安くて便利なLCC(ローコストキャリア)。特に国内線、比較的近い外国への国際線は、そもそもの搭乗時間が短いため、フルサービスキャリアを利用せずとも不満のない移動ができることでしょう。
ただし、ご存じの通りLCCには預け荷物・機内持ち込み荷物の個数・重量が厳しく設定されていて、旅先でちょっと買い物をし、重量が増えてしまうと追加料金がどんどん加算されることがあります。
他方、筆者は取材などで、年に3〜4回LCCを使って台湾に渡航しているのですが、毎度の渡航では約80〜100kgの荷物を預けて日本に戻ってきています。
▲2025年6月の帰国時(約100kg)
▲2025年7月の帰国時(約95kg)
▲2026年3月の帰国時(約80kg)
「大量の荷物を外国から日本に持ち帰る」場合、自分の荷物量などと照らし合わせて、LCCの航空会社の規定を調べればフルサービスキャリアとは比較できないほど安く、そして、現地からの船便などの郵送よりも安く持ち帰ることができます。
■LCC台湾旅で、毎度約100kgもの荷物を持ち帰ってくる理由
本題に入る前に、どうして筆者が毎度の台湾渡航で、それほどまで多い荷物を持ち帰るのかを紹介します。
台湾に流通する家庭用品、ヘビーデューティな工業品、ノベルティ雑貨、工芸品などは「非デザイン」とも言うべき実用性を優先させたシンプルなプロダクトが多く、日本統治時代からの影響もあってどこか昭和レトロのようなノスタルジックなものが多くあります。
「1つのモノを大切に使う」傾向が強い台湾人は「新しいモノ」に簡単に飛び付かず、結果的に「昔ながらのモノをコツコツ使い続ける」からこそ、実用美にあふれたプロダクトが多く存在するのだと思います。これにシビれて、つい「あれもこれも」と台湾各地で買い漁ってしまうのです。
▲日本人の女性旅行者に人気の台北・迪化街にあるカゴ専門店
▲台湾屈指の陶芸街、新北・鶯歌の茶器専門店
▲紹興酒で有名な南投・埔里の金物店
▲デッドストックのシンプルな茶碗などをザクザク買えます
▲業務用の容器・包材などの問屋が多い台北・華陰街
また、こういった「シンプルでかわいいモノたち」に出合うと、さらに深掘りして「昔はもっと、こういう雑貨類が存在したのではないか」「さらに古くてかわいい物がないか」と、古い物・中古品が並ぶ各地の蚤の市を巡ったりすると、もう大変。
「今買わなければ、二度と買えない」「でもめちゃくちゃ安い」ことから、ここでもバカスカ買い漁ってしまい、どんどん荷物が増えていってしまうのです。
▲古い物ザクザクの高雄郊外の蚤の市・88跳蚤
▲台北から最も近く、営業日も多い蚤の市、新北・重新橋観光市集
こんなことを繰り返し台湾雑貨が増え、仕事場がどんどん狭くなって別途倉庫とアパートを借りた事態にもなったのですが、2025年には拙著『台湾雑貨を追いかけて』(東京ニュース通信社/講談社)を刊行し、「仕事になって良かった」とも思っています。
▲所有の台湾雑貨たち。氷山の一角です
▲2025年刊行の拙著『台湾雑貨を追いかけて』(東京ニュース通信社/講談社)
■約100kgの預け荷物をする場合、ピーチが一番お得
「台湾雑貨を追いかけて」を刊行して、読者の多くの方から寄せられたのは他でもない「デフォルトでは荷物制限の設定が厳しいLCCで大量の荷物をどう持ち帰っているのか」というものでした。
冒頭でも触れた通り、確かにLCC搭乗時にデフォルト以上の預け荷物個数・重量オーバーを超えると、追加料金がかかるわけですが、しかし、開き直って「荷物を多く持ち帰りたい」と考え、LCC各社の「預け荷物の追加条件」を見比べてみると、実はすごいお手頃なのです。
【LCC各社の預け荷物追加条件(台湾→日本便の場合)】
・ジェットスター・ジャパン 1個あたり15kgまで(6500円)/1人上限:40kg
・タイガーエア台湾 1個あたり15kg(4300円)〜40kgまで(10000円)/1人あたりの個数制限なし
・ピーチ 1個あたり20kg(3600円)/1人上限5個まで(合計100kgまで)
(※いずれも事前のネット予約価格。 ※1個あたりのサイズはいずれも3辺の和が203cm以内)
各社を見比べ、事前に「預け荷物が増える」ことが予想される場合、ジェットスター・ジャパンは不向きと言って良いでしょう。また、「お金に糸目をつけず、とにかく多く持ち帰りたい」場合はタイガーエア台湾がベストです。一方、「まぁ100kgくらいまでを持ち帰れれば十分だ」と考える筆者のような場合、ピーチがずば抜けて条件が良いということになります。
