米国の超高級住宅不動産、昨年上回るペース|不動産テック大手Compassの上半期報告

文字通り「桁外れ」の超豪邸市場がアメリカで活況を呈している。

アメリカ国内の超高級住宅を専門に扱う不動産大手Compassは、2024年上半期の「ラグジュアリー部門」実績について8月6日にリリースを発表。価格1000万ドル(約15億円)以上の超豪邸の上半期販売数は838件で昨年同期比約4%増加、売上高は合計146億ドルに達したという。

拡大続くプロップテック(不動産テック)の世界市場で6割近いシェアを持つ北アメリカ市場の中でも、富裕層による高級物件投資が活発であることが分かる。

Image Credits:Compass

特に好調だったのは、ロサンゼルス大都市圏。4月1日に施行されたマンション税で超高級物件の所有コストが上昇したにもかかわらず、同エリアで上半期に販売された1000万ドル以上の住宅は134件。アメリカ有数の超高級住宅市場としての地位を固めたという。

“不動産テック”なのか、従来と同じ“普通の”不動産業なのか

2012年に設立されたCompassは、ニューヨークを拠点に「売上高でアメリカ最大の不動産仲介業者」を名乗る不動産大手。2021年に上場を果たし、映画やドラマの撮影に使われた有名な豪邸や、ケネディ家ゆかりの邸宅などの販売を手掛けている。

Image Credits:Compass Luxury

「アメリカの不動産テック、トップ10社」といったリストに必ず含まれるCompass。同社が業績を伸ばした理由のひとつとして、フルタイムの営業職を雇用するのではなく独立した不動産エージェントの登録システムがある。これによりマーケットでのリーチ力と柔軟性を実現した。

同社サイトによると、全国に2万8000人以上の登録エージェントが存在する。

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Compassは、これら登録エージェント向けにエンドツーエンドのプラットフォームを提供。「業界トップクラスの人材とテクノロジーを組み合わせ」ることで、「検索と販売の体験をインテリジェントかつシームレスにする」という。

カスタマーリレーション管理からマーケティング、顧客サービス、仲介サービスなど、不動産業界に特化したクラウドベース・ソフトウェア一式を統合するソリューションだ。プラットフォームを活用することで、エージェントたちは売り手・買い手を問わず顧客に優れたサービスを届けられるだけでなく、時間を節約しつつ効率的にビジネスを拡大できるとしている。

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ただ、物件の売買を実際に担当するのはあくまで不動産エージェント(海外ドラマなどによく登場する「realtor」)であることから、Compassは「テック」ではなく伝統的不動産業者とかわらないのでは、という指摘もあるようだ。

共同設立者の華々しい経歴も有名

Compassの設立者は、その華々しい経歴で有名だ。CEOのRobert Reffkin氏はコロンビア大学でMBAを修めたエリート。アメリカ財務省のフェロー職員およびマッキンゼーやゴールドマンサックスで要職についていた経歴の持ち主。

同氏が不動産業界に足を踏み入れるきっかけとなったのは、母親のRuthさんが長年にわたって不動産仲介業を営んでいたこと。Ruthさんは現在Compassで勤務しているそうだ。

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自ら設立した非営利団体「America Needs You」では「一家の中で初めて大学に進学する貧困ライン以下の若者」を支援しているというReffkin氏。8月13日には、オッペンハイマー社の第27回「テクノロジー、インターネット&コミュニケーション・カンファレンス」にて登壇したばかり。

もう一人の設立者で戦略担当のOri Allon氏は、かつてのTwitterでエンジニアリング ディレクターを務めた人物。ソフトウェア開発の分野で豊富な経験を有している。

参考・引用元:
Compassプレスリリース
Compass Luxury
Compass

(文・Techable編集部)


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