重なる緊急事態宣言でVR需要復活の兆し? スタンドアローン型機器とバイオ4の投入で普及加速か

収束の様子が見えてこない新型コロナウイルス。加えて、度重なる緊急事態宣言で今年のゴールデンウィークは自宅でゆったり過ごすことを余儀なくされそうな気配です。しかし、考え方によっては、ゲームに触れる機会にぴったりでもあります。

ゲームの世界で少し前から話題に上がるのがVRです。仮想現実ともいわれるVRは、体験したことはなくても、ニュースやSNSなどで言葉を目にしたことをある方は多いでしょう。このVRゲームが今、これまでにない盛り上がりを見せ始めています。

PSやPC不要でVRが楽しめるスタンドアローン型ユニットOculus Quest 2

これまでVRを楽しむためには、PlayStation(以下、PS)やPCといったハードとは別に、ヘッドセットなどの専用機材が必要な状況でした。スマホ本体をセットして楽しむVR機器も存在していましたが、没入感や体験といった点では今ひとつで、本格的に楽しむにはPSやPCで楽しむものという図式に。

これらの組み合わせはかなり強力ではあるのですが、導入費用の観点ではそれなりのハードルにもなります。例えば、ゲームを快適に楽しむためには20万円程度以上のゲーミングPCが必要ですし、それに加えてVRユニットを数万円で購入となると簡単には手が出しにくい……。加えて、PC上の設定もあります。

こういった状況で、普及が難しい背景がありました。しかし、2020年10月にPSやPC不要で、VRユニットだけで楽しめる「Oculus Quest 2」が登場。これをきっかけに大きく動きが変わってきそうな気配が見えてきました。

Oculus Quest 2はスタンドアローン型のVRユニットで、64GBモデル(33,800円)と256GBモデル(44,800円)が販売されています。PS用のVRユニットと比較しても、十分競争力のある価格帯です。加えて、VRを楽しむための要素が1つにまとめられているので、ケーブルなどの煩わしさはありません。VRはヘッドセットを装着して楽しむものなので、ケーブルを引っ掛けたりすることがよくあるので、この点は地味に効いてきます。

また、これまでのVRユニットは入手性の問題もありました。PS用はともかく、PC用のVRユニットは秋葉原などのPC専門ショップで購入するか、通販サイトで入手が一般的だったのですが、在庫も少量なことがほとんどで、ほしいときにすぐ買える状況ではなかったからです。しかし、Oculus Quest 2は家電量販店でも扱ってますし、通販サイトでの在庫も常時ある状態です(記事執筆時点)。

バイオ4の投入でVR普及に拍車がかかるか?

では、Oculus Quest 2ではどんなVRゲームを楽しめるのでしょうか。2020年10月の発売に合わせる形で、リズムアクションゲームの『Rez Infinite』や『スペースチャンネル5 VR あらかた ダンシングショー』、パズルゲームの『Tetris Effect』などが配信されてます。

これらのゲームは、すべて専用ストアから入手できます。Oculus Quest 2は海外製品ではありますが、専用ストアも日本語化されている点も導入ハードルを下げています。

そして、この4月にOculus Quest 2版の『バイオハザード4』の投入がアナウンスされました。バイオシリーズといえば、ゲーマーでなくても知っているホラーゲームの代名詞的存在。もともと没入感との相性がいいホラージャンルですが、この『バイオハザード4』では既存の焼き直しではない点にも注目です。

去る4月22日に行われたイベント「Oculus Gaming Showcase」では、これまでメニュー画面から行っていた武器の切り替えをプレイヤーがつかんで行ったり、両手を使って異なる武器を振り回す、1人称視点でのゲームプレイ(これまでは3人称視点でした)などが公開されました。また、4,500枚以上のテクスチャがリマスターされているとの情報も。実際にプレイ映像を見るとわかりますが、探索の様子やガンアクションなどは新しいゲーム体験を予感させてくれます。本作の登場は2021年後半とまだ先ですが、Oculus Quest 2のキラータイトルとなる予感があります。

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(文・辻英之)


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