筆者がいつも利用しているピーチのスタンダードクラスには、あらかじめ1個分(20kg)の預け荷物が無料ですので、追加で4個分(80kg)の預け荷物料金を払っても14400円。
フルキャリアサービスの国際線の航空会社の中には、追加の預け荷物1個分でこれほどの料金がかかる場合があることを思えば、かなりお手頃の追加料金だと筆者は考えています。
ただし、注意点がひとつあります。ピーチの預け荷物は一応「1人上限5個まで(合計100kgまで)可能」となっていますが、飛行機全体の「追加受け入れ枠」が決まっていて、どの便でも必ず応じてくれるわけではないこと。そのため、預け荷物の追加予約は早めにオファーし確保しておく必要があります。
▲預け荷物のベストはピーチ。ただし、追加予約はお早めに
■「100kgの荷物を台湾から持ち帰る場合」の5つのポイント
ピーチの預け荷物の追加枠を無事に予約できた後も、少し悩ましい問題もあります。それは「滞在中に買った荷物の重量がよくわからない」という問題。
箱のサイズ上限は「3辺の和が203cm以内」というのはメジャーなどですぐ測れるので想定できるものの、重量計を探すのは結構厄介。高級ホテルには用意しているところもあるようですが、貧乏旅の筆者が重量を事前に計る場合「勘勝負」ということになります。
▲滞在中につい買ってしまいどんどん増えていく荷物。その重量は勘に頼るしかありません
仮にピーチの預け荷物上限である100kgを超えてしまった場合、荷物の一部を郵便局から日本へ別送する必要があります。でもこの手続きは中国語がわからないと非常にややこしい上に高額。慌ただしい帰国の手前の時間にすべき手続きではありません。
また、仮にピーチの上限内で荷物を預けられたとしても、日本の空港に着いてから、その大量の荷物を前に「税関検査で変な目で見られる」という避けられない問題あります。
そこで私は、「100kg級の大量荷物を台湾から持ち帰る場合」に対して、事前に準備しておくべき5つのポイントを以下のように決めています。
1.預け荷物の個数分の段ボール(+α)を調達する
追加分も含めた預け荷物の個数が決まったら、スーツケースを除く必要分+αの段ボールを調達。台湾の場合、各都市にある「家楽福(カルフール)」というスーパーほかでタダで段ボールを調達できるほか、野菜市場などでは頑丈で、パッケージがレトロな段ボールもタダでもらえることがあります。個数の「+α」は、後述の「空港でのパッキング調整」の際に役立つもので、もし余れば空港で捨てれば良いです。
2.プチプチ(包材)は日本から持っていく
台湾でもプチプチ(包材)が買えますが、日本よりなぜか割高です。プチプチは嵩張るものの、重量は極めて軽いので日本から持っていくのが◎
3.カッター、ハサミ、テープ(2個以上)を調達する
カッター、ハサミ、テープを現地で調達します。日本から持っていっても良いですが、これらはプチプチとは逆に日本よりも安く売られていますので、現地で買うほうが良いでしょう。また、テープがなぜ「2個以上」必要なのかについても後述します。
4.あえて「税関申告」が必要なことをする(免税範囲を超える買い物・別送品など)
これは必須ではないですが、筆者が大量荷物の荷物を持ち帰る場合、あえて「帰国時に税関申告が必要なこと」を別にやっておくようにしています。あえて「酒・タバコなどの免税範囲を超える量を買って正直に申告する」とか、「台湾の郵便局から日本へ別送し、正直にその申告をする」などです。どうしてこんなことをするのかの理由は後述します。
5.仮パッキング帰国便のチェックイン時間の1〜2時間前には空港に行き、空港で正確にパッキングする
前述の通り、「現地で買った物の総重量」は勘でしかわかりません。そのため、いったんは勘を頼りに仮パッキングをした上で1〜2時間早めに空港へ。空港に着いたところで、重量計を使い、各預け荷物ごとに重量を計り、誤差を調整しながら、各預け荷物とも上限の「20kg」きっかりになるよう正確にパッキングします。こうすることで、「預け荷物Aは上限以下の13kgだったのに、預け荷物Bは26kgと6kgオーバーとなり、無駄に追加料金を払う」といった事態を招きません。
■予定より早めに空港に行き、重量計付近でパッキングし直す
