京都大学は12月8日、iPS細胞研究所(CiRA。サイラ)の山中伸弥所長が2022年3月31日付で所長を退任すると発表した。山中伸弥教授は、2010年の研究所設立当初より6期(12年)にわたり所長を務めており、所長退任後も京都大学に在籍。CiRA教授・主任研究者として引き続きiPS細胞研究を推進する。
山中教授は、次のようにコメントしている。
2006年にiPS細胞を発表して以来、15年間にわたり組織運営や寄付募集活動に微力を尽くしてまいりました。この数年は、研究者としての最後の期間は自身の研究に注力したいという思いが日に日に強くなっていました。先日の教授会で令和4年度からの所長として髙橋淳先生を推薦し、投票の結果、髙橋先生が選出されました。iPS細胞を用いた多くのプロジェクトが臨床試験の段階に到達しつつある中、自らも臨床試験を先導されている髙橋先生は、新所長として最適の研究者です。私は、基礎研究者として、iPS細胞や医学・生物学の発展に貢献できるよう全力を尽くします。」
また2021年12月2日に開催された教授会において、CiRAの所長候補者選考内規に従って投票を実施。髙橋淳教授が過半数の票を得て次期所長に選出された。所長任期は2022年4月1日から2024年3月31日まで。
髙橋教授はCiRA設立当初からのメンバーで、専門分野は神経再生や脳神経外科。特に長年パーキンソン病治療の研究を行っており、2018年には、京都大学医学部附属病院においてiPS細胞を用いたパーキンソン病治療の医師主導治験が開始されている。iPS細胞研究の最前線で活躍する研究者として、現在もiPS細胞技術などを用いて脳梗塞などの治療法開発を目指した研究を進めている。
画像クレジット:京都大学iPS細胞研究所
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/12/08/kyoto-u-cira-shinya-yamanaka/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa
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