【実機レビュー】シャープ「AQUOS zero2」は軽い、だけじゃない!

今年1月末に発売された、シャープのAndroidスマートフォン「AQUOS zero2」。6.4インチの大画面ながら、重量はわずか141g。ハイエンドモデルとしては驚異的なレベルの軽さを実現している。

ただし、数字からはその軽さがピンとこないのも事実。筆者は160g前後のスマートフォンを使っているが、それでも十分軽いと思ってしまう。そこで、今回は実際に端末を触って「未知数の軽さ」を確かめることにした。

持っていることを忘れそうな軽さ

ファーストインプレッションは、「光沢感があって高そう」というものだった。

2種類あるカラーリングのうち、今回レビューしたのはアストロブラック。角度によって光の反射の具合が異なり、表情を変えるバックパネル。シンプルながら確かな存在感のある「AQUOS」ロゴには、Androidスマートフォンに確かな実績を持つシャープのプライドを垣間見た気がした。

実機を持ち上げてみると、驚くほどの軽さだ。持っているのは6.4インチの大画面スマートフォンのはずなのに、それ相応の重さが感じられないため、脳が混乱するような感覚をおぼえる。片手持ちのときに小指でスマートフォンを支える形になっても、指への負担はほとんど感じられない。

持ちやすさに貢献しているのは、軽さだけではない。デザインこそソリッドな印象を与えるが、本体は丸みを帯びた形状で、すっと手のひらになじむ。

また、中央から端に向かってゆるやかにカーブするエッジディスプレイを採用し、大画面モデルの課題となりがちな持ちづらさが解消されている。

ディスプレイは黒色の発色が美しい有機EL製。大きめのサイズとあわせて、ただ眺めていても引き込まれるような鮮やかさが印象的だった。

本体のロックを解除する選択肢としては、指紋認証センサーを画面内に搭載している。

これまでの主流ともいえる物理タイプのセンサーとは異なり、ディスプレイに触れることによって指紋を認識するため、ロック解除の動作もスタイリッシュで近未来的だ。スピードも全く問題なく、指を端末に置くだけできわめてスムーズな解除ができた。

処理性能はストレスフリーの一言

AQUOS zero2は、その軽さばかりがクローズアップされる傾向にあるが、スマートフォンとしての性能も一級品だ。プロセッサとして搭載するQualcomm社のSnapdragon 855は、ハイエンドモデル向けのスペックを誇る。また、メモリが8GBと大きめになっているため、アプリを多く開いても安定した動作が可能。

実際に端末の使用感を確かめている最中も、ストレスを感じることは全くなかった。

スマートフォンの処理性能の指標として「AnTuTuスコア」が知られているが、筆者の計測ではバージョン8におけるスコアが約42万点だった。現時点では、同スコアが40万点以上であればトップクラスの性能であるといえるため、数字でもその高性能ぶりを証明した形だ。

レスポンスも良好そのもの。優れたタッチ検出性能を持っているほか、ゲーミング設定としてハイレスポンスモードを実装し、ディスプレイの高速表示にも対応。そのため、日常の使用だけでなく、ゲームプレイにおいても快適な動作を約束する。

筆者もリズムゲームに挑戦してみたが、画面をタッチしてからゲームに反映されるまでの時差をほとんど感じなかった。連打を多用するようなシーンでも問題なかったため、ゲームを頻繁にプレイするユーザーにはうってつけの性能といえるだろう。

AQUOSならではの機能もてんこ盛り

AQUOS zero2は、背面にデュアルカメラを備える。最大有効画素数は約2,010万画素となっており、際立って高い数値ではない。ただし、AIが被写体にあわせた撮影モードを設定してくれるため、細かいことを考えずに写真を撮れるのは嬉しいポイントだ。

今回は果物を被写体としてみたが、多少アバウトにシャッターを押しても、個人的には満足のいくレベルの写真が撮れた。光学手ぶれ補正に対応しており、動きのあるシーンに強い点も魅力となっている。

AQUOSシリーズならではのユニークな機能も満載だ。「AQUOS便利機能」とまとめられた設定画面を開くと、オリジナルの機能が複数出てくる。

「スクロールオート」は、ニュースやSNSを自動スクロールしてくれる機能。対象アプリ内でのジェスチャー動作で起動し、スマートフォンに触れずともスクロールができる。スクロールの速度も調整可能となっており、忙しい朝や手がふさがっているときなどに重宝しそうだ。

シャープ独自のAI「エモパー」も搭載。音声によるガイダンス機能を備え、メッセージの未読通知や電車の遅延情報などを声で知らせてくれる。家電製品との連携やヘルスケアモードにも対応しており、日常のさまざまなシーンでの活躍が期待できる。

「リッチカラーテクノロジーモバイル」は、幅広い色彩表現性能をフルに活かした機能だ。色彩の調和を重視した「標準」、くっきりと鮮明な「ダイナミック」、実物の色に忠実な「ナチュラル」から、用途に合わせた表示モードを選択可能。3種類のモードから自動で選んでくれる「おススメ」モードも備えている。

実機に触れてみての感想

想像以上の軽さと、カタログスペック通りのなめらかな操作感が強く印象に残った。大型化が進むスマートフォン界において、高性能と軽さを両立した機種はとても希少だ。その点で、AQUOS zero2はまさしく唯一無二の存在であるといえるだろう。

また、実際に操作をしてみて、単に「軽くて高性能なスマートフォン」というだけではないと感じた。細やかな配慮が随所に感じられ、日本企業ならではの丁寧な仕上がりになっている。ヘビーユーザーからライトユーザーまで、万人におすすめできるような一台だ。

(文・早川あさひ)


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