自動車用チップが世界的に不足〜モバイル業界にも影響を及ぼすか

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世界一の半導体メーカーSamsungによれば、現在各国の自動車メーカーがチップ不足に陥っており、スマートフォンチップの生産にも影響を及ぼす可能性があるとのことです。

コロナショックからの経済の立て直しに支障が出る?

 
半導体ファウンドリが自動車メーカーの需要に応えるため生産施設をフル稼働しているということは、新たな発注を受けにくい状態になっていることを意味しており、モバイルデバイスのためのチップ供給に遅れが出る可能性がある、とFinancial Timesが報じています。
 
自動車メーカーからファウンドリにかけられている圧力と、それに起因するモバイルデバイス用チップ生産の遅延により、DramとNandメモリチップの需要にも影響が出るかもしれない、との観測もあります。
 
「ファウンドリの世界的な供給不足により、モバイルデバイスに使用される他の半導体パーツの供給に支障が出る可能性があるため、状況を注意深く見ている状況だ」とSamsungのメモリチップ事業部門のバイス・プレジデントのハン・ジンマン氏はコメントしています。

すでにチップ不足解消に動き出しているチップメーカー

世界一のチップの契約生産メーカーとして知られる台湾TSMCは、「自動車メーカーの需要に対応するため、自動車関連製品の生産を促進している」と述べています。
 
「すべてのセクターからの需要に応えるためフル稼働状態となっているが、TSMCは自動車業界をサポートするため生産能力の再編成を行っている」
 
TSMCの最高経営責任者(CEO)のCC・ウェイ氏によれば、自動車業界のチップ需要は昨年末から急に増え始めたとのことです。
 
ヨーロッパ、日本、米国の自動車メーカーは、チップメーカーと直接交渉を行うだけでなく、業界団体の外交ルートを使って台湾政府の経産省大臣にもコンタクトを試みていると伝えられています。
 
情報筋によると、このようなロビー活動は通常ならばあまり見かけられないとのことで、自動車需要の増加が、コロナショックから経済全体を立ち直すための重要な鍵になると捉えられている、と見ることができます。
 
 
Source:Financial Times
Photo:Samsung
(lexi)


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