Mavic 3は、DJIの最新の最上位機種コンシューマー向けドローンだ。折りたたみ式で、高価で、すばらしいデュアルレンズカメラと劇的に向上したドローン / コントローラー間の通信機能を搭載している。DJIのコンシューマー向けドローンとしては、Mavic 3がこれまでで最高の製品であることは間違いない。残念ながら、発売前のファームウェアではいくつかの重要な機能が利用できなかったため、完全なレビューはこれからだ。
新機能は以下のとおりだ。
- カスタムのHasselblad L2D-20c空中カメラを搭載したデュアルカメラシステム。4/3 CMOSセンサーに2つのレンズ、24mmのプライムレンズと28倍のハイブリッドズーム望遠レンズを搭載している
- DJI製ドローンとしては初めて1080p/60fpsのライブ映像をドローンからコントローラーに伝送できるようになった
- AppleのProRes 422 HQおよびH.264/H.265に対応し、最大で5.1K@50fps、DCI 4K@120fps、4K@120fpsのビデオ撮影機能を搭載
- 改良されたビジョン検知システムにより、0.5~200メートルの範囲で物体を検知できる
- 46分の飛行時間(バッテリー容量は5000mAh)
先週DJIから筆者の元にMavic 3が送られてきたので、休みなく飛ばし続けている。しかし、このドローンが正式に発売されるまで、いくつかの重要な機能が利用できなかった。新しいActiveTrack 5.0システムとAPAS 5.0物体検知をテストすることができなかったが、これらは過去のバージョンよりも大幅にアップグレードされているそうだ。DJIの主張を確認することはできていないが、新しいActiveTrackシステムをぜひ試してみたいと思っている。過去にDJIが実装したものは印象に残らなかった。
カメラ
DJI Mavic 3は、2つのレンズを含む新しいカメラシステムを採用している。メインレンズはすさまじい。20MPの4/3 CMOSセンサー、24mmのプライムレンズ、84度の視野角を持つ。第2のカメラは、28倍のハイブリッドズームを備えた162mmの望遠レンズを搭載している。このシステムでは、Mavic 3はすばらしい単焦点レンズを備え、ズームは2番目のカメラに任せている。
新しいカメラでは、対応するビデオフォーマットも新しくなっている。AppleのProRes 422 HQ、DCI 4K、5.1Kでのエンコードをサポートしている。ただし、Apple ProRess 422 HQエンコーディングは、4999ドル(日本では税込58万3000円)するより高価なMavic 3 Cineエディションでのみ利用できる(容量1TBのSSDも含まれる)。
カメラでとらえた画像は驚くべきものだ。DJI Air 2Sを使って撮影した画像と比較してみたが、トーンが深く、シャドー部のニュアンスが増すなど、その差は歴然としている。細部までくっきりとしている。
詳しいレポートは近日中に案内する。いくつかの重要なビデオ機能は、DJIがMavic 3を正式に発表するまでロックされていた。最新のファームウェアを使ってドローンをテストする必要がある。
物体検知
筆者はたくさんのドローンを衝突させているが、それは不注意のためではない。私はドローンを必要以上に遠くへ(そして近くへ)飛ばす。プロップも安いし。しかし、Mavic 3はどれだけ試みてもまだ衝突していない。このドローンはすべてを見ている。
物体検知や衝突軽減などの機能は、数世代前からドローンの標準機能として搭載されている。それでも、今回の最新バージョンでは、より遠く、あるいは近くの物体を検知するなど機能がアップしている。
本稿執筆時点で、DJIはまだMavic 3の機能を大幅にアップデートした最新のファームウェアに更新していない。しかし、リリース前のソフトウェアでもMavic 3はすばらしい。
ミシガン州は秋で、ほとんどの木の葉が落ちている。しかし、Mavic 3は気にしない。どんなに小さな枝でも簡単に検出することができる。Mavic 3は停止するか、物体を迂回しようとすることができる。
Mavic 3と一緒に森の中を散歩してみた。ほとんどの場合、Mavic 3は障害物を避けるために左右にスライドしながら自力で進むことができた。筆者はMavic 3に前に進むよう命令するだけでよく、あとはMavic 3が自分で道を見つけた。これまでのDJI製ドローンでもできたことだが、ここまでスムーズではなかった。以前の衝突軽減システムは信用できなかった。今回のシステムはかなり改善されているように感じる。
