【2024年 スニーカー最前線 #11】
&GP編集 若澤:「いやー、急に寒くなってきましたね。今回は冬の足元について話したいんですが、“白と黒のスニーカー、どっちが使いやすいか?”ってよく議論になりますよね。実は僕、黒派なんです。黒って汚れが目立たないし、どんなコーディネートにも合わせやすいじゃないですか。宇田川さんはどうですか?」
スタイリスト 宇田川:「確かに、若澤さんは黒スニーカーを履いているイメージあるね。まあ、黒の安定感は魅力的だよね。でも僕は白派かな。春夏はもちろんだけど、重たくなりがちな冬のコーディネートに爽やかさをプラスしてくれるのがいいんだよね。“白”をアクセントカラーとして使うイメージかな」
▲写真左:&GP編集 若澤(ワカザワ)、写真右:スタイリスト 宇田川 雄一(ウダガワ ユウイチ)
若澤:「でも、白って汚れやすいじゃないですか? 僕みたいなズボラな人にはちょっと難しい気がします」
宇田川:「確かに汚れは気になるけど、それもひとつの味だと思うんだ。むしろ、履き込んだ白スニーカーには個性が出るし、少しの汚れも“こなれ感”として楽しめるよ」
若澤:「僕が黒スニーカーを推す理由のひとつは、やっぱり汎用性の高さですね。例えば、汚れを気にせず履けるし、コーディネート全体を引き締めてくれる。大人っぽい雰囲気を簡単に作れるんです」
宇田川:「うん、黒スニーカーは間違いなく便利だよね。黒は“上品さ”や“落ち着き”、“高級感”といったイメージを与える色だから、大人っぽい印象になるのも魅力だよね」
若澤:「あと、黒い洋服を選ぶことが多いっていうのも大きいですね。黒コーデのとき、足元も黒だと全体がしっくりまとまる感じがします。宇田川さんは、どうして白が好きなんですか?」
宇田川:「白スニーカーは、どんなコーディネートにも爽やかさと清潔感をプラスしてくれるんだよね。足元が軽い印象になるのが大きいと思う。春夏のコーデはもちろん、ワイドパンツからチラッと白が見える感じが特に好きなんだよね」
若澤:「でも、真っ白だとちょっと浮いてしまうイメージがあるんですけど、そのあたりはどうですか?」
宇田川:「そういう人には、インナーを白にして足元とリンクさせるのがおすすめ。色を拾ってあげるだけで、コーディネート全体にまとまりが出るんだ」
■黒スニーカーを使ったコーディネート例
▲アントラックのジャケット/4万4000円、テーパードパンツ/3万1900円(ともにエース) 、ザ・ノース・フェイスのパーカー/2万1780円(ゴールドウインカスターマーサービスセンター)
■白スニーカーを使ったおすすめコーディネート例
▲L.L.Beanのタートルネック/5390円(L.L.Beanカスタマーサービスセンター)
若澤:「同じセットアップを使っていても、インナーと靴の色を変えるだけで印象がガラッと変わりますね」
宇田川:「そうなんだよね。黒の方は落ち着いた雰囲気で、今っぽいコーディネートになる。一方で、白は少しこなれ感が出るイメージ。アイテムの違いもあるけど、普段使いには黒、お出かけ用には白…みたいに、TPOに合わせて使い分けるのがオススメだよ」
若澤:「それなら、せっかくなので黒と白、それぞれおすすめのスニーカーをいくつかピックアップしてもらえませんか? 記事を読んでくれている皆さんにも参考になると思います」
宇田川:「いいね! じゃあ、まずは黒スニーカーから紹介していきましょうか」
【黒スニーカー1】タイムレスでエレガント!大人が選ぶミリタリーシューズの逸品
REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクション オブ ファウンド)
「GERMAN MILITARY TRAINER 1700HWC」(3万9600円)
シンプルで上品なデザインと、時代に左右されない魅力で人気を集める通称「GERMAN TRAINER(ジャーマントレーナー)」。本来は1970年代から1980年代の冷戦期に、西ドイツ軍のトレーニングシューズとして採用されていました。
