趣味を楽しむための頼れる相棒たち13選【憧れの一生モノ名鑑】

【憧れの一生モノ名鑑】

好きで楽しむ趣味だからこそ、突き詰めていきたくなるもの。辿り着くのはプロも信頼を置くスペックであり、そこには機能美とも言うべき佇まいの美しさが存在する。オーバースペックだろうが、好きだからこそ手に入れて愛でたいモノがある。

*  *  *

【Part 3】
GEAR

1. 下に持ち上から覗ける“ハッセル”で1億画素を堪能しよう

ハッセルブラッド
「907X&CFV100C」(115万5000円)

北欧のミニマリズムデザインを取り入れており、5軸精密加工により金属を切り出して高級感のあるシルエットに仕上げています。手触りはまるで工芸品のようで、持ち歩くだけでも気分が高まるとても美しいカメラです(株式会社セキド Hasselblad technical sales 黒川和樹さん)

中判カメラボディとなる「907X」と、1億画素の裏面照射型CMOSセンサーやチルト式モニターを搭載したデジタルバック「CFV100C」のセット。ハッセルブラッドらしい、腰前に構えて上から覗きながらの撮影も可能になっている。どちらもアルミ製で、表面にはレザー、エッジ部分にはクロームが使われていて、合わせてわずか620gと軽量ながらも上質感は抜群だ。

▲同社Vシステムの500シリーズや200シリーズなどのフィルムカメラに「CFV100C」を装着しても使えるモジュラー構造となっている

2. 工芸品レベルの美しさと合理性 眺めるだけで満足できる小径マシン

モールトン
「NEW SERIES SINGLE PYLON」(319万円)

モールトンは、1962年に創業者であるモールトン博士が、世界初の本格的なフルサスペンションシステムを持つモデルを開発したところが始まり。伝統を引き続ぐ「シングルパイロン」は、世界中で愛されている1台です(モールトン 事業部長 富成次郎さん)

小径、高圧タイヤ、前後サスペンションが特徴の英国の自転車メーカー、アレックス・モールトン。1998年に登場したニューシリーズの中でも、やぐら(パイロン)状にフレームが組まれた「シングルパイロン」は、軽さと美しさから世界の自転車乗りの憧れの存在だ。故モールトン博士が住んでいた城にある工房で作られたものは“お城製”と呼ばれ、特に人気が高い。

3. 最新技術と素材、伝統的な和竿の佇まいが融合

ダイワ
「枯法師」(6万~18万3000円)

和竿(竹竿)から引き継がれる、釣味を楽しむ中硬本調子を最新のカーボンテクノロジーで実現した“ギア”としての側面と、1本1本職人の手作業で造られる“デザインの道具”としての側面を融合させた、所有欲をくすぐられる至高の一竿です(グローブライド株式会社 フィッシング営業本部 マーケティング1部 ロッド企画課 主事 前山 晶さん)

1986年に初代が発売され、今なおさらなる進化を続けるへら竿の七代目。和竿が生み出す美しく自然な曲がりをカーボンで実現すべく開発されている。尺(長さ)ごとに技術や素材構成、テーパー(調子)の組み合わせや継数を最適化することで、へら竿の伝統的な節の佇まいを生み出している。全長2.1m(3継)~6.3m(6継)まで12種類をラインナップ。

▲段塗部は職人がハケ塗り仕上げ、竹地は侘び寂びを感じる染みまで表現するなど外観にもこだわりがある

▲曲りや見た目は竹竿に見えるが、最新のカーボン素材により、軽く、細く、粘り強く仕立てられている

4. 世界中のガーデナーから愛される 墨田区発の銅製じょうろ

根岸産業
「銅製英国型如雨露4号」(2万9000円)

バラや洋ランなど26カ国のスペシャリストに、修理時にご意見を伺い、毎年アップデートしてます。銅は、微生物の活性化具合を調整することで虫の発生を減らし、植物への養分を最大化すること。雨に近い水やりをぜひ体験してください(根岸産業 3代目代表 根岸洋一さん)

