米国時間12月21日、Airtableは2021年の早い時期にWalrus.aiを秘かに買収していたことを発表した。
しかしながら、「買収」は少々言い過ぎかもしれない。しかし少なくとも、Walrus.aiのホームページが数カ月前からなくなり、Airtableが私に、同サービスの技術を使うつもりはないと述べていることは事実だ。「人刈り(Acqui-hire)」という表現のほうが適切かもしれないが、AirtableのCPOであるPeter Deng(ペーター・デング)氏も、Walrusの共同創業者であるScott White(スコット・ホワイト)氏も、そうは言わない。
「結局のところ、私たち以前からやりたかったことに合ってるという言い方になるでしょう。Airtableは、もっと大きな規模でやりたいと思っていたことの自然な進化というか、そのビジョンを満たす機会なのです。そのため私たちがずっとやってきたことの進化でもあり、それの次の段階だともいえます。すばらしいチャンスです」とホワイト氏はいう。
ホワイト氏と共同創業者のJake Marsh(ジェイク・マーシュ)氏とAkshay Nathan(アクシャイ・ネイサン)氏がAirtableに参加し、ホワイト氏はAirtableでソリューション担当のプロダクトリードになる。ネイサン氏は同社のエンタープライズ部門のエンジニアリングマネージャー、マーシュ氏はソフトウェアエンジニアだ。つまり、共同創業者だけがAirtableに加わる。Walrus.aiは以前、HomebrewやFelicis Ventures、Leadout Capitalなどから400万ドル(約4億5000万円)のシード資金を調達している。
両社によると、彼らの全体的なビジョンは極めて整合している。Walrusのチームは、ユーザーがテストを普通の英語で書くことによって、エンド・ツー・エンドのソフトウェアの試験を容易にする。一方Airtableは、ユーザーを全員、アプリケーションの開発者にする。
デング氏に買収のいきさつについて尋ねると、次のように答えた。「ソフトウェアの創造を民主化すること、つまりソフトウェアの開発をもっと簡単にしたい、すべてはそこから始まっています。スコットとWalrusのチームに紹介されたとき、私たちが同じビジョンを共有していることがすぐにわかりました。Walrusのビジョンは、高品質なソフトウェアの構築をデベロッパーにとって容易にすることでした。実際に話し合ってみると、『ソフトウェアの開発を、誰にとっても簡単なものにしたいんだ』といったやりとりで、お互い話は通じました。両社の共同創業者たちのDNAに直接触れる部分があり、また両社がやってきたことも、お互いの話の内容も、これから両社が一緒に仕事をするのは極めて自然、といえるものです」。
Airtableでデング氏とホワイト氏は話し合い、Walrusのチームはその最初のビジョンをさらに広げていき、そのスキルを生かして新しいプロダクトも作る、というところに落ち着いた。ホワイト氏がいうように、Airtableは、ユーザーに非常に複雑なことを簡単にさせて、そのプロセスを容易かつシームレスにしている。そしてそれと同時に、今のAirtableの最速成長部門はエンタープライズであるため、同社のサービスは非常に複雑なワークフローの管理にも利用されている。
「私たちの仕事は、この2つの側面から考えています。そして、私たちの中核的な能力とインフラが、こうした大規模な企業との取引に対応できるようにすることです」と、ホワイト氏は現在Airtableで行っている仕事について述べる。ホワイト氏もデング氏も、Walrusチームが現在取り組んでいることについて、具体的には何も語らず、デング氏は、「エンドユーザーの問題を非常にエレガントな方法で解決するための多くのイニシアチブを含む、大きなことに一緒に取り組んでます」という。
画像クレジット:Airtable
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/12/22/2021-12-21-airtable-acqui-hires-walrus-ais-founding-team/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Frederic Lardinois,Hiroshi Iwatani
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