現在では、多くのブランドが独自の解釈を加えたモデルを展開していますが、その中でも「REPRODUCTION OF FOUND」は、生産を担った各国の工場で、ひとつひとつ丁寧にハンドメイドで製造されている点が魅力です。
ストーリー性やディテールへのこだわり、さらにホーウィン社のクロムエクセルレザーを採用することで、ラグジュアリー感を高めた一足に仕上がっています。
【黒スニーカー2】ファッション業界注目!話題沸騰の新進スニーカーブランドが贈るオリジナルモデル
pg(ピージー)
「pg THROUGH」(2万9700円)
東京・代々木公園近くに拠点を構えるスニーカーセレクトショップ「PLAYGROUND」。同ショップ独自の視点を加えたオリジナルスニーカー「pg」が2020年にデビューしました。合理的なデザイン、快適なパフォーマンス、そして手に取りやすいプライスが三位一体となったプロダクトは、中目黒の「1LDK」のオリジナルブランドとのコラボレーションを実現するなど、ファッション感度の高い層を中心に注目を集めています。
そんな「pg」のデビュー当時のファーストラインナップ「pg THROUGH」が、2024年バージョンで再登場。初代の機能性と品格はそのままに、程よいモード感がプラスされた一足です。
>> pg
【黒スニーカー3】時代を超える一足。オールブラックで進化した「SAMBA OG」
adidas Originals(アディダス オリジナルス)
「SAMBA OG」(1万5400円)
▲12月発売予定
最近のスニーカーシーンを語る上で外せないのが「SAMBA OG」。街を歩けば見ない日はないほどの人気ぶりです。新色は、アッパーをブラックで統一したエレガントな仕上がり。アイコニックな3本ラインもブラックにすることで、通常モデルとはひと味違う洗練された印象に。
また、テクスチャー感のあるラバーカップソールはオーソドックスな色を採用し、程よいカジュアル感を残しているのもポイント。「SAMBA OG」をまだ持っていない人はもちろん、すでに所有している人でも新たな魅力を楽しめる一足です。
【黒スニーカー4】冬を制する一足!ゴアテックス&ビブラムソールで最強の防寒スニーカー
SPINGLE(スピングル)
「SP-1906 Black 」(3万7400円)
▲写真のローカットモデルの他、サイドゴアモデル(4万1800円)も展開
黒スニーカーのメリットは、汚れに強いこと。そのため、白スニーカーに比べて寒冷地での使用にも適しています。中でも、スピングルの「SP-1906 Black」は、アッパーにGORE-TEXを採用し、ソールには雪や氷上で優れたグリップ力を発揮するvibram ARCTIC GRIPを搭載。過酷な冬の環境でも快適さを保つ高スペックが魅力です。
また、乾いた地面でも問題なく履けるため、普段の街履きからアウトドアまで幅広く対応可能。ボリューム感のあるビジュアルながら軽量でストレスを感じさせない履き心地と、ミニマルで洗練されたデザインが、冬の足元に最強の選択肢となるでしょう。
>> SPINGLE
【黒スニーカー5】タウンユースもアウトドアもOK!イタリア生まれのきれいめ万能ブーツ
DIEMME(ディエッメ)
「GRAPPA HIKER」(6万1600円)
1992年にイタリアの山岳地帯で誕生した「DIEMME」。スキーブーツや消防士専用ブーツといった特殊技術を要するシューズの製造だけでなく、メゾンブランドのOEMも手がける実力派シューズブランドです。2000年代にハイエンドなマウンテンブーツが流行した際、その代表格として馴染みのある人も多いでしょう。そんな同ブランドの中で、セレクトショップとの別注モデルなど最近注目を集めているのが「Grappa Hiker」です。
マウンテンブーツとスニーカーを掛け合わせたようなタウンユースしやすいデザインに加え、無骨ながらも細身のシルエットで上品な印象を与えるのが特徴。さらにVibramソールを採用するなど、男心をくすぐる逸品となっています。
>> Burnish
【白スニーカー1】機能美を纏った、ナイキACGのスタイリッシュなスニーカー
NIKE ACG(ナイキ エーシージー)
