなと。また、Onのようなパフォーマンスシューズも確実に市民権を得ていますよね。

アトモス福田さん(以下、福田):確かに仰る通り、ローファータイプの人気はスゴいですね。ユーザー人気もスゴいし、各ブランドからローファーのアッパーデザインにミッドソールなどはスニーカーのスペックというハイブリッドモデルが続々と出ています。あとは「アトモス」だとランニングシューズも盛り上がっています。ランニング用というよりもライフスタイルシューズとして履いている方が多い気がしますね。

――なるほど。一方でここ数年トレランタイプのアイテムも増えてきているようですが、ショップでの動きはどうでしょうか?

草ヶ谷:そうですね、トレイルランニングベースのモデルを街履きするというか、アーバントレイルの流れは浸透してきている感じはありますね。

福田:トレイル風のギザギザしたアウトソールとか、そういうディテールも刺さっているんですかね?

草ヶ谷:確かにそういうソールデザインの要素を組み込んでいるライフスタイルモデルも増えていますよね。昔はギアとタウンユースで分けて履いている人が多かったと思いますが、今はむしろそのデザイン性が受け入れられてシームレスに履けるモデルが増えたのかなと。

福田:これからさらに増えそう。サロモンなどのブランドも人気ですし。

■進むスニーカーのジェンダーレス化。求められるパフォーマンス性

――そのようなハイパフォーマンスのようなアイテムが注目されつつも、ここ数年テラスシューズ人気みたいな流れもありましたが今はどうなんでしょうか?

草ヶ谷:そうですね…。爆発的に注目された反動でアディダス「サンバ」やナイキ「ダンク」「エアフォース ワン」などはフェイスに残っているだけで今はあまり売れていないのかなとか勘違いされることもあるんですけど、実は全然売れているんですよね。元々カルチャーと密接に繋がっているシューズなので。未だに履き潰したらまた買いに来てくれるお客さまが多いのがその証だと思います。

福田:「サンバ」とかはセレブリティが履くことで今までと違う売れ方をしてしまったというか。それが落ち着いたというか、マスまで降りきったという印象ですよね。「サンバ」だけじゃなくて、フットボールルーツのフラットなソールのシューズたちもそうですし。

草ヶ谷:「サンバ」が売れたタイミングからジェンダーレス化も加速していません? 性別問わず選ばれるスニーカーに差がなくなってきていますよね。それもあって最初に戻りますけど、ローファータイプが幅広い層から支持されてムーブメントになっているのかなと思います。

福田:あとはブームのサイクルスピードが早くなってきていたり、細分化されたりしていますよね。草ヶ谷さんが仰ったローファータイプも人気な中、パフォーマンスタイプも人気だしっていう。普段履くうえで機能の必要性があるというか。

草ヶ谷:ゴアテックス、ヴィブラムソールの搭載や2way仕様などのマテリアルやギミックは注目度も日々高まっていますが、カテゴリーに囚われずにさまざまなシチュエーションで履ける1足を求めている人が多いのかなと。

■機能性を持つモノが今後スタンダードに?

――今後の動向についてもお伺いできればと思うのですが。

福田:ランニングシューズは各社結構出してきそうですね。ファッションの延長でランニングする人が海外・日本問わず増えてきていて。特に韓国での人気がスゴいんですよね。その流れが日本にも来ている感じです。実際、ファッションとかも日本に流れてきているじゃないですか。それがスニーカーにもっていう。あとは柄物でアニマルパターンとか。レディスからの流れですが、ジェンダーレス化も進んでいますしメンズにも来るんじゃないかな。

草ヶ谷:ランニングシューズの中では、本来パフォーマンスモデルに採用されていたテクノロジーにモダンな感性をプラスしたライフスタイル版が新定番として今後さらに注目されそうです。ナイキの「エイバ ローバー」を筆頭に機能とデザインが両立したモデルの需要が増えるのではないでしょうか。その一方でヴァンズ人気も再熱していて。昨年の春夏から登場したヴァンズ プレミアムが牽引役になりそうな予感がしています。時代に左右されないヴァンズらしいクラシックな見た目なんですけど、インソールがアップデートされていてとても歩きやすい。見た目からして機能性が高いモノだけではなく、こういったアイテムにも再注目していただければと。

福田:日本には駅伝などもありますし、ランニングシューズをはじめとしたパフォーマンスシューズが受け入れられやすい文化。こういったルーツみたいなものからトレンドというか人々の気分みたいなのを見ていくとさらにスニーカー選びが楽しくなると思いますよ!

