パンデミックの初期から、ビデオチャットがこれから大流行することは誰の目にも明らかだった。
過去数カ月にわたり投資家たちは、特殊なニッチを対象とするビデオスタートアップに投資をしてきた。常時動いているオフィス監視用や、チーム全員が参加する長いミーティングではなく、大量のミニ通話を奨励するものなどだ。パンデミックが収まり始め、多くのスタートアップがハイブリッドなオフィス形態を模索するようになると、一部の者たちは逆に完全にリモートなワークフォースを目指すようになり、そのための新しいツールも必要になる。
たとえばY Combinatorの先のクラスでローンチしたPingPongは、ワークフォースのための非同期型ビデオチャットアプリを開発している。先日デビューしたスタートアップの中から、TechCrunchが気になる4社をピックアップしたが、PingPongはその中の1社だ。
同社の売りは、リモートチームが時間帯の違いを超えて、遅れることなく協調して仕事するためには、Slackやメールではない何かが必要だということだ。ZoomでのコミュニケーションはSlackの全社的ポストよりも企業文化をうまく伝えることができるが、完全にリモートなチームが複数の大陸に分散して存在している場合、全社ミーティングは端から不可能だ。
PingPongのサービスは、現在のところSlackのアドオンで、リモートのプロダクトチームが協力、コミュニケーションをとりながら、仕事を行っていくというものだ。ユーザーは自分の短いビデオを撮影、それをスタンドアッププレゼンテーションの代わりに共有し、それぞれが相手の進捗を自分の時間に合わせることができる。PingPongは、テキストではなく非同期の動画を使って、リモートのブレストやデザインレビュー、バグの報告などができるよう望んでいる。
PingPongのCEOであるJeff Whitlock(ジェフ・ウィットロック)氏は「Slackに代わるためには、まだやるべきことがたくさんあります。今はSlackとの協調の方が大切です。しかし、現在の若者が消費者生活の中でやってることを彼らが就職した企業でもできるようになることが長期的なビジョンとなります。私たちが2000年代にInstant Messengerを使っていて、職場に入りました。それがまさに、Slackが目をつけたポイントでした。これからの5年間では、もっとリッチでもっと非同期なSlack代替プロダクトが多くの関心を集めるでしょう」。
ウィットロック氏によると、複数の時間帯の中で仕事をするリモートのプロダクトチームのために特別設計されたチャットアプリは現在、希少でニッチなものだが、今後、より共通のものになるだろうという。PingPongはユーザー1人あたりの使用料が年額100ドル(約1万1100円)となっている。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:PingPong、ビデオ会議、slack
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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/04/01/2021-03-31-pingpong-is-a-video-chat-app-for-product-teams-working-across-multiple-time-zones/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Lucas Matney,Hiroshi Iwatani
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