自宅利用の人も増加中!話題のモバイルサウナは果たして初めてでも設営できるのか?

ここ数年のサウナ人気はもはや語るに及ばず、入浴施設だけではなく、本場フィンランドにならってフィールドで楽しむ人も増加中! そんなフィールドでサウナ体験を気軽にできると、数年前から持ち運べるサウナが人気です。

さらに最近はキャンプ場だけでなく、自宅の庭で楽しむ人も増えているとか。

とはいえ、フィールドサウナの素人が簡単に設営して入れるのか? という素朴な疑問も。

そこで「本当に初めてでもできるのか?」「どれだけ時間がかかるのか?」「設営する際の注意点は?」などを検証しました。

■組み立てる工程は意外とシンプルだった

今回使用したのは、以前『&GP』でも紹介したMobibaの「バックパックサウナ RB170M」(8万8000円/税別)です。

記事」の写真は、川の横にテントがたたずみ煙がもくもく。いつかあんな景色の中でサウナをしてみたい! と思いつつ、飛び込む川のないキャンプ場で設営を開始しました。

撮影時の日中は数℃、夜は氷点下でテントの表面が凍るほど。たとえ、川があっても飛び込む勇気があったかは疑問ですが…。

■設営場所まで背負ってアプローチ

バックパックサウナという名の通り、Mobibaは背負える仕様。総重量が12.8kgと、数値だけを見ればそこそこの重さですが、中にストーブが入っていることを考えれば十分軽量。

自宅からこれだけ持って出かけるわけではないので、クルマから背負ってキャンプサイトや水場までアプローチするにはまったく問題ありません。

■バックパックからすべての構成部品を取り出す

まずはバックパックからすべての構成パーツを取り出し内容物を確認。

バックパックの中は、上部にテント、内側サイドにポールとペグ、張り綱、下にストーブが収納されています。ストーブは別の収納袋に収められており、横から取り出せる仕様。

パーツは全部で20以上ありますが、最初に組み立てるテントを構成するのは、テント本体とテントフレームとペグ、張り綱、ドアフレームのみとなっています。

■まずはテントの組み立てから

バックパックサウナの大まかな設営工程は、テントを立てて、その中でストーブを組むという流れ。

テントは吊り下げ型で、テントを1度でも設営したことがある人なら簡単にできます。

まずは設置場所を決め、石や落ち葉がある場合は取り除き、地面が凸凹であればならします。

風下側にドアを向けてテントを広げたら、風で飛ばされないよう、風上側をペグで仮留めします。

テントフレームは、通常のテントポールと同様、ショックコードでつながっているため伸ばしてつなぎ合わせます。1本になったら、テントフレームの端をテントの四隅にあるポケットに差し込みます。

2本のテントフレームを対角に差し込んだら同時に立て、屋根の頂点にあるトグルボタンをかけてテントを吊り下げます。

テントにある帯でフレームを巻き込み、トグルボタンで留めていきます。この時フレームが露出しないよう注意しましょう!

フレームの組み立てが終わったら、次はドアの組み立てです。

ドアフレームをつなぎ合わせ、ドアフレームの両端を湾曲させながら、ドアの上下にあるポケットに差し込みます。

ドアとテントはテンションコードで結ばれており、出入りの際にドアが自動で閉まります。

最後に、張り綱をテントにかけ、ペグダウン。外壁に5カ所、フレームに4カ所あるので、すべて打ち込めばテントの完成です!

