4KテレビはminiLEDによる明るい大画面×コスパ!ハイセンス「U8K」レビュー

2024年夏に向けた薄型テレビ商戦。テレビを新調しようと家電量販店の薄型テレビ売り場を覗いてみると、遠目に見ても画面が明るく鮮やかで、目を引くテレビが増えている事に気づきます。

2021年末から国内メーカーも投入し始めたminiLEDバックライト搭載の4K液晶テレビ(略してminiLED液晶テレビ)は、テレビの高画質に“明るさ”(高輝度)という新たな高画質競争を加速させています。

▲ハイセンス「65U8N」。2024年5月発売で実勢価格は19万8000円

そんなテレビ市場で2024年夏のテレビ市場で、人気を集めているブランドがハイセンスです。2018年に東芝のテレビ事業(現・TVS REGZA社)を買収し、日本市場に本格参入。2023年には日本国内のメーカー別販売台数3位(BCN調べ)にまで急浮上しています。

▲付属リモコン。2024年より完全なBluetoothリモコンになり、スタンバイ状態でもテレビの方に向けずに操作できるようになりました

miniLED液晶テレビバックライト搭載で10万円台という高コスパで大ヒットとなった2023年モデル「U8Kシリーズ」の後継モデルで、今年5月に発売された「U8Nシリーズ」。この最新の65V型miniLED液晶テレビ「65U8K」を、実機で解説していきます。

 

■画面の明るさだけじゃない多機能ぶり

早速、自宅のリビングにハイセンス「65U8K」をセットしてみました。

▲65V型という大画面にお手頃価格で手が届く

65V型(インチ)という画面サイズに「大きすぎでは…?」と思う人もいるかもしれません。でも、日本でも売れ筋のテレビサイズは年々大画面化。リビングに置くテレビだと、今は55V型が普通くらいで、少しサイズを欲張ると65V型というセレクトになるんですよね。

ハイセンス「65U8K」は、10万円後半で65V型が購入できるという絶妙な値付けになっています。

まずは画質を確かめてみようと、映像モードを初期設定の“AI自動”で地デジ放送やYouTubeの視聴してみると…、さすがに画面が明るい!

▲明るく鮮やか、そしてメリハリある高画質

YouTubeの動画を見てみると、大画面に明るさ、鮮やかさのかけ合わせはインパクトが強烈。画面内のメリハリもあって、65インチの大画面という以上に立体感を感じられます。

ちなみにこのハイセンス「65U8K」はRGBの環境光センサーを搭載していて、部屋の明るさに応じて画面の明るさを調整してくれるので、眩しすぎることはありません。とはいえ、それでも数年前に購入したテレビからの買い替えでも、明るさを実感できるハズ。

搭載する高画質エンジン“HI-VIEWエンジンII”は、レグザと共同開発。YouTubeなどのネット放送や地デジに対しても、ノイズ低減や高画質化処理が働きます。なお、地デジやYouTubeはテロップ等がやや鮮やか寄りなので、色の濃さを落とす調整をするのもアリ。しっとりとした画質表現を好むなら、映像モードの“映画”や“モニター”をお試しあれ。

▲落ち着いた画質で視聴するには映像モードを切り替えを推奨

▲Netflix視聴の際にはDolby VisionとDolby Atmosに対応

リビング設置だと、複数人で見たり、キッチンからテレビを斜め見するようなシチェーションもあるので視野角も気になるところ。ハイセンス「65U8K」はADSパネル搭載なので視野角は広め。明るいリビングで見る限りには問題にならないですね。

▲リビング設置では視野角も重要。この角度でも色変化は画面下部が若干白くなる程度

テレビとなると内蔵スピーカーのサウンドも気になるところ。内蔵スピーカーこそ一般的な2.1ch仕様ですが、重低音のパワーがしっかり出るのでテレビ内蔵スピーカーとしては実力十分。Dolby Atmos対応なので、迫力や臨場感もスペック上に再現してくれますよ。

▲内蔵スピーカーは実用最大出力40Wの2.1ch

ハイセンスは海外ブランドということもあり、「日本のテレビ放送対応は大丈夫!?」 と心配する人もいるかもしれません。

これも心配ご無用です。

▲日本の放送にも対応した番組表。デザインはレグザと基本的に同じです

▲USB HDD外付けにより番組録画にも対応しています

放送対応は地デジ/BS/CSが3チューナーで4K放送が2チューナー対応。エンジンをレグザと共同開発しているだけあって、番組表の操作性はレグザとソックリ。外付けUSB HDDによる番組録画にも対応しています。

ただし、レグザの機能が丸ごと移植されている訳ではなく、自動録画やクラウド連動の機能はなく、あくまで基本操作を押さえているのみ。録画重視派にはレグザという棲み分けをしているのかもしれませんね。

そしてネット対応機能は、“VIDDA”というプラットフォームで実装されています。

▲ネット機能をまとめた”VIDDA”プラットフォームのホーム画面

自分でアプリを追加できるストア機能はありませんが、出荷時の状態で19サービスに対応していて、発売後のアップデートで20サービスに増加予定。YouTube、Netflix、PrimeVideo、さらには今どきテレビでも必須のTVerやAbemaTV、DAZN、Hulu、Disney+までカバーしています。

▲リモコンで12サービスのダイレクト起動が可能

▲リモコンはマイクを搭載していてYouTubeの文字入力も音声認識でラクラク

それにYouTubeの動画ならスマホアプリから飛ばして表示できるし、AirPlay2対応なのでiPhoneの画面もミラーリング可能。なお、AndroidやWindowsPCからはAnyViewという機能で対応しています(実際の対応はスマホやPC側に依存します)。

またゲーマー向けには144Hz入力対応の“ゲームモードPro”に新搭載のゲーミングメニュー、VRR/ALLM対応、さらにPCゲーマーにはAMD FreeSync Premiumによるカクつかない映像表示にも対応しています。

▲ゲーミング向けの低遅延機能にも対応

*  *  *

画面の明るさだけじゃなく、視野角も十分。機能もネット動画から録画まで全方位に手堅くカバーしています。ここまで充実していると、格安ブランドに分類するべきではないことがわかります。2024年5月発売で実勢価格19万円程度ですが、国内メーカーの同価格帯と比べてみると「ハイセンスはコスパ最強」と言われる理由がよくわかります。

>> ハイセンス

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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