東京都墨田区にある日本唯一の盆栽如雨露(じょうろ)メーカーが手掛ける逸品。殺菌力を持つ銅の効果で水が腐りにくく、また水に溶けだした銅イオンにより苔の生育が良くなるというメリットがある。日本だけでなく海外の盆栽愛好家からも支持され、プロの園芸家も愛用する本格的なガーデニングじょうろだ。容量約4L、長さ80×高さ23×奥行き20cm

▲給水口にはこし網が付けられ、溜めた雨水を汲む際に葉やゴミなどが入らないようになっている

▲長い竿でも狙ったところに水を出せるよう付けられたハンドルも銅製。継ぎ目の仕上がりも美しい

▲竿の先端に取り付けるハス口は斜口のものが付属する。別売にはなるが、ツル首も用意されている

5. 品質の高さと快適さからついた異名は“テント界のロールスロイス”

ヒルバーグ
「ソウロ BL」(20万9000円)

3本のポールが交差する自立型ドームテントで、風に強く確かな剛性と快適性を兼ね備え、ヒルバーグらしい堅牢さが詰まった完成度の高い1人用モデルです。使い込むほどに道具としての安心感と信頼を実感させてくれます(株式会社エイアンドエフ ブランド管理部 河合智之さん)

インナーとフライが一体化し設営しやすい構造や、シリコンを含んだ独自素材“ケルロン”による高い耐久性と防水性、幾重にも縫製することでシームテープを省くなど、他にはない特徴を数多く持つスウェーデンのテントメーカー、ヒルバーグの一人用テント。極限下だけでなくキャンプや登山でもユーザーがメリットを享受できる、名作ソロテントだ。総重量約2.8kg

▲小さいながらも前室があり、別売りのポールホルダーをセットすればインナーテントだけでも使用可能。室内最大高95cm、フロアの広さ1.9平方m、収納サイズφ17×43cm

6. 工芸品のようなフォルムが映える クラシカルなデザイン

バルミューダ
「セーリングランタン」(55万円)

今回のコラボレーションは、バルミューダ創業のきっかけにもなったジョニー・アイブ氏からのお声がけで始まりました。「Sailing Lantern」の開発は両社にとって刺激的なプロジェクトでした。デザインをピュアに信じるチームだから実現した美しい灯りをぜひご覧ください(バルミューダ株式会社 ブランドマーケティング部 部長 秦泉寺里美さん)

アップルで最高デザイン責任者を務めたジョナサン・アイブが率いる“LoveFrom”とバルミューダのコラボにより生まれたLEDランタン。航海用のランタンから着想を得たデザインはクラシカルで、長く使い続けられるようメンテナンスや分解、修理を容易に行えるようになっている。世界1000台限定。直径113×H174mm、約1.5kg

▲テクスチャー加工が施されたポリエステル製のランヤードは柔らかい触り心地ながらタフさも併せ持つ

▲高い透明度のガラスや、電解メッキ処理したステンレスなど、全ての素材に特別な仕上げが施されている

▲操作ダイヤルはシンプルにひとつのみ。オン・オフはもちろん暖色から温白色までの調色もできる

7. ブランドを代表する人気マルチツールがハイエンド素材でパワーアップ!