■2025年、今手に入れたいプロ激押しのスニーカー

今すぐスニーカーが欲しい、でも何を選べば良いのか…と思っている人に朗報。国内外で多くのファンを持つ「アトモス」と「ミタスニーカーズ」に今買うべきスニーカーを教えてもらいました。珠玉の4足は要チェックです!

1. 銘品「スーパースター」にまた新たな逸足が

アディダス オリジナルス

「adidas Originals SUPERSTAR GTX atmos “G-SNK”」(1万8700円)

言わずと知れたアディダスの名作中の名作「スーパースター」。その特徴的なシェルトゥやサイドのスリーストライプスは国や地域、年齢・性別問わず多くの人々を魅了し続けています。こちらはその「スーパースター」のアイデンティティのひとつ、スリーストライプスをスネーク柄に変更。シンプルながらもさりげない個性が光る1足となっています。おまけにゴアテックス搭載で雨の日もなんのその。どんな着こなしにも合う汎用性の高さと機能性を併せ持った新たなタイムピースです。

一見するとオーソドックスなスーパースターですが、その信頼性は抜群。GORE-TEXを搭載し、スリーストライプスには暗闇で光る蓄光素材のスネークスキン“G-SNK”を採用した、気の利いたatmos別注モデルです。どんなシーンにも対応できる万能さに加え、男としての好感度も確実にアップする一足です。(福田さん)

2. 発売後、瞬く間に完売したローファースニーカー

キーン
「ユニーク ローファー WK」(2万8600円)

アウトドア・フットウエアブランド、キーン。なかでもひときわ個性的なアイテム「ユニーク」シリーズから旬のローファータイプが登場。その人気は凄まじく、発売するやいなや即完売してしまったほど。「ユニーク」由来の2本の編み込まれたコードがアッパーのアクセントになっています。また、ソールには快適な歩行性を担保するキーン・カーブを採用。街とアウトドアをシームレスに繋ぐキーンらしい新感覚のローファースニーカーです。

ウォーキングからアーバンカジュアル、ドレッシーなシーンにまで幅広い用途に対応する1足に進化を遂げたことで大きく注目されたこちら。ローファースタイルのスニーカーは若い世代が革靴に触れる入門アイテムになっているとも感じています。これをきっかけに、職人の技術などのモノ作りに興味を持つ人が増えたら嬉しいです(草ヶ谷さん)

3. クラシックとモダンが融合したハイブリッドモデル

アシックス

「Asics Sportstyle GEL-NYC atmos “Hyouzan”」(1万8700円)

ヘリテージとモダンなランニングスタイルから着想を得て誕生した「GEL-NYC」を爽やかなライトブルーで彩った別注カラー。「GEL-NIMBUS 3」と「GEL-CUMULUS 16」の名作2足を融合したハイブリッドモデルで、GEL×FLUIDRIDEテクノロジーが快適で弾むような履き心地を実現。また、そのモデル名通りニューヨークをイメージしたボリューミーなデザインが存在感のある足元を構築します。

インソールに氷山のグラフィックが描かれているのがポイントで、氷山は一見水面に浮かんでいるだけの様ですが、水面下では計り知れない程数倍もの氷塊から成り立っているとされています。この一足はそんな神秘的で静かな美しさを持つ氷山を、atmosの培った歴史やそれぞれに携わり支えてきた人々に準え、讃える一足です。深イイ!笑(福田さん)

4. そのパフォーマンスの高さから多くのファンを獲得

On
「CLOUD 6 COAST」(1万9800円)

踵を踏んでスリッポンのようにも履ける2WAYデザインを採用したこちら。以前のモデルから刷新したメッシュアッパーは通気性がより向上し、長時間の着用でも快適さをキープします。ミッドソールには高いクッション性を持つCloudTecとスムーズな蹴り出しを提供するSpeedboardを搭載。踵をフラットに畳めるうえに超軽量なため、旅行先や出張などに持って行くのにもうってつけなハイパフォーマンスな1足です。

Onは独自の機能とスイスならではのデザインでタウンユースにおいても認知が拡大している印象。「CLOUD COAST」シリーズは脱ぎ履きの多い日本の文化にも適しているのではないでしょうか。「ミタスニーカーズ」ではコラボの「CLOUD 6 COAST MITA」を皮切りにインラインモデルを知る方も多かったように思います(草ヶ谷さん)

■スニーカートレンドの行方は? 今後狙っておきたい厳選4足

スニーカートレンドの現在地がわかったうえで、今後はどういったアイテムが流行っていくのか、どのようなモデルに注目すべきかをスニーカーのプロ2人に教えてもらいました。選んで間違いないフットウエアがここに!

