
TSMCが、2029年までの先端製造プロセスに関するロードマップを公表しました。AppleのAシリーズおよびMシリーズチップは、これまでTSMCの最先端プロセスで製造されてきたため、このロードマップは今後のAppleシリコンの方向性を考えるうえでも注目されます。
TSMCは、スマートフォンやPCなどのクライアント向けと、AI・HPC向けでプロセス展開の考え方を分けており、Apple向けAシリーズおよびMシリーズチップは、基本的にクライアント向けの先端プロセス群で製造される可能性が高いとみられます。
2026年から2029年のTSMC先端プロセスロードマップ
TSMCが今回示した先端プロセスの流れを整理すると、次のようになります。
- 2026年:N2P、N3A
- 2027年:N2X、A16
- 2028年:A14、N2U
- 2029年:A13、A12

A16、A14、A13、A12の位置付け
A16は1.6nm級プロセスとして2027年量産開始予定、A14は1.4nm級として2028年量産開始予定です。さらに2029年には、A14の派生プロセスであるA13と、A16系の後継にあたるA12が量産開始予定とされています。
これらのプロセスで製造されるAppleシリコンはどうなるのか
Appleが今後も先端クライアント向けプロセスを継続採用すると仮定すれば、製造時期とチップ世代の対応は次のように考えられます。
- 2026年:N2P → A20シリーズ、M6シリーズ
- 2027年:A16 → A21シリーズ、M7シリーズ
- 2028年:A14 → A22シリーズ、M8シリーズ
- 2029年:A13 → A23シリーズ、M9シリーズ
iPhone発売20周年モデルとしてデザインの大きな変革が実現すると噂のiPhone XX(iPhone20)には、A16で製造されるチップが搭載される可能性があります。
ただし、ここはあくまで現時点のロードマップをもとにした推定です。実際にAppleがどの派生プロセスを選ぶかは、製品カテゴリーやコスト、歩留まりなどによって変わる可能性があります。
各プロセスで見込まれる改善点
TSMCの説明では、A16やA14で比較的大きな改善が見込まれています。たとえばA16はN2P比で消費電力を15%から20%削減しつつ、性能を8%から10%向上させる見通しです。
A14はN2比で消費電力を25%から30%削減し、性能を10%から15%高め、ロジック密度も1.23倍になるとされています。
一方、N2UはN2P比で性能3%から4%向上、または消費電力8%から10%削減、ロジック密度1.02倍から1.03倍といった、より堅実な改良が想定されています。
GAAは引き続き中心技術に
これらの先端ノードでは、GAA(Gate-All-Around)系トランジスタ技術が引き続き採用される見通しです。A14以降では第2世代GAAへ進化すると整理されています。

Appleシリコンの進化は性能向上だけにとどまらない
TSMCの先端プロセスが進化すれば、Apple AシリーズおよびMシリーズチップの処理性能向上だけでなく、消費電力の低減も期待できます。その結果として、基板や冷却機構の設計自由度が高まり、バッテリー搭載スペースの確保や、本体の薄型化にもつながる可能性があります。
これは、将来のMacBook ProやiPad、iPhoneの設計にも影響し得る要素です。

M6世代以降のMacBook Proでは薄型化の後押し材料になる可能性
先端プロセスの恩恵が大きく出る製品のひとつとして、2026年末〜2027年初頭の発表が予想されている次期MacBook Proが挙げられます。
消費電力の低下が進むことで冷却部品や内部構造に余裕が生まれ、薄型化が実現されると噂されています。また、同じダイ面積を維持しつつ自社設計セルラーモデムやワイヤレスネットワークチップを統合することも期待されます。
現時点では製品仕様そのものは未確定ですが、TSMCのロードマップを見る限り、2027年以降のAppleシリコンではそうした設計面の恩恵も期待できそうです。
Photo:Tom’s Hardware, Apple Hub/Facebook
- Original:https://iphone-mania.jp/apple-601570/
- Source:iPhone Mania
- Author:FT729
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