最近増えてきた“画面なしのスマートバンド”って実際どうなんでしょうか?
気になったのは、ガーミンが2026年8月に発売した「CIRQA Smart Band (サーカ スマート バンド)」。
普段は、Apple Watchを筆頭に複数のスマートウォッチを使っている筆者ですが、はたして画面なしのスマートバンドを使うとどんな差に目が留まるのか。今回は、約2週間という短い期間ではありますが、実機を借りて試用したうえでの印象をまとめました。
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X
■デザインも付け心地も好印象
ガジェット感は若干ある。でも、上質なアクセサリーっぽい雰囲気もある。
画面なしスマートバンドにも色々なデザインがありますが、「CIRQA Smart Band(以下、CIRQA:サーカ)」は、本体外周を柔らかなファブリック素材のバンドがぐるっと覆う構造が好印象。尖った箇所が比較的少ないので、運動時や就寝時を含め、安心して装着しやすいです。
特に、今回試用したベージュ系のカラーは、外観としても柔らかいですね。これなら幅広いファッションにも合わせやすいと思います。
▲8月に発売された「CIRQA Smart Band」の「French Gray(フレンチグレイ)」カラー。本体のみの重量が14.8g。バンドサイズはS-M(120~200mm)とL-XL(145~240mm)の2種類ある。
本体+リストバンドの重さも、S-Mの場合20.7g、L-XLの場合21.2gで、共にかなり軽量だ
愛用の腕時計と組み合わせつつ、「時刻確認は腕時計で、ライフログはCIRQAで」という使い分け需要も想像に容易いです。
ただ、CIRQAがめちゃめちゃ薄いのかというとそうでもない。どうしてもセンサーやバッテリーを搭載する本体部に厚みがあるので、本体側は本体+バンドで約1cmくらい。結局はスリムなスマートウォッチくらいの分厚さを想定してもらうと、現物のイメージに近づくでしょう。
▲本体部の厚みは若干感じる
まぁ、デバイスの厚みやチラッと見える側面のガジェット感が気になるのはおそらく装着している本人と、真横に立つ人くらい。ちょっと離れたところから見る分には問題ないと思います。
バックルは面ファスナー式で、ミリ単位の位置調整が可能。運動時も、就寝時も、快適な締め付け具合に整えられるのが良いです。
▲バンドは面ファスナーでぐるっと固定する仕組みだ。バックルの先端部は樹脂製で硬い
筆者は、普段使いのApple Watchだと長らくスポーツループ(※ナイロン製かつ面ファスナー式バックル)一択なのですが、正直それよりもCIRQAの装着感が気に入りました。なお、バンド部分は取り外して丸洗いできるため、汗をかいたり水回りの作業で液体が跳ねたとしても、心配要りません。
■「通知が来ない」けどそれが良い
CIRQAを使い始めた当初は、画面がないゆえの物足りなさも感じました。
画面がないのに、つい腕を上げて日付や時間を見ようとしてしまうんです。…スマートウォッチじゃないのにね。
ようやく“画面がないスマートバンド”に身体が適用してきたのは、4〜5日経った頃でした。そうなると良さもジワジワ分かってきます。
例えば、一般的なスマートウォッチといえば、カレンダーの予定や、LINEの通知などが表示されるもの。情報を手元ですぐ確認できるのがメリットですが、それは同時に集中力を細切れにする原因でもあります。
しかし、CIRQAにはそれがありません。とにかく、その場の時間へと没頭できる。これが良かったですね。
▲「いつもより捗る、捗る気がするぞー!」(※個人の感想です)
■毎日のウォーキングに最適
ワークアウトの測定機能も、徹底してシンプルです。本体側面にはボタンが1つだけ備わっていて、これを長押しすることで、あらかじめ設定しておいたワークアウトの測定をスタート・ストップできます。
▲本体側面にボタンが1つだけある
筆者は、日課の散歩用に屋外ウォーキングを登録して使いました。と言っても“画面”がないもんですから、最初は「これで測定できているのだろうか…?」なんて探り探りでしたが、これも2〜3回やっていれば慣れます。
▲「よぅーし、今日も歩くぞ!」
流石のガーミンだけあって、測定項目は充実しています。一方で、デバイス上での体験はミニマルかつシンプルなので、語ることはそこまでありません。
例えば、測定する種目が1つに限られていて、毎日淡々とそれをこなすような人であれば、かなり相性は良いんじゃないか、そう感じました。
あと、使ってみて良かったのは、経過時間や移動速度、目標値(距離・時間)などに捉われずに、その日の気分でのびのびと景色を楽しめたこと。フォトウォークやファンランなどとの相性もよいと思います。