「マウンテン フライ 2 LOW 」(2万2330円)
▲写真のカラーはサミットホワイト/ブラック/サミットホワイト/サミットホワイト
1989年に誕生したNIKE(ナイキ)のアウトドアライン「ACG(オール・コンディションズ・ギア)」。その名の通り、あらゆる天候や環境に対応するアイテムを展開しており、デザイン性と機能性が両立されている点が特徴です。
中でも人気モデル「マウンテン フライ ロー」は、過酷なトレイルにも対応するため、トゥキャップとサイドウォールにラバーを拡張して耐久性を向上。さらに、通気性に優れたアッパー素材を採用し、蒸れを抑えながら速乾性を実現しています。
加えて、ソールには鮮やかなオレンジを取り入れることで、爽やかさと華やかさを両立。スタイリッシュな見た目と抜群の機能性で、トレイルでも街でも活躍間違いなしの一足です。
>> ナイキ
【白スニーカー2】ゴールドが映える!不朽の名作「オールスター」に新たな魅力と洗練をプラス
CONVERSE(コンバース)
「ALL STAR GOLDPATCH HI」(8250円)
▲写真のカラーはホワイト/ゴールド
1917年にバスケットシューズとして登場した「キャンバス オールスター」。当時としては斬新だった足首を保護するハイカットデザインと耐久性の高さで人気を確立しました。そのデザインや機能性は、現在のモデルとほとんど変わらないほど完成度が高かったといえます。1970年代以降は、カラーや素材の選択肢を広げたことで、ファッションシーンでも注目されるようになりました。
「ALL STAR GOLDPATCH HI」は、ホワイトを基調に、アンクルパッチとハトメをゴールドにしたさりげないアクセントが魅力です。メタリックカラーを取り入れたことで、トレンド感のある仕上がりになっています。
>> CONVERSE
【白スニーカー3】トレンドを纏った復刻版!“テラス系”スニーカーの代表作
PUMA(プーマ)
「パレルモ プレミアム スニーカー」(1万4850円)
▲カラーは写真のWarm White-Alpine Snowのほか、PUMA Black-Warm Whiteの2色をラインナップ
1980年代の“テラススタイル”を象徴する名作「PALERMO」。“テラススタイル”とは、サッカースタジアムのテラス席(立ち見が中心の階段状の観客席)で試合を観戦するサポーターたちが、ローカットスニーカーを取り入れたファッションスタイルのことを指します。このスタイルは、現在の「薄底ローテクスニーカー」ブームのルーツとしても注目されています。
テラス系スニーカーの代表格である「PALERMO」は、1981〜1982年の限られた期間だけ販売されていた幻のモデル。新作では、トレンドのサッカーシューズを彷彿とさせる取り外し可能な”ロングタン”が新たなポイントになっています。ちなみに、名前の「Palermo(パレルモ)」は、イタリア・シチリア島北西部の地名に由来しています。
>> PUMA
【白スニーカー4】フランス最古のスポーツブランドが贈る、進化した名作シューズ
le coq sportif(ルコックスポルティフ)
「LCS モンペリエ GM」(1万890円)
▲写真のカラーはオフホワイト/ベージュ
1882年にフランスで創業した、同国最古のスポーツ用品メーカー「ルコックスポルティフ」。サッカーやラグビーなど、多くのフランスチャンピオンチームが同ブランドのウェアを採用し、その地位を確立しました。現在では、フレンチエスプリを効かせたデザインと実用性で、ライフスタイルブランドとしても高い人気を誇ります。
今回注目したいのは、1999年にトレーニングシューズとして誕生した「LCS モンペリエ」を、現代のニーズに合わせてアップデートしたモデル。ボテッとしたコッペパンのようなレトロなシルエットが、まさに今のトレンド感とマッチしています。さらに、オフホワイトとベージュを組み合わせた上品なカラーリングが特徴で、シンプルながらも洒落た一足に仕上がっています。
【白スニーカー5】通好みの一足。リーボック「CLUB C」でヴィンテージ感を極める!
