イギリスのリサーチ機関がVRを使用し銃撃事件を検証

イギリスのリサーチエージェンシー、Forensic ArchitectureがVRを使用して銃撃事件を検証するコンテンツを公開した。

暴動のきっかけとなった銃殺事件

同機関は、2011年にロンドン北部トッテナムで起こったMark Duggan氏の銃殺事件に関して、遺族を代表する弁護士からの依頼を受け、過去1年間にわたってMark Duggan氏の殺害を取り巻く瞬間を検証するためのビデオ調査とVR環境を制作してきた。検証にあたっては、目撃者の証言、ビデオ、画像、手書きの図面、専門家の報告書を使用し、複数のシナリオを作成。VR空間でそのシナリオを再現し多角的な面から事件の裏付けを行なったという。

この事件は、ロンドンのトッテンナムで、彼が乗っていたミニキャブが無理に停めさせられた後、警視庁の潜入捜査官によって射殺された事件で、2011年のイギリス暴動のきっかけとなったとされている。

警察の調査結果を覆す結果に

ガーディアン紙に掲載された同調査の結果は、合法的な殺人の評決を下した2014年の審問に疑問を投げかけるとともに、Mark Duggan氏が2発撃たれた際に銃を持っていたこと、同氏が7メートル以上離れた草むらに銃を投げ入れたといった警察の発表を覆すものとなった。この調査内容が発表された結果、射殺事件の公式捜査が再開される可能性もあるという。

中国では裁判所に初となるVRが導入され、事件現場がVR内で再現するといった事例もすでに行われており、高い再現性を持つVRが同様の捜査に活用されていくケースは今後増加していくのではないだろうか。

Forensic Architecture


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