「抽選方式での注文再開が決定」
2025年1月30日に発表されるや否や、5万台もの注文が殺到したスズキ ジムニーノマド(以下、ノマド)。スズキも「これは売れる!」という自信はあったと思いますが、ここまでの反響は想定していなかったのでしょう。なんとわずか4日間で受注停止という事態に陥りました。
オーダーができなかった人は「生産台数を増やして早く受注を再開してくれ!」と思っていたはず。しかしクルマの生産計画はそう簡単に変更できるものではありません。しかもノマドはインドのグルガオン工場で生産され、日本をはじめ中東やアフリカ、中南米などに輸出されています。そのため、日本の都合だけで各国への割り当てを変えるのが難しいという事情もあります。
それでもスズキは当初月販1200台だった日本への割り当てを同年7月から3300台に増産。SNSを見ていると同年9月頃から納車が急ピッチで進んでいることが伝わってきました。
▲5ドア化によりファミリーでも使いやすく、積載性がアップしたことが大ヒットの理由
そして2025年10月27日、スズキは2026年1月30日からノマドの受注を再開すると発表。実に1年ぶりの受注再開です。デビュー時は購入希望車が殺到して混乱が生じました(筆者がたまたま発表翌日にスズキディーラーに行ったら、平日の午前中なのに商談待ちの列ができていたほどです)。でも今回は1月30日から2月28日までの1ヵ月間、全国のスズキ販売店の店頭で申し込み(電話やメールは不可)をし、締切後に抽選で納車の順番を決める方法が取られます。
▲ジムニーやシエラより後席スペースが広がり、リアシートの快適性が高まった
もちろん3月1日以降も受注停止にはならず、通常通り注文ができます。ただ、2月28日までに相当数の注文が入ることは予想されるので、3月以降に注文する場合は1年以上(下手すれば2年近く?)の納車待ちは覚悟したほうがいいでしょう。
そして抽選に申し込むことを考えている人も、「まだ時間があるから」とのんびりせず、早めに家族に購入の相談をしてスズキ販売店に行くことをおすすめします。うっかり2月末までに注文するのを忘れると、取り返しがつかないことになります。
■人気モデルだからこそ転売ができない仕組みを導入
ところで近年は。多くの人が注目する人気製品の「転売」が深刻な問題になっています。欲しい人が製品を買うことができず、フリマサイトにプレミア価格になった製品が並ぶ。この現象はクルマでも起こっていて、人気モデル発売と同時に大量の注文が入って注文停止になり、その後すぐに中古車サイトに、ほとんど走っていない中古車がプレミア価格で掲載されたりします。
スズキは受注再開にともない、転売対策をしっかりとってきました。
▲スズキホームページで公開されているジムニーノマド抽選販売規約
まず納車順抽選への参加は店頭のみで受け付け、電話やメールでの受け付けはできなくなっています。応募できるのは「満18際以上の日本国内在住者で有効な普通自動車運転免許を保有している」人に限られ、1人1回(1台)限り。1人で複数台を注文したり、家族名義(たとえば子どもなど)での応募もできません。
でもその気になれば複数店舗で抽選に参加することを考えるかもしれませんが、抽選申込書には運転免許証番号を記載することになっているので、スズキはこの番号で重複参加をスクリーニングできます。そして1人で複数の抽選申し込みをしていることが発覚した場合、申し込みが無効になります。
スズキは昨年、ノマドが受注停止になってから「1人でも多くのお客様になるべく早くノマドを届ける」ことを目標に掲げています。月販販売台数を増やすのには相当大変な調整が必要だったことが容易に想像できます。多くのクルマでは、メディアの取材向けに貸し出すクルマ(広報車)が用意されますが、ノマドの広報車は用意されていません。これも「メディア用のクルマを用意するなら1人でも多くのお客様に納車していく」というスズキの姿勢の現れです。
今回の受注再開では(少なくとも現段階では)再び受注停止措置が取られることはないと思うので、時間はかかると思いますが、納車を楽しみに待ちましょう。くれぐれも転売行為を行なうことはやめてください。
■ATのACCが全車速追従機能付きに進化。ただし価格は大幅アップ…
▲2型で追加された新色のグラナイトグレーメタリック
受注が再開された1月30日には、もうひとつノマドに関する大きなトピックがありました。それは一部改良(2型)が発表されたことです。昨年10月にジムニーとジムニーシエラの一部変更(5型)が行われ、それと同等の変更がノマドにも施されることになります。