レザーマン
「WAVE ALPHA」(4万3980円)

初めて買う方に「どれがオススメ?」とよくお問い合わせいただきますが、オススメはWAVEシリーズです! 機能数が多いのはもちろんですが、個人的には左右対称のハンドルは握りやすいので使い勝手が良くオススメです(株式会社LTJ 営業部 渡邉芳基さん)

1998年の初代発売以来、ロングセラーとしてレザーマンの人気を不動のものにしたマルチツール「WAVE」の最新作。切れ味が長持ちし、耐食性や靭性、硬度に優れたハイエンド鋼材“マグナカット”を採用し、ハサミが従来モデルから大型化している。プライヤーやハサミをはじめ19の機能を持つ。収納時全長約10cm、ナイフの刃渡り約7.4cm、重さ234g

▲ハンドルにはガラス繊維を樹脂で積層した軽く高耐久な複合素材“G10”を使用。ナイフの刃にはDLCコーティングが施されている

▲両ハンドルを回すと現れるプライヤーがレザーマンのマルチツール最大の魅力。精度が高く軽い力で握っても重いものをしっかり保持できる

8. 世界のプロメカニックが愛用する“工具箱”最高峰 エピックシリーズの特別仕様

スナップオン
「105th Special Edition EPIQ series Roll Cab+Work Center“Cosmic Blue”」(466万7561円)

サファイアブルーをベースカラーに、ガラスフレークを使用し、クリアコートで仕上げたCosmicBlue(コスミックブルー)は、自動車のような美しい光沢と高い表面硬度を実現した105周年EPIQだけの専用カラーになります(スナップオン・ツールズ株式会社 マーケティング/広報 阿部 誠さん)

クルマやバイクのプロである整備士たちがこぞって愛用するアメリカの老舗ツールブランド、スナップオン。高品質なハンドツールで有名なブランドだが、工具箱(ツールボックス)の人気も高く、最高峰となるエピックシリーズはプロも憧れる逸品だ。創業105周年を記念して発売されたスペシャルエディションは、限定色で塗装された美しい外観がポイント。

▲数多くの工具やパーツを整理して収納できる機能的な内部。最上部の引き出しは耐荷重103kgのスライドをダブルで装備するなどとにかく頑丈に作られている

▲工具満載で重くなってもスムーズに動かせるのは、コンプレッションサスペンション付きマグネシウムホイールを備えているため。耐荷重はなんと3.6tだ!

9. ミニマルな美しさで味わう 極上のサウンド体験

ケー・イー・エフ
「LS60 Wireless」(88万円)

ミニマルな美しさと迫力のサウンドが空間を豊かに彩る、KEFが誇る最新技術を結集したワイヤレスHi-Fiスピーカーです。ハイレゾ音源も自在に再生し、次世代のオーディオ体験を実現します。インテリアに溶け込む美しい佇まいにも注目です(完実電気株式会社 ブランドマネージャー 中田洋輔さん)

1961年にイギリスで創業したスピーカーメーカー、KEF。老舗ながら、時代のニーズに合わせたプロダクトを次々と開発する技術力を持ち、LSワイヤレスシリーズも、配信デジタル音源をワイヤレスかつ高音質で堪能できるスペックとなっている。ゲームも映画も音楽も没入感あるサウンドへと昇華する、まさにデジタル時代の最先端をいくスピーカーだ。

▲入力端子はHDMIe ARC、光入力、デジタル同軸、アナログRCAなど。テレビ、ターンテーブル、ゲーム機など、すべての有線ソースをサポートする

▲幅はわずか13cmとスリム(高さは台座込みで109cm)。さらに表面をマットに仕上げたデザインは、どんなインテリアにも馴染むミニマルさだ。カラーは全4色展開

10. 今そこで演奏されているようなリアリティあるサウンドに浸る

オーデジー
「CRBN2 カーボン2」(110万1100円)

革新のSLAM(Symmetric Linear Acoustic Modulator)技術と第二世代ドライバーが生み出す、比類なき純度と臨場感。選び抜かれた素材と精緻な職人技が融合した、まさに“芸術品”と呼ぶにふさわしい静電型ヘッドホンの到達点です(完実電気株式会社 ブランドマネージャー 中田洋輔さん)

