ヘッドレスコマースの新しいプラットフォームが次々と登場しているが、SwellのCEOであるEric Ingram(エリック・イングラム)氏は「eコマースで何か新しいことをやるのは本当に難しい」という。
彼が具体的に挙げるのは、ヘッドレスのプラットフォームの多くが、フロントエンドのショッピング体験をその上に実装するためのバックエンドのインフラストラクチャーを提供して、企業がeコマースを迅速に構築できるようにしているが、実際のマーケットプレイスでは人々が従来からある製品カタログから検索、閲覧、購入している。そこに新顔のコマースが割り込むのが難しい。
「eコマースにおいて人の関心を惹く最もおもしろいアイデアは、新しいカタログを提供することではない」とイングラム氏はいう。
このほど340万ドル(約3億7000万円)のシード資金を調達したSwellは、同社プロダクトを利用するコマースのビジネスモデルの部分で、多くの柔軟性と自由度を提供することに努めている。イングラム氏はStefan Kende(ステファン・ケンデ)氏やDave Loneragan(デイブ・ロネラガン)氏、Joshua Voydik(ジョシュア・ボイディック)氏そしてMark Regal(マーク・リーガル)氏らとSwellを創業し、eコマース企業のための「未来に備えたバックエンド」の提供を目指した。ビジネスモデルの進化とともにコマースも成長し進化に適応するため、バックエンドにもその対応が求められる。
Swellのプラットフォーム上では通常のカタログも作るが、同時に同社は、独立のコーヒーロースターのマーケットプレイスであるSpinnや、B2Bの真空ポンプのマーケットプレイスNowvac、ダイヤモンドの倫理的なD2Cリテイラーを自称するGreat Heightsなどもサポートしている。
関連記事:美容グッズのネットショップGlossier元役員たち作ったヘッドレスコマースのChordが19.6億調達
ボイディック氏によれば、Swellには「無限の柔軟性」があるという。その一環として同社は、各コンポーネントへのAPIアクセスを提供している。また、各サイト自身が運営するネイティブのサブスクリプションをサポートし、製品の属性もその数を制限しない。
「Swellの上のすべてのストアに、独自のデータベースSaaSのプラットフォームがある」とイングラム氏はいう。
彼によると、Swellのプラットフォームは、普通ならオープンソースのアプローチからしか得られないような柔軟性を提供しつつも、そこには技術面での頭痛がないとのこと。「私たちの顧客には、自分のコードベースやデータベースを自分でメンテしたい人なんかいないからね」という。
「Swellを利用するための技術力は不要で、デベロッパーも必要ありません。実際のところデベロッパーの顧客は多いがも、普通のマーケターも多くOpsの人たちもいる。彼らは開発について多少は知っていて、システムを自分でコントロールしたいと思っている」とイングラム氏はいう。
今回の投資はBonfire VenturesのJim Andelman(ジム・アンデルマン)氏がリードし、Willow Growth PartnersとRemote First CapitalのAndreas Klinger(アンドレアス・クリンガー)氏、VercelのCEOであるGuillermo Rauch(ギレルモ・ローチ)氏、GitHubのCTOであるJason Warner(ジェイソン・ワーナー)氏、そしてSalesforce Commerce CloudのCEOだったMike Micucci(マイク・ミクッチ)氏が参加している。
関連記事:「ヘッドレス」eコマースプラットフォームFabricが早くもシリーズAで約45億円調達
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Swell、eコマース、資金調達、ヘッドレスコマース
画像クレジット:dashu83/Getty Images
[原文へ]
(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/03/27/2021-03-26-headless-commerce-startup-swell-raises-3-4m/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha,Hiroshi Iwatani
Amazonベストセラー
Now loading...