グーグルの完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」が、いよいよ日本でも発売されました。価格は2万800円。音質よりもむしろ「リアルタイム翻訳」などGoogleサービスとの連携性が注目されているようですが、実際の使い勝手はどうなのでしょうか?
▲左がPixel Buds、右は普段使っているAirPods(初代モデル)。初代AirPodsが1万9580円なので、ほぼ同価格帯だ
■Androidスマホとのペアリングは簡単!
接続したのは最新の「Pixel 4a」。スマホ側のBluetoothがオンになっていれば、Pixel Budsのバッテリーケースを開けるだけで、すぐにペアリングが行われます。この簡単さは、AirPodsをiPhoneとペアリングするときと同じですね。
▲バッテリケースを開けるだけでペアリングが始まる
ちなみにPixelシリーズでなくても、Androidのスマホなら、同じようにペアリングができ、「Google Pixel Buds」といいう専用アプリのインストールに導かれます。ただし、全機能を利用するにはAndroid 6.0以降をインストールしている必要があります。
▲画面の案内に従って初期設定を行う
▲機能説明や操作方法などが次々と表示されるのがスキップも可能
▲設定を終えたら、この画面が表示。この画面でバッテリー残量を確認でき、いつでも設定を変更できる
なお、Pixel BudsはiPhoneでも利用できます。その場合は、iPhoneのBluetoothをオンにして、Pixel Budsのバッテリーケースの背面にあるボタンを押すとペアリングを行えます。ただし、iPhoneで使う場合は、「Googleアシスタント」や「リアルタイム翻訳」を使えないなど、機能が制約されます。
▲バッテリーケースの裏にペアリング用のボタンがある
■スポーツ時も安心して着けていられるフィット感
イヤホンはタブレットキャンディーのような円形で、そこからイヤーチップと、安定性を向上させるアークが延びているといった感じ。耳に装着すると、出っ張り感はなく、安定感はいい印象。スポーツジムで装着したままエクササイズをしてみましたが、落下することはなく、落下が気になることもありませんでした。イヤホンを着けたままTシャツを着替えたりしても外れることはなかったですね。
▲Pixel Budsの外側。カラバリは3色で、これはClearly White。ほかにAlmost Black、Quite Mintから選べる
▲Pixel Budsの内側。イヤーチップは取り替え可能
▲スタビライザーアークがあるので、安定して装着できる。IPX4の防水仕様で、汗にも強い。イヤホンをなぞって音量を調節したり、タップして一時停止、スキップなどを行える
Googleは、数千人の耳をスキャンして快適な装着感を追求したそう。そのため3サイズのイヤーチップが用意されています。Googleによると人の耳って左右で違うこともあるとのことなので、左右違うサイズを装着したほうが快適な人もいるそうです。
▲Pixel Budsの内容物一式。イヤホンにはあらかじめMサイズのイヤーチップが着いていて、交換用にSサイズとLサイズが同梱されている
AirPodsはイヤーキャップがなく、耳に差し込んで引っ掛けるだけなので、なんとなく落ちてしまうのではないかと心配になりがち。たしかに走ったり、体を激しく動かすエクササイズをする際は使わないようにしています。装着感と安定性では、Pixel Budsに軍配が上がりそうです。
■音楽再生の音質はAirPodsに及ばないかも…
Pixel BudsとAidPodsを同じPixel 4aに接続させて、「YouTube Music」や「Spotify」でジャンルの異なる数曲を聞き比べてみました。
Pixel Budsの音質は、低音域から高音域までクリアに聞こえましたが、やや迫力に欠けるように感じました。一方、AidPodsは、音量を大きくできることに加えて、低音の厚みや高音の響きが強く、より「音楽を聴いている」という没入感に浸れる印象。ただし、筆者はオーディオ通ではないですし、音質には好き嫌いもあります。あくまでも個人の感想として参考にしてください。
Pixel Budsには空気孔から周囲の環境音を取り込む機能があります。音楽を聞いている時も適度に周囲の音が聞こえるんですね。スポーツジムで使ったときには、音楽が聞こえる後方で、ランニングマシンなどが稼動する音が静かにザワザワと聞こえる感じ。館内アナウンスがあった場合に、何を言っているかは聞き取れないけど、アナウンスがあったことはわかるといった感じでした。この、環境音がほどよく聞こえる仕様は、さまざまな利用シーンで役立つように感じました。
▲持続的なノイズなどを感知して、自動で音量が調整される仕組みだ
ただし、周囲のノイズを打ち消す「アクティブノイズキャンセリング」や、マイクで外音を拾う「外音取り込み」といった機能は備えていません。それらを必要とするなら、アップルの「AirPods Pro」など、より高性能なイヤホンを選ぶのが得策でしょう。
なお、通話音声も比べてみましたが、ほぼ互角の印象でした。
■ハンズフリーで「Googleアシスタント」を使える
「OK Google」と話す、もしくはイヤホンの長押しで「Googleアシスタント」を起動できます。「いま何時?」「今夜の天気は?」「ニュースを聞かせて」などと話すと、素早く必要な情報を聞かせてくれます。普段、Googleアシスタントを使うことが多い人は、簡単に使いこなせて重宝するのでは。
▲自分が使いやすいように設定を変更できる
メッセージやGmailなどを受信すると、まず小さなチャイム音で知らせてくれて、イヤホンを長押しすると通知を音声で確認できる仕組みもあります。メッセージは読み上げてくれて、返信も可能。Gmailは送信者と件名だけがわかる仕組みです。AirPodsもiPhoneに接続して使う場合は「Siri」が使えるので、機能的には、ほぼ互角と言っていいでしょう。
■注目の「リアルタイム翻訳」は役に立ちそう
注目のリアルタイム翻訳機能を使うには、スマホに「Google翻訳」アプリをインストールして、起動する必要があります。これにPixel Budsを連携させることで、より効率よく使える仕組みです。
例えば、英語を話す人と会話する場合、自分はPixel Budsを着けたままで日本語を話すと、スマホに翻訳結果が表示され、音声でも聞こえます。アプリ画面の「English」をタップして、相手に返事を話してもらうと、翻訳結果がスマホ画面に表示されると同時にPixel Budsからも聞こえるわけです。
▲Pixels Budsを装着したまま、イヤホンを押して話した言葉が瞬時に翻訳される
▲右下の「English」を押して、英語の返事を話してもらうと、日本語に翻訳されてPixels Budsから聞こえる
海外旅行や、海外から訪日した人を案内するときなどに役立ちそうですが、残念ながら、現在は使う機会は少なそうですね。英語学習に使っている教材などを試してみたところ、かなり長いトークでも翻訳してくれて、かなり実用的な印象を受けました。中国語でも試してみましたが、こちらもいい感じでした。40言語に対応しているそうなので、外国語で行われる会議やイベントなどでも重宝しそうです。これはAirPodsにはない、Pixel Budsならではのメリットですね。
▲このくらいの長さの英語なら、難なく翻訳してくれる。これは、GoogleのYouTube公式チャンネルでの英語音声を聞かせた場合の例
コロナウィルスが終息して、海外出張に行けるようになったら、ぜひ使ってみたいと思っています。つまり、数日使っただけですが、買いたくなっちゃいました(笑)。Androidスマホを使っている人は、検討すべきイヤホンだと思います。
>> Googleストア
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/317343/
- Source:&GP
- Author:&GP
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