Googleアシスタントやアレクサの耳を聴こえなくしてプライバシーを守るブレスレット、米大学が開発

GoogleアシスタントやAmazon アレクサ、AppleのSiriなど、AI音声アシスタントが生活の中に浸透してきている。

役立つ面も多い音声アシスタントだが、マイクで人の声を拾っていることに不安を感じるユーザーもいるのではないだろうか。

米国シカゴ大学は、プライバシーに敏感なユーザーのために、超音波を発生させて音声アシスタントのマイクを邪魔し、声を聴き取れなくするウエアラブルガジェットを開発した。

・人に聴こえない音を出すブレスレット

研究者たちが「ウエアラブル・マイクロフォン妨害器(wearable microphone jammer)」と呼ぶその装置は、ブレスレットに超音波を発生させるトランスデューサー(超音波振動子)を仕込んだもの。スイッチを入れると、24k〜26kHzのホワイトノイズを360度に放出する。

この周波数のノイズは人の耳には聴こえず、マイクも音声として拾うことはないが、電気回路の特性上、マイクが通常拾う可聴周波数の範囲にまでノイズが「漏れ出す(leak)」とのこと。この事実は最近になって分かったことで、シカゴ大の研究者たちはそれを利用したそう。

使用例が動画(英語)で公開されている。それを見ると、人の会話は普通に行われていても、マイクには「ザー」というノイズしか入っていないことが分かる。

・スマートスピーカー、スマートフォン、盗聴マイクにも有効

このようなマイクロフォン妨害器を、ブレスレットにした点も研究者たちアイディアだ。

人はたいてい会話の最中に身振り手振りをするので、ブレスレットが動き、超音波が周囲にまんべんなく広がる。そうすると、部屋の中にあるスマートスピーカーや、会話の相手が持つスマートフォン、腕につけたスマートウォッチ、さらには隠されているかもしれない盗聴マイクまで、すべて一度にホワイトノイズで覆ってしまえるとのこと。

実物の構造図や効果の実験結果などを、シカゴ大学SAND研究所のサイトで見ることができる。

University of Chicago SAND Lab


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