▲ポイントを死守した上で、仮パッキングをした荷物を持って空港へ
▲台湾の桃園空港・第1ターミナルには「12番」カウンター近くの赤丸のところに重量計があります(2026年3月現在)
これらのポイントを死守した上で、5.で記述したように、予定より早めに空港の重量計へ。ピーチの台湾→日本便がある桃園空港の第1ターミナルには、2026年3月現在、「12番」カウンターのすぐ近くの壁に重量計があります。ここで預け荷物ごとの重量を計りながらパッキングし直すわけですが、結構大変な作業であっという間に時間が過ぎます。だから「チェックイン時間の1〜2時間前」というわけです。
▲重量計で各預け荷物の重量を計り、各荷物が上限の「20kg」になるよう正確にパッキングしなおします
▲それぞれを「20kg」キッカリにするためのパッキング作業中の様子
また、そのパッキングの調整の際、思わぬところで追加の段ボールが必要になることがあるため、ここで1.の「+α」の追加段ボールが役に立ちます。
さらに台湾でよく使われている幅広のテープは切れ目が実にわかりにくく、パッキングの途中で「切れ目との格闘」になることもしばしば。ここでは時間との勝負でもあるわけですから、3.の通り、テープを「2個以上」用意しておき、綺麗に切れたテープを優先的に使ってパッキングするのが効率的です。
▲台湾のテープの切れ目はわかりにくいです
▲「20kg」キッカリにした荷物を5個ピーチに預けて、そのままX線通過の様子をモニタで確認すれば一段落!
無事に各預け荷物が上限の「20kg」に揃えられたら、そのままチェックイン。台湾の場合、預け荷物がX線を無事通過することを、乗客がその場のモニタで確認する必要がありますが、これをクリアすればあとは日本の空港で受け取るだけです。
ヒー! 合計約100kgの預け荷物ともなると、このようになかなか大変な作業になるわけですが、さらに日本の空港での「税関検査」を超える難関も待っています。
■あえて筆者が「税関申告」手続きをする理由
日本の空港で預け荷物を受け取った後、税関検査場を通過することになるわけですが、特に台湾や韓国などの近場の外国からの場合、多くの旅行帰りの乗客に混ざって「預け荷物100kgの人」というのは、かなり目立ちます。もちろん、中に違法な物・免税範囲を超える物などは入っていませんが、仮に「中を見せてください」と開けさせられると結構厄介なことになります。
他方、以下は筆者の推測に過ぎませんが、その目立つ「預け荷物100kgの人」を税関職員が、他の旅行者同様スルーさせてしまえば、防犯カメラで見ている上司から「どうして、あんな大量の荷物の目立つ奴を簡単にスルーさせるんだ」とイヤホンなどで怒られることがあるかもしれません。
そこで「効力を発揮するのではないか」と筆者が思い込んでいるのが、前述した4.の「あえて『税関申告』が必要なことをする」なのです。
税関検査場で、あえて税関職員とやりとりをする「税関申告」手続きを行うことで、「僕、正直なんですアピール」ができるほか、税関職員にとっても「そのままスルーさせたわけじゃない」という上司へのエクスキューズが作れます。つまりお互いに「ウィンウィンな関係」になると個人的に思っているのです。
……考えすぎでしょうか。でも、このやり方によって、筆者は過去、あれだけの量であっても税関検査場で中を開けさせられたことはなく税関職員とも笑顔でグッバイ! となっています。
ここまでの通り、「LCCで100kgの荷物を持ち帰る」には相当面倒くさいプロセスが必要ですが、でも現地でしか買えない物、二度と出合えないモノを買って帰る楽しさは、この面倒くささを遥かに凌駕します。100kgと言わずとも、台湾または諸外国で何か重い物を買って帰りたい方がいたら、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
<取材・文/松田義人(deco)>

松田義人|編集プロダクション・deco代表。趣味は旅行、酒、料理(調理・食べる)、キャンプ、温泉、クルマ・バイクなど。クルマ・バイクはちょっと足りないような小型のものが好き。台湾に詳しく『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)をはじめ著書多数
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