中国がAppleにプライバシー保護を強化するよう“指導”

Apple ティム・クックCEO 2022年3月 AppleEvent
 
訪中したティム・クック最高経営責任者(CEO)に対し、個人のプライバシー保護を強化すべきだとして、中国政府の高官がに不可解な指導を行ったことが注目を集めています。

Appleにプライバシー強化求める

Appleと言えば、世界的にプライバシー尊重やセキュリティの重視で知られるテック企業ですが、中国にとっては違うようです。
 
中国を訪問したティム・クックCEOは、北京で開催された政府主催の発展フォーラムに参加し、商務大臣を始めとした様々な政府高官と意見を交換しました。
 
そのうちの一人、国家発展改革委員会のトップである鄭柵潔(ジャン・シャンジエ)委員長はクック氏に対して、データセキュリティと個人のプライバシー保護を強化するようアドバイスを行ったそうです。

委員長の真意は一体

この“助言”は2つの点で不可解です。
 
まず先述したように、Appleは世界的にはユーザーのプライバシー保護を強く重んじてきた企業として有名で、中国の政府高官がそのことを知らないはずがありません。
 
また、中国はお世辞にもプライバシーに優しい国家とは言えず、Appleも当局の求めに応じて、アプリサービスの取り下げを度々行っており、それが米国で問題視されているほどです。例えば、現地ユーザーのiCloudデータは、政府系の企業が所有するサーバーに保存することが義務づけられています。
 
つまり、鄭委員長がティム・クックCEOにこのようなアドバイスをする理由がないのです。声明の詳細は発表されていませんが、さぞかしクック氏も戸惑ったことでしょう。
 
なお、クック氏はこの発展フォーラムで、30年に渡ってAppleが中国との共生関係を築いてきたことを強調しました。
 
 
Source:Reuters(1)(2),AppleInsider
(kihachi)


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA