ロンドン消防隊、緊急通報時に通報者のiPhoneカメラを利用し状況を映像で確認可能に

火災
 
119番(英国では999番)等の緊急通報時において、現場のリアルタイムな映像を通報者と救急隊の間で共有できるシステムは、救急隊が詳しい現場状況を把握するのに非常に有効であることが証明されています。
 
英国では、このシステムが既に実用化されており、ロンドン消防隊は、「どのような対応が必要かを判断するのに役立つ画期的なシステムである」と述べています。

現場状況が映像で瞬時に確認できるように

この新しいシステムでは、通報者がiPhoneなどの携帯電話から緊急通報を発信すると、オペレーターからリンクがメールで届けられます。このリンクをタップすると、携帯電話のカメラへのアクセスが許可され、オペレーターは現場の状況を映像で確認でき、火災の規模から交通事故の深刻度まで瞬時に判断することが可能になります。

グレンフェル・タワー火災について

ロンドンで72人の死者を出した「グレンフェル・タワー火災」が起きた際に、このシステムが利用可能であったなら、あらゆるリソースを投入すべきことは一目瞭然であったはずだと米メディア9to5Macは報じています。
 
タワーマンションの設計上、火は少なくとも30分間は1つの部屋に留まるはずであったため、当初、管制官は事態の深刻さを過小評価していました。また、ビルから火が出ているという情報も窓から炎が出ている程度のものであると思われていたとのことです。最初に火災を目の当たりにした消防士でさえ、その状況を信じることができなかったといいます。
 
しかし逆に、通報者が事態の規模を誇張して話すこともあります。軽傷で済んだ比較的軽い多重衝突事故において、パニック状態に陥った目撃者が大きな玉突き事故だと表現することがあります。その結果、現場に多くの人員を投入することになり、他の場所で発生した緊急事態に対応できる車両が少なくなる可能性があるのです。

より速く現場状況の映像が確認できるように

これまでにも、英国で今回導入されたシステムと同様のテストが行われていましたが、通報者はアプリをインストールする必要がありました。しかし、この新システムではリンクを通報者に送信するだけで済むので、より速く現場の状況が映像で確認できるようになります。その価値と使いやすさを考えると、世界中の緊急通報サービスにおいて広く採用される可能性があります。
 


 
 
Source:ITV London/Twitter via 9to5Mac
(m7000)


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