▲「Garmin Connect」アプリの画面例。「ホーム」タブで「データカード」欄にある「すべて表示」をタップすると、各種項目を確認できる。具体的には「心拍」「週間運動量」「ステップ数」「消費カロリー」「トレーニングステータス」「トレーニングレディネス」「HRVステータス」「ストレスレベル」「フィットネス年齢」「VO2 Max」「体重」など。各項目の解説については、本稿の趣旨を超えるので今回は割愛させてもらう
一方で、ジョギングしてから、ウォーキングを挟んで、今日は雨だから室内でフィットネスゲームをして、張り切ってジムに行って…みたいに種目が分かれている人には、ちょっと不便かも。これは、異なる種目の測定を実行するのに、スマートフォンのアプリを開かなければいけないので、手間を感じる場面が増えるからです。
そう考えると、(1)ある程度スマートウォッチでのワークアウト測定に慣れていて、(2)最近のワークアウトはウォーキングまたはジョギング等に限定されている人、にこそ向いているのかもしれません。
つまり、ライトな運動をする人なのですが、これは“完全な初心者”という意味ではないんですよね。
どちらかというと「運動についての造詣は深いけど、それはヘルスケアやウェルネスの文脈であって、もう年齢的に無理はしたくない」みたいに、自分の運動に対するスタイルが定まっている人なのかなと思います。
■睡眠管理にはすごく良い
そして、CIRQAで一番実用的だと思うのが睡眠の分析です。
先述の通り、装着感が良いですし、画面の点灯や通知の連動がないのでモードの切り替えなどに煩わされにくい。バッテリー持ちも長いので(仕様表の表記だと約10日間)、充電管理の億劫さもありません。
測定したデータは「Garmin Connect」アプリから確認できます。同社の他製品を使ったことがある人には説明不要でしょうが、「睡眠スコア」の表示が端的で、さらに「睡眠コーチ」のタブで次に何を意識すべきかも明示してくれるのが分かりやすい。
例えば、今日の筆者は、「21:50〜22:10の間に寝るように」と具体的にアドバイスされています。
▲睡眠コーチの画面イメージ。…え? スマホの時刻表示が既に23:35だって? 気のせいですよ
▲筆者がよく寝れた日の「睡眠スコア」(左、この画像には写っていないが、この日はスコア89/100だった)と「睡眠コーチ」(右)の画面例
また、起床用に振動のアラームを設定することも可能。普段Apple Watchを使っている筆者でも(※同シリーズは初代から振動がかなり心地よかったので)、不満のないバイブレーションで、しっかり起床できました。音が鳴らないので、家族を起こしたくないタイミングや、公共の場などでも重宝すると思います。
ボタン操作は、1度押しではスヌーズになり、長押しするとようやく停止できる仕様。要するに、寝ぼけながらボタンを押しても、スヌーズで起こされるので、早朝に起きなくてはならない日にも頼れます。
▲ちなみに、充電は専用端子のケーブルをカチッと固定するスタイルだ
* * *
さて、「画面なしスマートバンド」というトレンドを振り返ると、おそらく海外のWHOOPというブランドが2021年に出した「WHOOP 4.0」が上流にある一つの節目。その後、2025年前後から競合が一気に類似製品をリリースしているという流れのなかにあるように思えます。
日本市場における代表的な製品を振り返っておくと、「Amazfit Helio Strap」(2025年6月発売)や、「POLAR Loop」(2025年11月クラウドファンディング、2026年1月発売)が先行していて、そこに大手の「Google Fitbit Air」(2026年5月発売)が加わりました。
そして、2026年8月にガーミンが満を持して「CIRQA Smart Band」を発売。デザインが洗練されていて、サブスク不要でも十分使えるという点で、後発ながらも最有力候補に挙がりやすいのは間違いないでしょう。
最後になりましたが、CIRQA Smart Bandの公式ストアでの販売価格は3万2800円(税込)。昨今、3〜4万円あればミドルレンジのスマートウォッチにも手が届くことを思えば、コスパ面に対してうんぬんかんぬん言うのではなく、あくまでも「画面をなくす」という設計思想の先にある付加価値に目を向けるべき端末だと思います。
時間と集中力を奪うデジタルガジェットに支配されず、それらから得られる恩恵だけをうけながら、一定の距離を保って、ヘルスケア・ウェルネスの管理に利用したい。そんな中・上級者にこそおすすめできる端末だと感じました。
>> Garmin
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/748195/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
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