「Google Fitbit Air」はスマートバンドに興味がない人ほど使ったほうが良いと思った話

スマートウォッチ、スマートリングに続く身体情報をトラッキングできるデバイスとして最近話題なのが“画面レススマートバンド”。名前の通り画面がついていないので、スマートウォッチのように時計の機能はもちろん、メールのチェックもできませんし、通知すら飛んでこないというもの。

そのひとつが、Google(グーグル)の「Google Fitbit Air(グーグル フィットビット エア)」(1万6800円)。Googleいわく“着けていることを忘れるほどの軽さ”で、記録したデータは生成AI“Gemini”を使ったコーチが分析してくれる、というのが売り文句。発売から今に至るまで品薄が続くほど注目を集める一方で、ネットでは「画面がなくて不便じゃないか」「月額料金はかかるのか」といった声もちらほら。

ちょうど私も、運動を始めたのをきっかけに、毎日の活動や睡眠をちゃんと記録したくなっていたところ。だったら実際に試してみようと買ってみました。

結論から言えば、装着感は非常に良く、画面がないぶん仕事にもアクティビティにも集中しやすい良デバイスという印象です。それに、有料とはいえAIとの連携がシームレスになったことで、取ったデータが何を意味していて、自分が何をすればいいのかまでやっと誰でも分かるようになったのだなと思いました。だからこそ、これまでスマートバンドに興味がなかった人ほど、使ってみたほうが良いと思うんです。

■ 肌は? 電池は? 月額は? 気になること一問一答

ここからは、ネットでよく見かける疑問に6日間使ってみた立場から答えていきます。

-Q. 肌がかぶれない? ピリピリしない?

A. 少なくとも付属のバンドについては、今のところ問題なし。

実は私がFitbit Airを買ったのも、このかぶれが理由でした。子どもの頃からのアトピー持ちで、低刺激の化粧水ですら刺激になる肌。スマートウォッチはシリコンバンドのせいか3日もするとかゆくなり、まともにトラッキングできなかったんです。

そんな私でも、6日着けて今のところまったく問題なし。ただ、2週間ほどでかぶれたという声もネットにはあるので、肌が弱い人は様子を見ながら使うのが良さそうです。

-Q. つけっぱなしにできる? 電池は何日もつ?

▲充電は専用コードで。防水とか色々理由はあるんだろうけど、業界の中で統一規格が進むと嬉しいなぁ

A. できます。6日間お風呂以外では外していませんが、快適ですし電池もまだ残り50%。今週は運動が2日しかできなかったので運動の量によって変わりそうですが、想像以上に長持ちです。軽くて小さいので、大げさではなく着けている感覚が薄く、これまでスマートウォッチを寝ている間に外してしまっていたようなこともなくなりました。

-Q. 濡れたバンドは乾きにくい? お風呂は?

A. 本体は水深50mまでの耐水仕様ですが、気になるのはバンドのほうですよね。付属のバンドは乾きやすいほうですが、そうは言っても30分やそこらで乾くものではありません。なので、濡れると分かっている日はサードパーティ製のシリコンバンドに付け替えています(プールでのフィットネスのときなど)。同じ理由で、お風呂には着けて入っていません。

-Q. ダサくない? 腕時計と一緒に着けられる?

A. 好みは人それぞれなのでなんとも言えませんが、個人的には気になりません。ウォッチのような存在感がないので、言うほど目立たないのでは? 付属のバンドも、おしゃれかと言われるとなんとも言えませんが、悪目立ちするほどの仕上がりではないような。それにサードパーティ製のバンドがたくさん販売されていて、気に入ったものを見つけやすいのは強みです。

ただ、片方の腕に両方着けるのは、計測的にも見た目的にも微妙なので、両手首にひとつずつ着けるほうが良さそうです。

-Q. 画面がないと不便じゃない?

A. むしろ私は快適。時間はスマホで見ればいいという人なら問題なし。電池残量はGoogle Healthアプリを開けば確認できますし、残りが少なくなると振動で教えてくれます。ただ、心拍数もアプリを開けば確認できますが、ランニングなどのアクティビティをメインにするなら不便ではありますね。

予想以上に良かったのが、通知がないこと。スマートウォッチのころのように、原稿を書いたり動画を編集したりと集中したい時間や、取材や会議の最中に、通知が飛んできて気が散ることがありません。通知で意識を持っていかれるのって、思った以上に不快だったんだと気づきました。

-Q. アラームは使いやすい?

