スバルのロングセラーモデル、レガシィをルーツに持ちながら、当初より海外市場向けを意識し誕生したアウトバック。
優れた走行性能を持つステーションワゴンでありながら、車高高めのアウトドア仕様で、幅広い使い勝手を実現するモデルですが、残念なことに国内モデルは2021年を最後に販売終了に…。
しかし、先日の「ジャパンモビリティショー2025」で新型のプロトタイプが参考出品されました。それがウィルダネス・プロトタイプというモデル。アウトバックの幅広い優位性のうち、特にオフロードでの用途に特化させたかのような1台でした。
▲オフロード仕様のスバルの新型アウトバックのウィルダネス・プロトタイプ(画像提供:スバル)
■新型アウトバックのオフロード特化型モデル・ウィルダネス
▲良い意味でのアナログ感+無骨感により、「ジャパンモビリティショー2025」では逆に目立っていました
▲スクエアなプロダクトデザインと堅牢な足回りが、無骨でカッコ良いです
スバル・アウトバックの国内仕様車は2021年のモデルを最後に生産終了となったままですが、海外市場では根強い支持を得続けており、今年春にルモデルチェンジした新型アウトバックがアメリカ市場向けとして発表されました。
そのオフロード特化型モデルが、この新型アウトバックのウィルダネス・プロトタイプで、スクエアなプロダクトデザイン、堅牢な足回り、アウトバックならではの高めの車高などによって、いかにも無骨な印象です。
「ジャパンモビリティショー2025」のブースの大半が、近未来に向けたデザインのモデルを展示していたのに対し、この良い意味でのアナログ感+無骨感が逆に目立って、多くの来場者を虜にしていました。
ベーシックモデルの新型アウトバックは2.5リッターの水平対向4気筒の自然吸気エンジンですが、このウィルダネス・プロトタイプは、2.4リッターのターボエンジンを搭載。最高出力260psを実現し、十分な走破性を実現します。
▲外装部に装備されたキャリア、プロテクター、ウォータージャグなども、ボディにマッチしておりカッコ良いです
▲アウトドア、オフロードシーンを強く意識し、リアには2台のマウンテンバイクも
■無骨なだけでないインテリジェンスな一面も
▲運転席には2台の大型ディスプレイが並びます
また、内装は極めてシンプルに映りながらも、スバルの最新技術も投影されています。
運転席には12.1インチセンターインフォメーションディスプレイと、12.3インチのフル影響メーターが並びます。視認性の良さに加え、乗り手ごとのカスタマイズにも応えられるもので、無骨なだけでないインテリジェンスな一面も。
また、新型アウトバックのウィルダネス・プロトタイプは、全長約4874mm。国内仕様車の最終モデルの全長約4870mmと、そう大差がないものの角張ったプロダクトデザインによってか、積載性は遥かに上がった印象。アウトドアやオフロードを意識していながらも、アウトバックの特長でもある使い勝手の広さも高めていることが伝わってきました。
■「日本国内での販売は考えていない」とスバル担当者
▲新型アウトバックのウィルダネス・プロトタイプは筆者だけでなく、国内外の人々を虜にしていました
この新型アウトバック、かなり良い!!
……気分が高まった筆者は、「ジャパンモビリティショー2025」のスバルブースの担当者に話を聞きました。やはり従来のアウトバックの良さを、アウトバック面で高めた
「いつ日本で販売されるのか」と尋ねると、「目下2026年のアメリカ市場での販売のみを予定していて、今のところは日本国内での販売は考えていない」と残念な返答。しかし、「日本国内での販売がまったくないということではなく、反響次第ではあるかもしれない」とも。
▲「スバルさん、新型アウトバック・ウィルダネス、頼むから日本でも売って!」
同様の質問をたくさん受けてきたのか、担当者はやや疲れ気味に答えてくれましたが、しかし、こんなにカッコ良くて機能的にも優れた新型アウトバック、ウケないはずがないとも思いました。
既存のアウトバックを、このウィルダネスを真似てカスタムしても良いほどのカッコ良さ。スバルの方には改めてお願いしたいです。「新型アウトバック・ウィルダネス、頼むから日本でも売って!」と。
<取材・文/松田義人(deco)>

松田義人|編集プロダクション・deco代表。趣味は旅行、酒、料理(調理・食べる)、キャンプ、温泉、クルマ・バイクなど。クルマ・バイクはちょっと足りないような小型のものが好き。台湾に詳しく『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)をはじめ著書多数
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