キャッシュレス派の最適解。池之端銀革店の技が詰まった薄さ1.5cmの革財布

キャッシュレス化が進み、スマホひとつで支払いが完結する時代ですが、現金やカードを予備として現物で持っておきたい場面は、まだまだあります。小ささと収納力を両立したミニウォレットを探しているなら、東京・根津に工房と店舗を構えるレザーファクトリーブランド、池之端銀革店の「Cramp プエブロ フラグメントケース(Cr-608)」(1万8700円)に注目したいところ。レザーを知り尽くした同社ならではのつくりで、長く付き合える工夫が随所に詰まった一品です。

池之端銀革店は、一流ブランドのOEMを長年手がけてきた小野勝久氏が2004年に立ち上げたブランド。遊び心のあるギミックを取り入れた実用性の高いプロダクトに加え、裁断面を美しく仕上げるコパ処理など、職人技が光るディテールにも定評があります。レザーの扱いに長けた若手からベテランまで幅広い世代の職人が在籍し、次世代の育成にも力を入れている点も特徴です。

こだわりの詰まったプロダクトを発表し続ける池之端銀革店から、12月下旬に登場するのが「Cramp プエブロ フラグメントケース」。メインブランドであるCrampの新作です。

“フラグメント=かけら”という名の通り、同ブランドで人気を集める「コンパクトウォレット」の構造をベースに、その一部を切り出す発想から生まれたのが最大の特徴。なかでもコインポケット部分を主役に据え、機能を凝縮することで、よりミニマルな設計を実現しています。

薄型でありながら、必要十分な収納力を確保。持ち歩きやすさと実用性を高い次元で両立したフラグメントケースというわけです。

サイズは約10×8.5×1〜1.5cmと、ほぼ名刺と同等のコンパクトさ。最厚部でも約1.5cmに収まる薄さには、思わず驚かされます。

とはいえ、その小ささからは想像できない収納力を備えているのがポイント。カードポケットを3カ所備えるほか、ガバッとスクエア状に開くコインポケット、さらに紙幣入れも配置。ミニマムな見た目ながら、日常使いに必要なものはしっかり収まる設計です。

本体のメイン素材には、イタリアの名門タンナー、バダラッシィ・カルロ社がバケッタ製法で仕上げたプエブロレザーを採用。表面を擦ったレザーに真鍮ブラシをかけることで毛羽立たせた、白っぽくマットな表情が特徴です。

使い始めはややざらりとした手触りですが、使い込むにつれて表面の毛が徐々に寝ていき、スムースレザーのような滑らかな質感へと変化。あわせて色味にも深みが増し、表情はより豊かになっていきます。時間を重ねることで風合いが育っていく、その変化こそがプエブロレザーならではの魅力と言えるでしょう。

細かな工夫も随所に見られます。たとえば大容量のコインポケットは、収納時の膨らみを想定し、ホックの位置をあえてずらして設計。中身を入れたときに自然と収まりのいい形になるよう配慮されています。

また、使用する金具はホックのみとし、ファスナーを使わない構成にすることで、故障のリスクを抑えている点もポイント。日常的に使うアイテムだからこそ、こうしたさりげない工夫が使いやすさにつながっています。

カラーは、定番のブラックやネイビー、キャメルといった落ち着いた色合いに加え、明るさのあるフォレスト、そして限定色のアッシュまで全5色をラインアップ。いずれもプエブロレザーならではの経年変化が楽しめるカラーです。

1点1点、職人の手作業によって仕上げられるミニウォレットは、使い込むほどに表情が深まる存在。年末年始のギフトとしてはもちろん、新しい年を迎えるタイミングで手元のアイテムを更新する一本として選ぶのも良さそうです。

>> 池之端銀革店

<文/GoodsPress Web>

 

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