Reebok(リーボック)
「CLUB C 85(クラブシー 85)」(1万3200円)
▲カラーは写真のホワイトの他、チョークの2色をラインナップ
今年30周年を迎える「インスタポンプフューリー」や「クラシックレザー」など、名作揃いのリーボック。その中でも永遠の定番として愛されているのが、1985年にテニス専用のコートシューズとして誕生した「CLUB C(クラブC)」です。モデル名にある“C”はChampionの略で、発売当初は「クラブチャンピオン」という名称で販売されていました。
著名人にも多くのファンを持つ同モデルは、多くのブランドとコラボレーションするなど、現在も変わらない人気を誇ります。ヴィンテージモデルが登場するほど、履き潰していくことで独特の味が出る名作でもあります。この一足を履いている人を見かけると、思わず「おっ、通だな」と感じさせる魅力があります
>> Reebok
* * *
若澤:「こうやって比較してみると、黒も白もどっちも捨てがたい魅力がありますね」
宇田川:「ちなみに、若澤さんは普段どんなスニーカーを履いているの?」
若澤:「最近はこのメレルの『モアブ スピード2』を気に入ってますね。履き心地が抜群で、クッションが柔らかすぎないのが自分に合ってるみたいです。それに、普通にかっこいい!」
宇田川:「確かに、かっこいいよね! 僕も欲しい一足だな。若澤さんは『ジャングルモック』もよく履いてるし、メレルと相性が良いんだね」
若澤:「そうなんですよ。宇田川さんは普段どんなスニーカーを履いてるんですか?」
宇田川:「僕はアディダスの『スタンスミス』かな。昔から愛用していて、履き潰しては買い替えてを繰り返してる。何も考えずに履けて、コーディネートが決まる万能感が好きなんだよね」
若澤:「やっぱりいいですね。それに、オールホワイトというより少しキナリっぽい部分があると、さらに履きやすそう!」
宇田川:「それはあるかも。最近は真っ白だと綺麗さを保つのが大変なので、自然と白ベースのスニーカーを選ぶことが多くなったなあ」
若澤:「とはいえ、汚れは気になりますよね? ケアとかどうされてるんですか?」
▲左:「クレップ プロテクト 防水スプレー」(2200円)、中:「ミッドソールカスタムペン」(2970円)、右;「ペーパークリーナー<12枚入り>」(1980円)
宇田川:「まず防水スプレーは必須。雨の日だけじゃなくて、晴れの日も吹きかけた方が汚れがつきにくくなるからね。色々試したけど、このクレップの防水スプレーが一番強力でお気に入り」
若澤:「へえ、他にもケア用品って色々あるんですね。携帯用のペーパークリーナーとか、ミッドソールの汚れを白く塗りつぶすものまであるなんて」
宇田川:「そうそう。昔は革靴用がメインだったけど、最近はスニーカー用のケア用品が一気に増えたね。これもスニーカーブームの恩恵かなと思ってる」
若澤:「なるほど。それなら、白スニーカーも挑戦しやすいかもしれませんね」
宇田川:「そうだね。手間はかかるけど、その分、手入れすることで愛着も湧いていくるよ」
* * *
若澤:「そういえば、結局白と黒でどちらが使いやすいか議論してきましたけど、それぞれ良さがあって、選びきれない(笑)」
宇田川:「最終的には、使う人のライフスタイルや持っている服次第だと思うよ。でも、両方持っておけばどんな場面にも対応できるから、若澤さんも白スニーカーをぜひ試してほしいな」
若澤:「久々に履いてみようって思いました。読者の皆さんも、自分に合った一足を見つけて、スニーカーライフを楽しんでください!」
<メイン写真/田中利幸>
監修:宇田川 雄一
ファッション&モノ情報誌で活躍するスタイリスト。ビジネスからアウトドア、インテリアまで守備範囲が広い。ウェアを始めバッグや靴、雑貨に至るまで最新トレンドを把握
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/644335/
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