膨大なデータを高速で処理する検索エンジンのサーバーは、多大な電力エネルギーを消費する。これが環境に負担をかけているのではないか、という声を最近よく耳にするようになった。
「ekoru」は、これまでにない新しいコンセプトでスタートした検索エンジンだ。ネット上の検索を、もっとエコフレンドリーに行うことを目指している。
・水力発電による電力を使用
「ekoru」は、見た目も使い方も普通の検索エンジンと何ら変わりはない。真ん中にある窓にワードを打ち込んで、検索ボタンを押せばいい。(もちろん日本語でOK)
「ekoru」が一般の検索エンジンと一線を画すのは、検索に使われる電力の「質」。処理を行うデータセンターのサーバーは、CO2を大量に排出する火力発電でなく、全てが水力発電による電力で稼働している。
また、サーバーを冷却するために、通常は電力を食うエアコンが用いられるが、「ekoru」では水が通る無数のチューブを配置した水冷システムを採用し、電力消費を低く抑えている。
さらに、検索エンジンのアーキテクチャにも工夫が凝らされている。通常、3Gのモバイルデバイスに1GBのデータを送るのに、2.9kWhの電力量(エネルギー量)が必要だそうだが、「ekoru」ではウェブページのデータ量を可能な限り縮小して、最大のエネルギー効率を目指している。
・収益の6割で海洋ゴミ掃除
検索に直接関わらない部分でも、「ekoru」はエコフレンドリーといえる。収益の6割が国際的な海洋保護団体「Big Blue Ocean Cleanup」に寄付され、プラスチックゴミ除去プロジェクトに使われるという。つまり、検索する度に海のクリーンアップに貢献できるというというわけだ。
創設者のAti Bakush氏は、情報通信分野で20年の経験があるオーストラリアのソフトウエアエンジニア。マレーシアで働いていた時に自然破壊の惨状を目の当たりにし、環境に優しい検索エンジンの設立を思い立ったそう。
- Original:https://techable.jp/archives/116415
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:信人安谷
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