正月休みで頭脳派バトル。1度で2度おいしいクイズ&人狼系なら「インサイダーゲーム」

正月休みは、時間に少し余裕が生まれる時期です。言葉を選ばずに言えばヒマ! そんな正月休みを、手軽に、気軽に盛り上げる選択肢として、これまでいくつかボードゲームを紹介してきました。

これまでに取り上げてきたのは、子どもと一緒に楽しめる、直感的なパーティゲーム。ルールはシンプルで、考えすぎずに盛り上がれるタイプで、年始の集まりには間違いのない選択です。

小学校低学年から一緒に遊べる、正月にちょうどいいテーブルゲーム「キャプテン・リノ」

子どもも大人も「はぁ」だけで盛り上がる。声と表情のクイズ「はぁって言うゲーム」

一方で、集まっているのが“頭脳派のオトナ”ばかりなら、少し毛色の違う遊び方もアリ。協力しているようで、実は誰かが嘘をついている。味方だと思っていた相手を疑い、疑っていた相手に助けられる。そんな騙し、騙される駆け引きにこそ燃える人もいるはずです。

そこで今回は、1プレイ15分程度でトライしやすく、簡単なルールながらオトナ同士だからこそ本気になれる正体隠匿系のテーブルゲームをピックアップ。渋谷のボードゲームカフェ「High Five」のろんさんに教えてもらい、ひと癖もふた癖もある編集部員たちと実際に遊んでみました。

▲渋谷駅新南口改札から徒歩数分のボドゲカフェ「High Five」。ひとりでもグループでも気軽に立ち寄れるのが魅力

▲スマホよりも一回り小さいサイズ感で、しかもデザインがオシャレ

今回紹介する、オインクゲームズ「インサイダーゲーム」(1760円)は協力と裏切りが同時に進んでいく少し変わった構造が特徴。簡単に言ってしまえば、前半ではみんなで正解を当てるクイズゲーム、後半は“正解を知っているのに知らないフリをしている人”を当てる人狼系ゲーム。

基本情報:4〜8人用、プレイ時間約15分、対象年齢9歳以上

■ルール:前半はクイズパート、後半は犯人探しパート

役割は3つ。“マスター”、“インサイダー”、“庶民”に分かれます。マスターはプレイヤー兼進行役で、最初からお題(正解の言葉)を知っています。そして、インサイダーも正解を知っていますが、そのことを隠したままプレイ。一方、庶民は何も知りません。

▲制限時間は砂時計。この砂時計がゲームを面白くする

前半はクイズパートで、役割にかかわらずお題を当てます。砂時計をひっくり返し落ちきるまでが制限時間です。各プレイヤーは“マスター”に対して、“それは生き物ですか?”、“食べられますか?”といった、“イエス/ノー”で答えられる質問を投げかけながら、全員でお題を当てにいきます。誰かが“◯◯ですか?”と、ズバリお題を言い当てたら“正解”と宣言。

▲マスターもプレイヤーとして楽しめるため、全員が参加できるのは嬉しい

この時点で前半戦は終了し、“マスター”はすぐに砂時計をひっくり返して推理パートをスタートさせます。推理パートでは、ひっくり返した砂時計の時間がなくなるまでに、“誰がインサイダーなのか”を当てるために議論していきます。

時間切れや話し合いが終わったら、投票パートに移ります。まず、“前半戦で答えを言い当てた人(正解者)”が、インサイダーだと思うか多数決を取ります。この時、投票するのはマスターを含めた全員です。その後、“正解者”は自分の役割カードを表に。

▲自信満々で多数決を取ったが、左がインサイダー、右がインサイダーに騙された庶民。そして断罪されたのも庶民(筆者)

正解者について<インサイダーだと思う>に過半数の票が集まったときに、“正解者”の役割がインサイダーであればマスターと庶民の勝利。一方で、“正解者”がインサイダーではなく庶民だった場合は、インサイダーの勝利となります。

