A19・A19 Proの効率的な設計が明らかに〜競合チップと比べてダイ面積が最小

AppleのA19 Proと、MediaTek Dimensity 9500、Qualcomm Snapdragon 8 Elite Gen 5のダイ面積を比較した画像が、X(旧Twitter)に投稿されました。

同一の製造プロセスを採用しているにもかかわらず、A19 Proのダイ面積が競合チップよりも大幅に小さいことが明らかになっています。

A19 Proと競合チップのダイ面積を比較

リーカーのKurnal氏が投稿した情報によれば、各チップのダイ面積は以下の通りです。

チップダイ面積
A19 Pro98.69平方ミリメートル
Dimensity 9500140.57平方ミリメートル
Snapdragon 8 Elite Gen 5126.20平方ミリメートル

A19 Proは、Dimensity 9500と比べて約30%、Snapdragon 8 Elite Gen 5と比べて約22%、ダイ面積が小さいことになります。

ただし、Kurnal氏が投稿した画像によれば、Dimensity 9500にはMediaTek M90 5Gモデムが統合されていますので、それがダイ面積の大きさに繋がっている点は割り引いて考える必要があるでしょう。

製造プロセスはTSMCの第3世代3nm「N3P」で共通

これらのチップはいずれも、TSMCの第3世代3nmプロセス「N3P」で製造されています。そのため、ダイ面積の違いは、設計思想や回路の集積効率の差を直接反映したものと考えられます。

一般に、ダイ面積が小さいほど1枚のウエハーから多くのチップを切り出せるため、製造コストを抑えやすくなります。AppleはTSMCと有利な条件で製造委託契約を結んでいると噂されていますが、そもそもチップ自体のダイ面積が小さいことも、コスト競争力を高めている要因のひとつと見られます。

A19のダイ面積はさらに小型化

A19については、SemiAnalysisが「A18と比べてダイ面積が約9%縮小している」と報告しています。

A18のダイ面積が約90平方ミリメートルであったことから、A19はおよそ82平方ミリメートルになる計算です。この場合、Dimensity 9500と比べて約42%、Snapdragon 8 Elite Gen 5と比べて約35%もダイ面積が小さいことになります。

Apple A die evolution

Geekbench 6のベンチマークスコアで示されるパフォーマンス差を踏まえても、AppleのAシリーズが非常に効率的な設計であることは明らかでしょう。

ベイパーチャンバー非搭載との関係性も?

iPhoneが、A19 Proを搭載するiPhone17 Proシリーズに至るまでベイパーチャンバーを採用してこなかった背景には、Aシリーズチップのダイ面積が小さく、結果として総発熱量を抑えやすかったことも関係している可能性があります。

チップ設計そのものの効率の高さが、放熱機構の簡素化や筐体設計の自由度向上につながってきた点は、Appleシリコンの強みのひとつと考えられます。

Photo:Kurnal(@Kurnalsalts)/X, SemiAnalysis(@SemiAnalysis_)/X


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