スタンフォード大、転倒を防止するAIベースのウェアラブルロボット開発へ

高齢者は転倒から骨折、入院に至るケースも多い。日本の医療財政に与える影響も小さなものではなく、M-Reviewによれば、転倒による怪我などにかかる医療・介護費は年間約9141億円にのぼるという(2008年現在)。転倒が防止できれば医療・介護費を抑制できることから、ソリューションの開発が待たれる。

こうしたなか、スタンフォード大学の研究チームは、AIを利用したウェアラブルロボットでこれを実現しようとしているようだ。

同ウェアラブルロボットでは、AIが転倒を予測して、それを防止するためのアシストを行ってくれる。

仮想エージェントによるシミュレーション環境でトレーニング

ウェアラブルロボットで転倒を防ぐには、まず転倒の予兆を検知し、次にウェアラブルロボットをアクティブにしてユーザーの動きをサポートする必要がある。

これを実現するために研究チームは、つまずいたり、家具にぶつかったりなどの状況を、人間の動きを模した仮想エージェントでシミュレートして、AIをトレーニングする計画だ。

仮想エージェントを利用したシミュレーションは、実際の人間でのテストよりも高速で低コスト、そして安全。複数のタイプのトレーニングも容易になる。

外骨格タイプのウェアラブルロボ

ウェアラブルロボットの形状は、脚に取り付ける外骨格タイプのものになりそうだ。ユーザーの加速度と重心速度を監視することで転倒の予兆を検出。腰や足などに働きかけて、脚を出すタイミングや歩幅を調整する。

研究チームはまた、カメラを使って転倒の危険性のある足場などを検出しようとしている。

最終的には散らかったスペースなど複雑な状況下でも動作するようにしたいが、まずは日常的な状況に絞って予兆検知/アシスト機能を開発。うまくいけば人によるテストに移る意向だ。

参照元:Building a wearable that can catch you when you stumble/ Stanford Engineering


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