▲よく喋るやつほど怪しいが、よく喋らないやつほど怪しい。つまり何をやっても怪しい

“正解者”について<インサイダーだと思わない>に過半数の票が集まったときの勝利条件の確定が少しややこしいですが、いずれにせよ最後まで気の抜けない頭脳バトルを繰り広げるゲームになっています。

■面白さ:協力した直後に、疑い合う

ろんさんは「インサイダーなら早く正解させたいけれど、自分だとバレたくない。庶民なら時間をかけて当てたいけど、疑われたくない。そのギリギリのラインを探る駆け引きが1番面白い」と言います。

マスターや庶民にとって前半戦は、ただ早く当てればいいわけではありません。それは後半の推理パートでインサイダーを見抜くための材料がこの前半に詰まっているからです。

マスター・庶民側は、できるだけ前半を長く続けたい。誰がどのタイミングで質問したのか、どんな流れで話題を動かしたのか、核心に迫る質問が出たときに不自然さはなかったか。そうした情報が多ければ多いほど、後半の議論は有利になります。

とはいえ、クイズを当てられなければゲームはその時点で終了。質問を重ねつつ正解にもたどり着かなければならず、その過程で、前後の流れとは関係なく、一発で答えに近づくミラクルな質問をしてしまうこともあります。すると今度は、“あの質問、答えを知ってたんじゃない?”と、庶民であるはずの自分が疑われる側に回ってしまう。

▲うっかりミラクル質問をしたことで庶民なのに疑われ、敗北した者の図。俺のせいなの?

「正解に貢献するほど、怪しまれる可能性が出てくるのが厄介なところで、庶民がクリティカルな質問をしてしまって疑われて焦っているときが特に好きですね」

一方、インサイダー側の思考は真逆です。後半の議論時間をできるだけ短くするため、前半は早く終わらせたい。そのためには、正解につながる質問をしなければなりません。ただし、露骨に核心を突く質問を続ければ、当然怪しまれます。「当てたいけれど目立ちたくない。導きたいけれど、誘導していると思われたくない。そのギリギリのラインを探りながら、発言の強さやタイミングを調整し続けることになります」ろんさん。

そして犯人探しのフェーズに入った瞬間、それまで自然に会話していたはずの全員の表情が、急にうさんくさく見え始めます。「全員の表情が、急にうさんくさくなるんですよ」ろんさん。議論が進むにつれて黙っただけでも怪しいし、よく喋りすぎても怪しい。誰のどんな振る舞いも疑いの材料になっていきます。

▲さっきまで流暢に話していたはずが目線を落として突然静かになるのはとても怪しい

「“誰を見ても怪しく見えてくる、この疑心暗鬼の空気”こそが、このゲームの醍醐味です」

協力して答えを導き、その直後に疑い合う。同じクイズを解いているはずなのに、プレイヤーごとに見ているゴールはまったく違う。このねじれた構造こそが、インサイダーゲームの一番の面白さと言えます。

クイズとしても、人狼系としても楽しめる、1度で2度美味しいのが「インサイダーゲーム」です。短時間で終わるのに、1プレイごとに展開がまったく違う。だからこそ“もう一回”が自然に出てくる。オトナ向けの正月ボドゲとして、ちょうどいい一作です。

>>オインクゲームズ「インサイダーゲーム」

>>前回紹介:小学校低学年から一緒に遊べる、正月にちょうどいいテーブルゲーム「キャプテン・リノ」

>>前回紹介:子どもも大人も「はぁ」だけで盛り上がる。声と表情のクイズ「はぁって言うゲーム」

 

<取材・文/山口健壱(GoodsPress Web) 協力/渋谷ボードゲームカフェ「High Five」

山口健壱|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回ってGoodsPress Web編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。冬キャンプでボドゲやるのが好きです。初めて買ったボドゲはカルカソンヌ。

 

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