Mavic Pro 2と同様、Mavic 3にもドローンの隅々まで監視するセンサーが搭載されている。加えて、6つの魚眼ビジョンセンサーと2つの広角センサーを備える。DJIはこれを「全方向障害物検知」と呼んでいるが、4方向しか見られないAir 2Sよりも一歩進んだ機能だ。
通信範囲
これまでのモデルと比べてMavic 3は2つの点で優れていることに気づく。1つは、通信接続がより強化されていることだ。これまでのドローンでは切れてしまうような場所でも、飛行中にMavic 3とのコンタクトが途切れることはなかった。Mavic 3は、1080p/60でコントローラにライブ映像をストリーミングするが、これは過去のモデルの2倍のフレームレートであり、注目に値するものだ。
DJIは、最大伝送距離は15kmだとしている。これは9マイルを超える距離だが、FAA(米連邦航空局)の規制により、筆者はこの距離をテストすることができない。しかし、Mavic 3の航続距離は本当にすごいものだ。
Mavic 3を使って、川に低い橋がかかっている放棄された都市部など、いくつかの馴染みのスポットを短時間で回ってみた。筆者はこのエリアでドローンを飛ばすのが好きだ。過去のドローン(DJI Air 2SとMavic Pro 2)は、橋の下を通るときに通信を維持するのに苦労した。Mavic 3の通信は始終つながっていた。
さらに、家の裏にあるトウモロコシ畑でドローンを飛ばしたときにも、送信力の向上に気づいた。他のドローンでは畑の上をかすめることができることが多いが、ドローンが何百フィートも上空にあるのではなく、地面から数フィートの距離にあると通信範囲が極端に狭くなる。Mavic 3にはそのような問題はなく、ライブビデオを1080p/60でコントローラにストリーミングすることができた。
ライブ映像のプレビューも美しい。十分な距離まで近づくと、1080pのフルHDを60fpsで送信する。フレームレートの向上は喜ばしいことだ。さらに、ビデオプレビューがスムーズになったことで、ドローンの操縦がより楽しいものになっている。
製造品質
- DJI Air 2と比較して、構造と製造品質は向上している。しっかりとしていてで、おもちゃのようには見えない
- Mavic 3のプロップアームは、小型のAir 2Sに搭載されているものよりも大幅に薄くなっている
- プロップは4.5インチ(約11cm)。Air 2Sのプロップは3.5インチ(約8.8cm)だ
バッテリー
- Mavic 3では、従来のモデルから新しいデザインのバッテリーを採用している。重さ335.5gの4つのセルのユニットだ。ドローンのボディにスライドして装着する
- DJIが用意したコネクターで充電する。充電ドックはUSB-Cを採用している
- バッテリー駆動時間は46分という。筆者の体験から、風が強い状況では平均30分間程度だ
記事掲載時にはテストできなかったこと
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- 120fpsのビデオモード
- APAS 5.0。発売前のファームウェアには、最新の物体検知機能と衝突軽減機能が搭載されていなかった。そのためMavic 3には過去のバージョンの機能が搭載されており、小さな木の枝程度の物体を識別して回避することができた
- ActiveTrack 5.0。この機能は後日提供される。時期は未発表。このシステムでMavic 3は進行方向に関係なく物体を追跡できるようになるとみられる。この機能の過去のバージョンは、主にドローンに向かって移動する物体、またはドローンから離れて移動する物体の追跡に限られ、左右や斜め方向には対応していないという残念なものだった。この新機能はぜひ試してみたい
4G Network-Powered Transmission。このアタッチメントは、4Gネットワーク通信を利用して映像伝送を改善すると思われる。後日リリースされる予定で、本稿執筆時点でテストできていない。
詳しいレビューは近日中に掲載する。来週をお楽しみに。
[原文へ]
(文:Matt Burns、翻訳:Nariko Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/11/06/2021-11-04-dji-mavic-3-best-drone-price-msrp-2199/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Matt Burns,Nariko Mizoguchi
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