A. 使いやすいです。例えば朝4時に起きて撮影に出る日でも、隣で寝ている妻や猫を起こさずに起きられますし、音よりも振動のほうが気持ち起きやすいかもしれません。止めるときはダブルタップするだけなのも便利。都内に出るときの電車内でつい寝てしまったときも、設定さえしておけば安心。

一方で、眠りが浅いタイミングで起こしてくれる“スマートアラーム”は、本当にすっきり目覚められるのですが、予定より20分早く起きた日に結局二度寝してしまうので、結局使っていません。意思の弱い私を許して…。

-Q. スマホを持たずに運動しても記録される?

A. 記録自体はできます。ただGPSは付いていないので、コースまでは本体だけでは記録できません。ランニングなどでコースも残したいなら、スマホを一緒に持ってスマホのGPSを使う必要があります。

▲試しにスマホを持ちながら走るとスマホでGPSを拾ってルート表示をしてくれました。獲得標高(上り下りのデータ)は出ず

もうひとつ、ワークアウトとして記録するにはスマホのアプリで開始を押す必要があり、開始&終了が面倒で忘れがち。これは普通に面倒です。ただ、押し忘れてもあとからAIにチャットで「◯時から◯時の間にワークアウトをした。活動の内訳は●を●分、△△を△分」と打てば、その時間のデータをワークアウトとして記録して分析までしてくれます。

とはいえ、上述のGPSの話を考えたら、屋外でガッツリ運動を記録したい人は画面付きのモデルを選んだほうが良いかもしれませんね。屋内でのフィットネスは余裕でした。

-Q. iPhoneで使える? Appleのヘルスケアとは連携する?

▲連携した睡眠データのAppleヘルスケアアプリ上での表示。

A. もちろん使えます。専用アプリ“Google Health”が必要ですが、Appleのヘルスケアにデータを送れますし、ヘルスケアからデータを受け取ることもできます。例えば私は体組成をタニタのアプリ“TANITA RECORD”で記録していますが、Google Healthアプリには直接つなげません。その代わり、TANITA RECORD→Appleのヘルスケア→Google Healthの順で連携できます。

ただAppleのヘルスケアに入るデータしか受け渡しできないので、気になる人はお手持ちのiPhoneを確認してください。

-Q. 何が測れる? 血圧や血糖値は?

▲アプリ上の表示は色々とカスタマイズ可能

A. 歩数や距離、消費カロリー、有酸素運動の負荷、睡眠スコアや睡眠の段階、心拍数、心拍変動、呼吸数、血中酸素ウェルネス、皮膚温の変動などが測れます。血圧や血糖値は測れません。なお、いずれも医療目的の機能ではありません。

ただ、血中酸素は私の場合、今のところ表示されていません。Googleのヘルプによると、眠っていて動きが少ないときにだけ測るもので、3時間以上の質の良い睡眠が必要とのこと。数晩分のデータがたまってから表示されたという声もあるので、もう少し様子を見てみます。

-Q. 月額料金はかかる? 無料で何ができる?

▲課金するとAIからのアドバイスがもらえる。効率だけじゃなく、体の故障も考えてプランニングしてくれるのは嬉しい。困ったり分からないことはなんでもいいから相談するのが◎

A. 記録そのものは無料です。歩数や睡眠スコア、心拍数などは、先述のGoogle Healthアプリで見られます。月額がかかるのは、Googleの生成AI“Gemini”を使ったコーチや、詳しい睡眠の分析、フィットネスプランの作成、ワークアウト動画(ヨガや筋トレに相性いいですよね)などの機能で、“Google Health Premium”(月額1580円/年額1万3000円)の契約が必要です。

購入すると3か月は無料で試せますし、すでにGoogleの有料AIプラン“Google AI Pro”に入っていれば追加料金なしで使えます。

ちなみに私は、もともとNotebookLM(現Gemini Notebook)のためにGoogleの有料AIプランに入ってるので有料の状態で使っています。毎月の利用料はかさみますが、そのプランでほかのAIサービスも使えるようになるので日ごろからAIを使っている人なら追加の出費なしで始められますし、AIまだの人はこれを機に触れてみるのもいいのでは。

-Q. 機能の割に値段は高くない?

