Virgin Orbit(ヴァージン・オービット)は米国時間1月17日、LauncherOne(ランチャーワン)ロケットを初めて軌道上に打ち上げることに成功。数機の人工衛星を搭載し、NASAに代わって地球低軌道へ運ぶための実証ミッションを達成させた。これは小型衛星の打ち上げを目的とする同社にとって重要なマイルストーンであり、初めて同社の輸送用航空機 / 小型ペイロード軌道輸送ロケットのハイブリッド空中打ち上げシステムが、意図した通りに機能することを示した。この成功により、同社の打ち上げシステムは間もなく商業運用を開始することになるはずだ。
これはヴァージン・オービット社にとって軌道到達を目指す2度目の挑戦だった。最初の軌道飛行テストは2020年5月下旬に行われたが、この時はLauncherOneロケットが「Cosmic Girl(コズミック・ガール)」(ボーイング747を改造したもので、ロケットを打ち上げ高度まで輸送する空母機)から切り離された直後にエンジンの自動安全停止装置が作動して終わった。その原因となったエラーの特定を含め、1度目のテストから多くのことを学んだ同社は、修正を施して今回のミッションに臨んだという。
ヴァージン・オービットのCosmic Girlは、東部標準時1月17日午後2時(日本時間1月18日午前4時)前に離陸し、午後2時40分頃にその翼からLauncherOneを放出。LauncherOneは意図した通りに「クリーンな分離」を行った後、自身のロケットエンジンに点火し、最大の空気力学的圧力(航空宇宙業界ではmax Q[最大動圧点]と呼ばれている)を受けるところまで急速に加速した。LauncherOneのメインエンジンは燃焼終了後に切断され、ペイロードステージが分離、カルマンラインを越えて、初めて宇宙空間に突入した。
東部標準時午後2時49分頃に軌道に到達した後、これから約30分で小型衛星のペイロードをリリースする予定だ。ミッションのこのあたりの結果については、後ほど記事を更新してお伝えするが、すでにこれはヴァージン・オービットのチームにとって重要なマイルストーンであり、大きな成果を上げたといえる。
小型衛星打ち上げ市場におけるヴァージン・オービットのユニークな価値提案は、輸送機から空中でロケットを発射するというアプローチを採用するため、従来の滑走路からの離着陸が可能であるということだ。これにより、打ち上げ場所の融通性が高まり、地理的条件や衛星を運ぶ目標位置の点で顧客のニーズに対応できるようになる。
2017年、ヴァージン・オービットはVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)から分離独立し、小型ペイロードの軌道打ち上げに特化した。ヴァージン・ギャラクティックはその後、商業的な有人宇宙飛行を提供するという独自のミッションに完全に専念することになった。2021年初めには、ヴァージン・オービット自体が、VOX Space(ヴォックス・スペース)という独自の子会社を設立。これは米国の国家安全保障のために、LauncherOneを使って小型衛星を運ぶことを意図したものだ。
関連記事:Virgin Orbit初の軌道飛行テストは輸送機からの離脱直後に異常終了
カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Orbit、ロケット
画像クレジット:Virgin Orbit
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(翻訳:TechCrunch Japan)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/01/18/2021-01-17-virgin-orbit-reaches-orbit-for-the-first-time/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Darrell Etherington
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