設立は2007年ながら、軍事や航空宇宙分野で培った技術をもとに突き抜けた高音質モデルを数々送り出し続ける米・オーデジー社のフラッグシップヘッドホン。自社製造の第二世代カーボンナノチューブ静電ドライバーが生み出すクリアで原音に正確なサウンドは、思わず息を飲み鳥肌が立つほど。現代オーディオの最高峰を体験できること間違いなしだ。

▲音質だけでなく、マグネシウム、カーボンファイバー、プレミアムレザー、ポリマーアセテートなど素材も厳選された高品質なものが使われている

11. 名機を現在に引き継ぐ最高峰の逸品でさらなる感動を

テクニクス
「ダイレクトドライブ ターンテーブルシステム SL-1000R」(200万円)※受注生産品

テクニクスの技術を集結し、パーツ素材の1点1点にもこだわり、贅を尽くしたダイレクト・ドライブ方式ターンテーブルの最高峰です。この商品を通じてお客様の感性に響く「音の感動」をお届けしていきます(パナソニック株式会社 コミュニケーションデザインセンター メディアプランニング部 中岡幸夫さん)

1970年に発売され、テクニクスの名を世界に知らしめた伝説のターンテーブル「SP-10」。それを現代に引き継ぎ、持てる技術を注ぎ込んだ「SP-10R」に強靱な構造を採り入れたシャーシ、職人の手で丁寧に組み立て・調整された高感度なトーンアームを組み合わせたのが「SL-1000R」。良い音のために設計から素材まで徹底的にこだわって作られる最高峰の1台。

▲高い初動感度を実現したトーンアームにはテクニクスで伝統的に採用されてきたスタティックバランス型のユニバーサルS字形トーンアームを継承している

▲ターンテーブルの肝となるモーターには、高トルクとなめらかな回転を実現するコアレス・ダイレクトドライブ・モーターを搭載している

12. カフェで楽しむカフェラテを再現 セミオートエスプレッソマシンを自宅で

ランチリオ
「Silvia」(35万4200円)

プロフェッショナルが淹れるエスプレッソを、いつでもあなたの手元に。モダンなデザインのSilviaはどんなインテリアにもマッチし、プロフェッショナルレベルの性能を提供します(ラッキーコーヒーマシン株式会社 企画部 マーケティング企画課 加藤菜月さん)

1927年創業のエスプレッソマシンメーカーが家庭用に設計したモデル。ポルタフィルター、断熱ボイラー、真鍮製抽出ユニットなど、ランチリオの本格的な抽出技術を家庭で手軽に楽しむことができ、カプチーノやマキアートなど、甘美な泡とクリーミーなスチームミルクを作るプロの感覚が味わえるエスプレッソマシン。W235×H340×D290mm、14kg、ボイラー容量300ml

13. 雑味のないクリアな1杯を家庭でも実現

ウェバーワークショップス
「The Key」(30万9400円)

静かでスリムで、一流カフェの機材を超えるパワーと精度が気に入っています。静音なので早朝に家族を起こしにくく、どんなカウンターにも馴染む上質なデザイン。忙しい朝でも思わず手が伸びて、その一杯で一日が気持ちよく始まります!(WEBER WORKSHOPS 国内広報部 スミス タークウィンさん)

アップルで「iPod nano」を開発したエンジニアが、福岡県糸島市を拠点に設立したコーヒー器具メーカー、WEVER WORKSHOPS。「THE KEY」は家庭のキッチンにも置きやすいサイズで、プロも納得の高精度な挽き目を実現した電動グラインダー。メンテナンスの容易さやプロダクトとしての美しさに惹かれて世界中から注文が届く。W109.2×H349.6×D248mm、9kg

▲要となる刃は、エスプレッソグラインダーのトップメーカーであるイタリア・MAZZER社製の83mmコニカル(円錐)刃にTiNコーティングしたものだ

>> 特集【憧れの一生モノ名鑑】

※2025年11月6日発売「GoodsPress」12月号62-77ページの記事をもとに構成しています

<取材・文/円道秀和>

 

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