A. 個人的には十分。何事もそうですが、その価格を何と比べるか、何を取るか、な気がします。画面のないスマートバンド同士で比べると、Amazfit(アマズフィット)の「Helio Strap(ヘリオ ストラップ)」(1万7600円)やPOLAR(ポラール)の「POLAR Loop(ポラール ループ)」(2万9700円)より手を出しやすい価格です。一方で、ノーブランドに近いようなものと比べたら高いですし、機能はスマートウォッチと比べたら限られます。それはもちろん。

でも、通知がないことの快適さや着け心地のよさ、それにこのあと話すAIとの連携を前提にした作りを考えたら十分なのではないでしょうか。機能の割に高いと感じるならスマートウォッチを使えばいいと思います。

■ AIとの連携で、データを取る意味が生まれた

そして、個人的にいちばん大きいと感じているのは、じつはAIによる分析なのかも。今回「Google Fitbit Air」を使うにあたって、改めて“トラッキング”することのメリットを考えていました。

というのも、6年ほど前に初めてスマートウォッチを購入し、最初の数ヶ月はデータを取ることが自体が楽しくて着けていましたが、ある時ふと「このデータは結局なんの意味があるんだ?」と疑問を持つように。例えば睡眠のデータを見ても、よく眠れているのかいないのかよく分からない。改善しようにも、データだけあっても仕方ない。データを取った“その先”がセットになって初めて、トラッキングは意味があるんだなと気づいたんです。

ここ1年で仕事でAIを使うようになって、データを食わせて分析させることも試しましたが、わざわざデータを取り出して、読ませて、指示して、が面倒で結局やらずじまい。

▲ちなみにアプリのUIはもっと見やすくなってほしい気はする

その点、「Google Fitbit Air」は(というよりも“Google Health”アプリが)AIに分析させることが前提の仕組み。装着しているだけで、自ら何をするでもなく、アプリを開けばそのデータが何を示していて、そこから自分がどうすべきかまでパッと分かる。AIとの連携を前提にしたことで、ようやくスマートデバイスを本当の意味で利用できるようになったなぁと感じました。

 

実際この6日でもうちょっと早く寝ようとか、寝る前のスマホを控えようとか、お風呂に早めに入ろうとか、すでに試すようになっています。運動も、提案された項目を試してみようとか、もう1セットだけ増やしてみようとか、行動が変わってきました。AIとの連携が前提の作りになって、トラッキングの価値が一段上がった気がします。

まあ、これは「Google Fitbit Air」に限った話ではないんですけどね。そう考えると、スマートバンドがどうのこうのというよりも、AIとヘルスケアデータの連携こそが肝であって、「Google Fitbit Air」である必然性はないのかもしれないのだけど。

それでも、装着時の違和感の無さや電池持ちの良さ、突然の通知に感じる煩わしさとは無縁の設計に、GoogleだからこそのAI連動の容易さが組み合わさっているのは、他にはないアドバンテージなのではないでしょうか。画面のないスマートバンドの中でも手を出しやすい価格というのも、かなり大きいですし。

▲ペアリングはかなりスムーズ

スマートバンドに興味がない人って、以前の私のように「データを取ってどうするの?」と思っている人なんじゃないでしょうか。でも、そういう人ほどAIのコーチの助言で得られる気づきがあって、それならもうちょっと色々やってみようと思えるようになるんじゃないかな、と。私がそうだったので。スマートバンドに興味がない人ほど使ったほうが良いと思ったのは、そういうわけなんです。

…とはいえ、私はまだ6日目。スマートアラームで二度寝しない朝がくるのか、もう少し着け続けてみます。

なお、細かい仕様は公式ページを見れば分かりますが、一応まとめておきます。

  • サイズ(バンドを除く):縦34.9×横17×高さ8.3mm
  • 重さ:本体5.2g/バンド込み12g
  • バッテリー:最長7日間(フル充電まで約90分、5分の充電で最長1日分)
  • 耐水:水深50mまで
  • センサー:光学式心拍数モニター、3軸加速度計+ジャイロスコープ、血中酸素ウェルネス用の赤色光・赤外線センサー、温度センサー、振動モーター
  • 対応スマホ:Android 11以降/iOS 16.4以降(Google Health アプリが必要)
  • バンドのサイズ:手首周り130〜210mm(布製はワンサイズ)
  • カラー:Obsidian、Berry、Lavender、Fog、限定モデル Pokémon Sleep(Sleepy Blue)
  • AIの分析(Google Health Premium):月額1580円/年額1万3000円(購入特典で3か月無料。Google AI Pro加入者は追加料金なし)
  • 通知:着信・アプリの通知には非対応/GPS・タッチ決済:非搭載

>> Google

>> GoodsPress Web編集部員が買ってみた!使ってみた!

<文/山口健壱>

【関連記事】

◆「iPhone 16 Pro」から「iPhone 18 Pro」に機種変して満足できた7つのポイント
◆細く軽くなったスマートリング「Oura Ring 5」。サブスクを支払うメリットは大きい

◆カメラ性能とサイズ以外の差は小さい? Google Pixel 11シリーズはどれを買うべきか


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA