TSMCの3ナノメートル(nm)プロセスによるチップ生産が当初の計画よりも遅れており、2023年中はApple向けの供給で手一杯になる見通しだと、台湾メディアDigiTimesが有料版で伝えています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. TSMCの3nmプロセスは、2023年内はApple向けで100%占められる。
2. IntelもTSMCの3nmプロセスでArrow Lakeを生産開始する予定だった。
3. Arrow Lakeの生産開始は2024年に延期される見通し。
2023年中、TSMCの3nmプロセスはAppleが独占
DigiTimesは今年5月の時点で、TSMCの3nmプロセスで製造されるチップの90%がApple向けになると報じていました。
つまりその時点では、残り10%のチップはApple以外の企業に供給されると考えられていたということです。
しかし今回の報道で同メディアは、2023年内にTSMCの3nmプロセスで製造されるチップは100%Appleに供給され、他の企業には提供されないと記しています。
A10からはTSMCが単独受注
AppleはiPhone6sが搭載するA9チップまでは、TSMCとSamsungの両方にチップの生産を発注していました。
しかしiPhone7向けのA10からは、TSMCが単独で全チップの生産を受注しています。
またAppleが2020年に発表したAppleシリコンは、すべてTSMCが生産を受け持っています。
IntelはArrow Lake生産をTSMCに発注
AppleはいうまでもなくTSMCの主要顧客であり、最新の3nmプロセスで優先的に生産されているのはiPhone15 ProおよびiPhone15 Pro Max向けのA17ですが、Intelも今年TSMCに対し、3nmプロセスでの生産を発注していると、DigiTimesは報じています。
Intelは自社でも、チップ製造施設を所有しています。しかしその技術はTSMCよりはるかに遅れており、自社設計の最新チップを自社で生産することはできないため、次世代Arrow Lakeプロセッサの生産を、TSMCに発注した模様です。
Arrow Lake生産開始は2024年へと延期か
当初は、Arrow Lakeプロセッサは2023年末までに、TSMCの3nmプロセスで生産開始される予定でしたが、TSMCの3nmプロセスは、2023年中は完全にApple向けで占有されるため、Arrow Lakeプロセッサの生産開始は2024年へと延期されるとのことです。
なおAppleは、iPhone15 Proシリーズ向けのA17だけでなく、M3 Pro/MaxについてもTSMCに発注しており、これらも同じく3nmプロセスで製造されるとの情報もあります。
Source:DigiTimes via 9to5Mac
(lunatic)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-550525/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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