今やあらゆる場面でなくてはならないスマホ。だからこそ、バッテリー切れを防ぐためにモバイルバッテリーを携帯しているという人も多いと思います。
令和の必携品となった感のあるモバイルバッテリー。中でも5000mAhの製品は軽くて小さいことから、マグネットでスマホの裏面にくっつけてワイヤレス充電できるタイプが多く、価格がお手頃なこともあり人気です。

そんな5000mAhのモバイルバッテリー、残量空っぽのスマホをフル充電できない場合が多いということは案外知られていないかもしれません。
え、だってスマホのバッテリーって5000mAhもないからフル充電できるんじゃないの? と思いますよね。
なぜそんなことが起こるのか、ざっくり説明していきましょう。計算とか数字とか見たくない! という人は、記事の最後に実際の容量を知るための簡単な計算方法を書いているので、そこまで一気に飛ばしてもらってOKです。
■電力=電圧×電流
モバイルバッテリーはリチウムイオン二次電池を内蔵しています。ここに電気を貯めたり、ここから電気を供給したりする仕組みです。
このリチウムイオン二次電池は基本的に出力が3.6~3.7Vとなります。そして、USBの定格電圧=5Vに電気を変換して出力します。
<補足> USBケーブルの定格電圧(安全かつ正確に動作するように設計された基準となる電圧値)は基本的には5Vなのですが、近年増えているPD(Power Delivery)対応の場合は5V以外に9V、15V、20Vなどの高電圧にも対応しています。
さてここで、ひとつ思い出してほしいことがあります。それが電力(W/ワット)、電圧(V/ボルト)、電流(A/アンペア)の計算式。
電圧(V)×電流(A)=電力(W)
なんとなく理科で習った記憶ありませんか? これを使って5000mAhのモバイルバッテリーについて計算していきます。
V(電圧)は3.6V
Ah(電流)は5000mAh÷1000=5Ah
※mAhをAhにしたいので1000で割ります
このふたつの数字からW(電力)ではなくWh(1時間あたりの電力容量/ワットアワー)を計算します。
3.6V×5Ah=18Wh
これで5000mAhのモバイルバッテリーの電力容量(Wh)が分かりました。このWh、ポータブル電源などの大容量バッテリー搭載製品では容量表記としてよく使われています。
ではこの18Whを、USBケーブルに電気を通す電圧5Vに変換するとどうなるのか。もう一度、計算式を思い出してください。
電圧(V)× 電流(A)=電力(W)
これに当てはめます。
18Wh÷5V=3.6Ah
※電力がWhなので電流もAhになります
モバイルバッテリーはmAh表記が多いので、AhをmAhにするため1000を掛けると、こうなります。
3.6Ah×1000=3600mAh
これで実際使える容量が出た、と思いますよね? 実は5Vに変換するためにも電力が消費されているんです。その消費電力はなんと約15%。なので、約85%が使えるということになります。
3600mAh×約85%=約3060mAh
これが5Vで出力できる実際の電気容量です。なんと約2000mAhも減っちゃいました(実際には減っているわけではないんですけどね)。
ということで、5000mAhのモバイルバッテリーが出力できる電気容量は、5V 約3000mAhになります。ちなみにこの数値のことを「定格容量」といい、本体への記載が義務付けられています(極々小さいフォントサイズで書かれているアレです)。
▲アンカーの20000mAhのモバイルバッテリー。総容量は20000mAhだが、定格容量は6割の12000mAhになっている
▲CIOの8000mAhのモバイルバッテリー。4000mAhのセル(リチウムイオンバッテリー)が2つ(計8000mAh)入っていて、5VでのRated Capacity(定格容量)は6割の4800mAhと本体に記載されている
なので、モバイルバッテリーの容量表記(製品名やパッケージに書かれているもの)から実際に使えるだいたいの容量を計算する方法はこちらになります。
容量×0.6
なので、5000mAhの製品なら約3000mAh、10000mAhなら約6000mAh、20000mAhなら12000mAhとなるわけです。
■代表的なスマホのバッテリー容量を確認すると…
ちなみに現在発売されている代表的なスマホのバッテリー容量は以下になります(iPhoneは公表されていないので推測値)。
iPhone 17=約3700mAh
iPhone 17 Pro=約4250mAh
iPhone 17 Pro Max=約5100mAh
iPhone Air=約3150mAh
iPhone 16=約3550mAh
iPhone 15=約3350mAh
Pixel 10=4970mAh
Pixel 10 Pro=4870mAh
Pixel 10 Pro XL=5200mAh
Pixel 10 Pro Fold=5015mAh
Pixel 9a=5100mAh
Pixel 9=4700mAh
Galaxy S25 Ultra=5000mAh
Galaxy S25=4000mAh
Galaxy S24=4000mAh
Galaxy Z Fold7=4400mAh
Galaxy Z Flip7=4300mAh
5000mAhのモバイルバッテリーだと、スマホのバッテリー残量が空っぽの状態から充電を始めたとして、iPhone Airでギリギリ満タンにできるかどうかといったところでしょうか。もちろん、使い込んだモバイルバッテリーやスマホの場合、バッテリーの実容量が変わってくるので、必ずしも上の計算式が当てはまるわけではありませんが、使える容量は「表記の約6割」と覚えておいて損はないかと思います。

たまにパッケージに書いてある「iPhone ◯ 何回分」といったような表現は、この計算から出されているものになります。最後にもう一度。
実際に使える容量はパッケージに書かれた容量の約6割
ということになります。
<文/GoodsPress Web編集部>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/712492/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
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