5. ネオンカラーとレザーアッパーでメリハリを利かせたナイキの名作

ナイキ スポーツウェア

「NIKE AIR MAX 95 BIG BUBBLE SE “HRJK”」(2万4200円)

ナイキ不朽の名作「エアマックス 95」をスタイリッシュに仕上げた一品。アッパーの素材をレザーに変更することで、元来テッキーなイメージのアイテムを上品でドレッシーな雰囲気へと昇華。大人の足元を飾るにふさわしい1足となっています。もちろんオリジナルに搭載されていたヒール部と前足部のダブルエアユニットは健在のため、一度履くとその高いクッション性にやみつきになること請け合いです。

1990年代後半〜2000年代前半に独自のカルチャーを築いた“裏原=原宿”へのオマージュとして、atmosから特別なエクスクルーシブモデルが登場。ネオンイエローをキーカラーに、レザーアッパーとリフレクターを組み合わせた贅沢仕様。ライナーの刺繍までこだわり抜かれた、“シビれる”一足です。(福田さん)

6. ストリートに馴染むスポーツスタイルの機能系スニーカー

ナイキ スポーツウェア
「AVA ROVER」(1万9030円)

通気性と保護性を兼ね備えた軽量ウーブンアッパーに立体的な表情のTPUオーバーレイを採用。ラバーアウトソールは軽量ながら優れたグリップ力を発揮します。さらにナイキ独自のReactXフォームクッショニングを搭載しているため足運びも快適。機能性とデザイン性を融合させたアーバンスタイルに映えるプロダクトは、ファッションアイテムとしても着こなしに華を添えてくれるはず。

近年のクラシック回帰などでアイコンモデルが注目されていたナイキですが、新モデル「AVA ROVER」は軽量でありながら優れた反発性を兼ね備えています。タウンユースにおける履き心地を担保しつつ、彫刻的でモダンなデザインのミッドソールは都市生活者の新定番として今後認知されていきそうですね(草ヶ谷さん)

7. フットボールがルーツの個性派スニーカー

プーマ

「PUMA KING INDOOR NVLCRK atmos」(1万9800円)

ここ最近のテラスシューズなどのトレンドがあった中、次に狙いたいのが今作。レトロなトレーニングシューズをプーマらしいモダンなデザインにモディファイしつつ、洒落た雰囲気を醸し出す淡いブルーを採用。折り返されたタンやアッパーのステッチなど履くだけで注目度アップ間違いナシ。それでいて落ち着いた空気感も併せ持つため、着こなしを選ばず履けるのもポイントです。

韓国・ソウル発のブランド「NIVELCRACK」を迎え、フットボールカルチャーに捧げるトリプルコラボモデルが登場。日韓それぞれのピッチの内外でフットボールを愛する人々に向けた一足です。個人的にも幼少期にPUMAのトレーニングシューズを履いていたこともあり、どこか懐かしさを感じさせるモデルでもあります。(福田さん)

8. デザイン・機能、すべてにおいて“プレミアム”

ヴァンズ
「PREMIUM OLD SKOOL 36 GTX “GORE-TEX” “七顚八起” “mita sneakers”」(1万9250円)

2024年に登場した新ライン「ヴァンズ プレミアム」と「ミタスニーカーズ」のコラボが実現。意外なことにヴァンズとのコラボは今回が初めて。それ故に気合いの入り方が違うのが見て取れます。例えば高反発PUフォーム・SOLA FOAM ADCを採用したインソールとアウトソールにはポップな龍と虎を全面にプリントしたり、サイドのストライプには蓄光素材を採用したり、注目ポイントを挙げると枚挙に暇がありません。アッパーにはさりげなく「ミタスニーカーズ」のマップコードもマーキング。細部まで徹底的にこだわった特別な1足です。

「ヴァンズ プレミアム」ラインから登場する本作はSOLA FOAM ADCのインソールや防水透湿性を発揮するGORE-TEXメンブレンなどを搭載したアップデート版。より持続可能な1足へと進化しています。“七顚八起”をコンセプトにスケートボーダーの精神性を表現したディテールからコラボ本来の意味や意義を感じ取ってもらえたら嬉しいです(草ヶ谷さん)

>> アトモス

>> ミタスニーカーズ

>> スニーカー最前線2025

<文/山口健壱、手柴太一(&GP) 写真/坂下丈洋>

 

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