米国で男性が殺害された事件で、彼の妻が所有していたiPhoneを解析した結果、検索履歴やロック解除時刻、移動記録など、証言と矛盾する情報が次々と明らかとなり、最終的に彼女の逮捕へと繋がったことが分かりました。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. 当初は無罪だと思われていた被害者の妻
2. iPhone解析の結果、証言と矛盾する内容が発覚
3. 捜査当局は個人で消去できない内容まで調べられる
夫を悼んで本まで出版していたが
22年3月、米ユタ州に住むエリック・リチンズさんが自宅の寝室で亡くなっているのが発見されました。
3人の子どもを遺して突然死した夫を悼んで、妻は事件から一年後に「Are You With Me?(ここにいるよね)」と題した子ども向けの本を出版しました。
しかしその後の捜査によって、エリックさんは致死量の5倍に上るフェンタニル(麻酔薬)を飲まされ、妻のリチンズ被告が殺害していた疑惑が浮上します。逮捕の決め手になったのは、iPhoneの検索履歴と位置情報でした。
検索内容まで事細かに調べられていた
リチンズ被告は当初、自分のiPhoneは夫婦の寝室で充電しており、自分は子どもの寝室で息子と一緒に寝ていたため、遺体発見までスマートフォンには手を触れていないと主張していました。
ところが実際には、リチンズ被告が何度もロックを解除したログや、移動記録、フェンタニルの売人とメッセージをやり取りした形跡などが残されていました。
さらに先日行われた裁判では、「警察は嘘発見器テストを強制できるか」「金持ちのための豪華な刑務所」「遠隔操作でiPhoneの情報を永久に消去するには」「FBIによる電子機器の分析」など、彼女が具体的に検索していた内容も明らかにされました。
捜査当局はどうやって個人情報を調べたのか
この事件で興味深いのは、リチンズ被告が所持していたiPhoneから、ここまで行動の詳細が判明してしまった事実でしょう。
もちろん、FBIがiPhoneを分析することまで想定して検索しているくらいですから、自分に不都合な情報はあらかた消したつもりだったはずです。事実、売人とのメッセージ履歴は消去されていました。だからこそ逮捕にここまで時間を要したとも考えられます。
しかし捜査当局の手にかかれば、消したはずの検索履歴はもちろん、ロック解除の時刻から室内をiPhoneが家の中を移動した記録に至るまで、何でも明らかになってしまうというわけです。
この事件に関して、AppleがFBIの協力要請に応じたかは不明(過去には解除要求を拒絶したこともあります)ですが、同社なしでもCellebriteなどのロック解除ツールさえあれば、どこまでも事細かに調べられる時代なのかもしれません。もちろん、悪事を働かないに越したことはありませんが、Appleの掲げるプライバシー保護理念を過信しすぎてもいけないということでしょう。
Source:CNBC,CNN
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-543077/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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