「草刈りは夏の仕事」そう思っている人、多いですよね。でも実は、秋のいまこそ草刈りのベストタイミング。真夏のように汗だくになることもなく、草の勢いもぐっと落ちているこの時季は、根まで処理して“来年の草を減らす”チャンス期。この時期にしっかり整えておけば、来春の草取りがぐっとラクになります。
ご存知のとおり、雑草の処理方法は大きく分けて2つ。除草剤などで化学的に抑える方法と、道具を使って物理的に刈る方法があり、草の勢いが落ちた秋は、特に除草剤が効果を発揮しやすい時季。秋の気温が下がりきる前は、草の生育そのものが止まりやすく、散布後に再び伸びてくる心配も少ないといえます。そしてこのタイミングでしっかり根まで処理しておけば、来春以降も草の再生を大きく抑えることができるんです。
▲今回取材したのはジョイフル本田 宇都宮店。幅広い商品を取り扱う関東屈指を誇る大型ホームセンター
【店舗情報】
ジョイフル本田 宇都宮店
住所: 〒329-0606 栃木県河内郡上三川町磯岡421−1
営業時間:9:00~20:00 ※一部店舗やサービスは営業時間が異なります
定休日:元日
>> ジョイフル本田 宇都宮店
■除草剤は土中に“残す or 残さない”で選ぶ
とはいえ、除草剤と聞くと「ちょっと怖そう」という印象を持つ人も少なくありません。でも、最近の家庭用除草剤は、目的に合わせて選べるようになっていて、土中に成分を残すタイプと、ほとんど残さない分解性タイプの2種類があって、実は使いやすくなってるのだとか。
▲今回はお話を伺ったジョイフル本田宇都宮店でガーデン・ファーム用品を担当する根岸さん
「目的に合わせてどちらにするか選ぶと良いと思います。どちらも容量と使用条件を守れば家庭で扱いやすいので、知識を持って使えば便利なアイテムですよ」と話すのは、ジョイフル本田宇都宮店の根岸さんです。
▲アースカマイラズ「草消滅 4.5L」(実勢価格3800円前後)は、土壌に残って根から効かせるタイプ。8ヶ月持続で秋に撒いても春まで雑草に効く
ひとつめは、土中に成分を残して“がっつり枯らすタイプ”。グリホサートを主成分とする葉面吸収型で、葉や茎から吸収された成分が根まで届く構造。メーカー公称で半年以上効果が続くタイプを使えば、この時季に散布しても春先まで効き目が持続します。駐車場や通路など“もうここには生やしたくない”場所にぴったりです。
「実際に8ヶ月持続タイプの除草剤を使ったお客様から“本当に1年近く生えなかった”と聞くことも多いですね。細かく手をかけにくい場所の雑草処理には効果てきめんです」と根岸さん。
なお、これまで主流だった粒状に加えて、近年では液状タイプも増えてきているのだそう。「商品開発が進み、液状タイプでも十分残留してくれるようになっています。手軽さを取るなら撒くだけの液状、より広い範囲に散布したい場合はコスパの良い粒状というように選ぶと良いと思います」(根岸さん)。
▲レインボー薬品の「こっぱみじんシャワー」(実勢価格1600円前後)は分解性タイプで、そのままかけるだけでOKな除草剤
もうひとつは、土中にほとんど成分を残さない“分解性タイプ”。有機酸やアミノ酸をベースにした処方のモノもあり多く、水や微生物の働きによって一定期間で分解される設計です。葉や茎から除草成分を吸収させて草そのものを枯らすモノが多く、即効性があり、今すぐ除草したい時に使用します。「春に花や野菜を植えたいという人は、地面に薬効が残らないので扱いやすいです」(根岸さん)。このタイプは液状のモノがほとんどで、非希釈で使える商品を選べば面倒な手間もいりません。
▲ピンポイントで枯らしたい時は、住友化学園芸「お家まわりの除草剤 1L」(実勢価格800円前後)のようなスプレー式が最適
どちらのタイプも、容量と使用条件を守れば家庭で扱いやすいのが特徴ですが、「共通して注意が必要なのは、周囲に植栽がある場合です。枯らしてしまう可能性もあるので、狭いエリアでの使用は避けたほうがいいですね」と根岸さん談。
■除草剤+防草シートで“長期防御モード”に

除草剤で草を処理したあとに、防草シートを敷いておくのも効果的です。薬剤で根を枯らしてからシートを張れば、光を遮断して再発芽を防ぎ、効果がぐっと長持ちします。

たとえばグリーンフィールド「デュポン・ザバーン防草シート240 1m×30m」(実勢価格:2万円前後)は、高耐久で透水性も高く、雨は通しても日光は通さない設計。地面を平らに整えてピンと張れば、3〜5年は交換不要という声もあります。ポイントは「最初の施工を丁寧にすること」だと根岸さん。なるべく地表を平らにし、隙間やたるみを無くすことが施工のコツ。除草剤+防草シートという組み合わせは、”今の草を処理しながら、来年の草を生やさない”という長期的な草対策。ここまでやっておけば、来春はほぼメンテナンスフリーで済みます。
実際、夏前に設置しましたが全く雑草が生えてこずストレスフリー。もっと早くやればよかった…。
■「薬剤まではちょっと…」という人には、“ラクして整える”道具を
ここまでやれば、来年の草対策はほぼ完璧。とはいえ、「薬剤はちょっと抵抗がある」「他の植栽があるから除草剤は使えない」という人も多いはず。そんな人には、最近増えている“立ったままラクに使える草刈りツール”が人気です。

たとえば仁作「雑草ブラシおばけ No.2520」(実勢価格:4700円前後)は、広い面を使って雑草をザクザク削り取れるモノ。「コンクリートの隙間などに生えた雑草を面で処理したい人にぴったりです。使えば使うほど刃が遂げていくのでメンテナンスフリーなのも使いやすさに繋がっています」と根岸さんは話します。

また、電動のムサシ「充電式除草バイブレーター」(実勢9300円前後)は、振動で根を浮かせて抜き取る仕組み。根岸さんによると「別売りの専用ハンドルを使えば、立ったまま作業もOKです。なんだかんだで長いこと売れている商品ですね」とのこと。草の根本にブレードを引っ掛けてスイッチオンするだけで簡単に雑草を根ごと引き抜けます。こちらもレビューしているので気になった人はぜひ。

ユニークなアイテムでいうと、フジ鋼業の「スーパーマルチホーク 草ヌッキー」(実勢価格5300円前後)。広がるタイプの草や、狭く深く根を張る草などさまざまな雑草に対応しつつ、草抜き後はレーキ代わりにもなるスグレモノ。「これもかなり根強い人気がある商品で、定期的にお買い上げ頂くことが多いですね」(根岸さん)
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この頃では、記録的な猛暑が続く夏。雑草のパワーは年々増している気がするし、真夏に作業するのはさすがに酷。だったら、秋の涼しい今こそ“ラクして草と向き合う”タイミングです。
気温が安定していて、草の勢いも落ちたこの時期は、除草にも草刈りにも最適。放っておけば春にはまた青々と顔を出す雑草たちも、今のうちに手を入れておけば、来年の手間は劇的に減ります。
来年の自分に「やっといてよかった」と言わせるなら、まさに今が動くときです。
<取材・文/山口健壱(&GP)>

山口健壱|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回って&GP編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。今年の最後の除草タイミングです。みなさん、一緒に頑張りましょう。
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◆手間は最小限に。なるべくお金もかけずに除草するならやっぱり「三角ホー」だった
- Original:https://www.goodspress.jp/features/704189/
- Source:&GP
- Author:&GP
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