最大の変更点は先進運転支援システムのアップデートです。デビュー時(1型)のノマドはステレオカメラで前方を監視して、万が一の際に緊急ブレーキを作動させるデュアルカメラブレーキサポートを搭載。2型では単眼カメラとミリ波レーダ―で前方を監視するデュアルセンサーブレーキサポートIIにアップデートされています。
デュアルセンサーブレーキサポートIIはクルマやバイク、歩行者(夜間も対応)、自転車などを検知。交差点での右左折時の歩行者や自転車、交差点での右左折時に速報から接近する車両なども検知して危険回避や被害軽減を図ってくれます。
▲2型はACCの機能が向上。MT車にもACCが備わるのは大きな進化
また、1型ではアダプティブクルーズコントロール(ACC)がAT車のみの設定だったのに対し(MT車はクルーズコントロール)、2型ではMT車にもACCが搭載されました。さらにAT車のACCは1型が40km/h以上で作動するタイプでしたが、2型では全車速追従機能付へと進化しています。
そして1型が車線からはみ出しそうになるとディスプレイ表示と音で警告する車線逸脱警報だったのに対し、2型は車線からはみ出しそうになるとステアリングに力を加えてドライバーに操作を促す車線逸脱抑制機能に進化しました。
▲バックアイカメラ付ディスプレイオーディオ・スズキコネクト対応通信機(12万8700円)
ほかにもメーター内のマルチインフォメーションディスプレイがカラー化されたり、スズキコネクトに対応したディスプレイオーディオをオプション(12万8700円)で選べるようになったのも、購入検討者にとっては嬉しい部分です。
ボディカラーは新色のグラナイトグレーメタリックを追加。色味は異なりますが、ジムニー&ジムニーシエラでもグレーは人気があるため、この新色は人気になりそうです。
装備が充実したことで2型のノマドは価格が見直され、AT/MTともに292万6000円になりました。ちなみに1型はMTが265万1000円、ATが275万円だったので、ATが17万6000円、27万5000円という大幅値上げになりました。先進運転支援機能の進化だけでなく、昨今の資源高や輸送費の高騰を考えれば致し方ないところですが、特にMT車の購入を考えていた人は一瞬躊躇するほどの値上げになってしまいました。
■これから申し込むと早くても納車は秋以降?
受注が再開し、一部改良も施されたノマド。2型の発売開始は7月1日になります。そこで簡単ではありますが、今から注文すると納車がいつ頃になるかを予想してみました。
▲グラナイトグレーメタリックが加わったことでボディカラーは全部で7種類になった
1型に5万台の受注が入り、昨年7月から3300台に増産されましたが、現状ではまだ1型の納車を待っている人が大勢います。単純計算すると昨年7月から今年2月末までの8カ月間で2万6400台、今年4月から6月の3ヵ月間で3600台納車になるので、まだ2万台の納車が終わっていないことになります。2型の発売が7月なのは、まずその人たちへの1型の納車を急ピッチで進めるためでしょう。
そして2型が発表されたことで、1型の納車を待っている人たちの中から2型の購入を希望する人も出てくるはず。2型の納車は1型を待っていた人が優先されるでしょう(1型の発売時もシエラからノマドに注文を切り替えた人への納車が優先されました)。どれくらいの人が1型から2型に切り替えるかは不明ですが、新規で2型を申し込んだ人は仮に抽選で納車が前のほうになったとしても、早くて秋以降になる可能性が高くなります。
また、2月末までの1ヵ月間でどのくらいの人が抽選申し込みをするかも予想が付きません。ただ、ノマドが1年間も注文すらできなかったことを考えると(それだけ心待ちにしていた人が大勢いる)、1型と同じくらいの注文が入るかもしれないですね。そうなるとやはりジムニーやジムニーシエラと同じように1年以上の納車待ちが常態化しそうです。これからノマドを注文する人は気長に待ちつつ、納車に時間がかかることを見越して今乗っているクルマの車検スケジュールなどを検討したほうがいいかもしれません。
>> スズキ「ジムニーノマド」
<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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- Original:https://www.goodspress.jp/columns/715511/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
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