中にストーブを入れるため、テントが飛ばされたり、ゆがんだりしないよう確実にペグを打ちましょう。

ここまで約15分。説明書を見て確認しながらの設営だったので時間はかかりましたが、慣れれば半分くらいの時間でたてられるのではないでしょうか。

■よく考えられたストーブの構造

テントは、通常のテントと工程が変わらないので簡単に設営できましたが、問題はストーブです。

アウトドアストーブの煙突を差し込むくらいはしたことがありますが、ここまでバラバラなものを組み立てた経験はなし。

まずは構成パーツ(ストーブ、タンク、タンクカバー、ベース、バンド2本、保護スクリーン、蒸気加熱器、Φ90mm煙突1本、テーパー煙突3本、Φ75mm煙突1本、フィン2本、蛇口、パッキン2枚)をテント内に広げます。

本体の中にすべてのパーツがきれいに収まっているで、最初に収納状態を撮っておけば、戸惑うことなく片付けることが可能。

ストーブの組み立ては、ストーブセクションと煙突セクションに分かれます。

まずはストーブセクションから。

煙突開口部の真下に保護スクリーンを置き、その上にベース、ストーブ本体、タンク、タンクカバーとのせていきます。

タンクカバーをのせたら、タンクとタンクカバーが外れないよう金属製のバンドで2カ所を留めます。

その後、タンクに蛇口を取り付け、ストーブセクションは終了。作業自体は想像以上に簡単!

取扱説明書が図入りで、これでもかというくらい懇切丁寧に書いてあるので、よく読めば間違えないはず。

最後に煙突セクション。タンクカバーの上に蒸気加熱器(フィンを入れた二重構造の太い煙突)を差し込み、さらにΦ90mmの煙突を差し込みます。

3本の煙突(Φ85>Φ80mm、Φ80>Φ75mm、Φ75>Φ70mm)と組み合わせ、Φ90mmの煙突とつなぎ合わせたら煙突セクションの終了です。

外側からはこんな感じです。最後に、たわみがないよう張り綱を張れば完成です!

テントにストーブが当たって溶けないよう、ストーブとテントの間を30cm以上、蒸気加熱器とテントとの間を20cm以上空けましょう!

■タンクに水を入れて、薪を燃やしていざ!

換気口を開け、別売のサウナベンチ(2万8000円/税別)をセットすれば、いよいよサウナ本番。

まずはタンクに水を入れます。水は沸騰して噴きこぼれないよう、タンクのフタから5cm下まで注ぎ、しっかりと閉めます。

そしていよいよ着火! 焚き付けを入れ、細い針葉樹から入れて炎が上がったら、広葉樹を投入し、火力を安定させます。

ストーブには最大24cmまでの薪を投入可能。焚き火台のように薪を井桁に組めませんが、下から冷たい空気が入るので効率よく燃焼します。

火が安定すると徐々に蒸気がテント内に充満し、いよいよサウナタイムです。

噂に違わぬ気持ち良さ。2日間入りましたが、クセになるのも分かります。

今回の場所には川はありませんでしたが、外に出るだけで十分クールダウン。日中に入れば景色も楽しめるし、最高に贅沢な大人の外遊びといえます。

いつかあの写真のような風景へと妄想は膨らみました。

* * *

初めて設営した結果、完了までに約30分。慣れれば、取説を見なくても20分で組み立て完了できると思います。

実際に組み立てみて、想像以上に簡単で驚きました。強い味方となったのが、こと細かに書かれた取説!

▲左と右は別々のページです

イラストとテキストがびっしり書き込まれ、本当にかゆいところに手が届く仕様でした。

そのままでも楽しめますが、状況に合わせて用意しておくといいモノが3つあります。

1つ目は、ペグ。付属のペグは、シンプルなL字型のピンペグなので、河原で張る場合は、硬い地面に対応できるペグを別途用意した方がいいかもしれません。

2つ目は、ノコギリ。ストーブには最大24cmの薪を入れられますが、市販されている薪の多くは長さ30〜40cm。今回もテント内にノコギリを持ち込み、切りながら入りました。ちょうどいいサイズの薪を用意できない時のためにノコギリを持っていた方がいいでしょう。

3つ目は、金属製のアウトドアケトル。ストーブのウォータータンクに水を入れるだけならジャグで問題ありませんが、サウナ後にストーブのウォータータンクからお湯を出して浴びる場合、プラスチックだと変形するおそれがあるので、金属製のものがあるといいかもしれません。

 

>>モビバ「バックパックサウナRB170M」

文/澤村尚徳<&GP>


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