【季節「家電&ギア」総まくり】
球状のサーキュレーターをはじめ季節家電のヒット商品を生み出し続けきたアイリスオーヤマ。画期的な新製品が発売された絶好のタイミングで製品開発担当者に直撃した!
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シンプルで使いやすい操作性やコストパフォーマンスの良さに定評があるアイリスオーヤマの季節家電。夏シーズンに向けてさまざまな製品が登場する中、新たなサーキュレーター「WOOZOO 360 barrel」が注目されている。
「当社初となる左右360度送風と円柱型のスタイリッシュなデザインが特徴」と話すのは企画・開発に携わった同社の江崎淳史さん。この製品を開発するに至った経緯はユーザーからの声だったという。
「サーキュレーターに関するアンケート調査を実施したところ購入の決め手として“インテリアとの親和性”などデザインを重視する意見が多く寄せられました。デザイン性の高い製品を検討するなかで、一般的に認知されているボール型から一度離れて考えることになり、円柱型の案が出てきたのです」
他に開発過程でこだわったのが操作性と質感だ。
「複雑な首振りをするので駆動状況をLEDでわかりやすく表示するなどお客様にとって操作が複雑にならないよう意識しました。また、樹脂っぽさを抑えて家具と調和しやすいファブリック調の質感にもすごくこだわりました」
かくして上下左右の自由自在な首振りと円柱型の美しいフォルムを実現させた。
■周囲の声や小さな気付きを見逃さないモノづくり精神
「企業理念でもありますがユーザーイン、つまり常に生活者目線で物事を捉え、製品に対する不満や不便を解決するモノづくりを大切にしています。“このボタンがもう少し上に付いていれば”、“こんな機能があればいいのに”など実際に使って感じた細かい部分や家族の意見なども大いに参考にしています」
こうした“小さな不便を見逃さない“姿勢が同社の製品が人気を博している一因だと言えそうだ。一方で、「“引き算方式”という考え方もあります。お客様が求める価格帯を精査し、その価格で販売するためにはどうすればいいかを徹底的に考えます」と語る。コスパの高さを実感している人が多いのも納得。ユーザーインと引き算方式により、魅力ある製品の数々が生まれているのだ。
■季節家電製品は中国のマザー工場で製造
同社の家電製品は自社工場である中国の大連工場を中心に製造されている。
「大連工場がマザー工場で広州、蘇州、天津の中国の4工場で季節家電をはじめさまざまな製品を製造しています。工場とは主にテレビ会議で情報交換を行っていますが現地スタッフは日本語を話せるメンバーが多く、コミュニケーション面での心配はありません。新製品の立ち上げ時は大連工場に赴き、組み立て作業の細かいレクチャーや工程の確認を行います。現地スタッフの提案や要望を設計に反映することも」
同社の工場ではアームロボットによりほとんどの製造工程を自動化。メリットは多いという。
「組み立てに使うネジ1本に至るまでほとんどを工場内で内製化しています。これにより品質とコスト競争力を高めていますし、製造工程においても多関節式のアームロボットによる自動化で高品質かつ迅速な供給が可能です。季節家電の特性上、季節要因による急激な需要増などに対応するため工場で一貫して製造することで柔軟な生産体制を整えられるのです」
生活者目線の商品開発、それを製造するためにスマートファクトリー化されたマザー工場。今回の取材で同社の季節家電がなぜ人気なのか。その理由の一端を知られた。
アイリスオーヤマ
家電開発部 小型家電課
季節家電チームマネージャー
江崎淳史さん
2018年に中途入社し、季節家電の製品企画・開発(技術・設計)を担当。これまでに「サーキュレーター扇風機」や「快適クールまくら(2022年12月に終売)」など数多くの製品を手掛ける
■ 「ユーザーイン」の発想から企画開発された新型サーキュレーター
アイリスオーヤマ
「WOOZOO 360 barrel」
▼「WOOZOO 360 barrel グレー(KCF-CDP18TEC1-H)」(実勢価格:2万5000円前後)
▼「WOOZOO 360 barrel ホワイト(PCF-CD15TECA-W)」(実勢価格:1万6000円前後)
「インテリアとの親和性」をテーマに従来モデルからデザインを一新した新型サーキュレーター。ミニマムかつスタイリッシュなフォルムながら首振り幅を左右4段階・最大360度、上下6段階で最大90度まで設定可能。衣類の下から上へ送風することで衣類乾燥時間を約62%※短縮した。稼働状況はLED表示部で確認できる。 ※アイリスオーヤマ調べ
使用中に電源を切ると上の写真のように円柱型の状態に戻って停止。グレーのモデルはファブリック調の質感なのでリビングや寝室の雰囲気を損なわない。マグネット搭載のリモコンも付属。
【人気の季節家電ラインナップ】
▼「サーキュレーターアイDC JET」
▼「ふとん乾燥機 カラリエmini TURBO」
▼「サーキュレーター 衣類乾燥除湿機 5.8L」
■アイリスオーヤマの家電はココで作られる!
富士山の天然水や低温製法米からさまざまな製品を製造しているアイリスオーヤマだが、家電に関しては多くがマザーファクトリーである大連工場で製造されている。工程はロボットによる自動化が進んでいて性能測定検査をはじめとする品質管理にも余念がない。
▲熟練したスタッフによる品質チェックを実施
▲内製化によりネジの1本から大連工場で製造されている
▲製造はロボットによる自動化で効率的に実施
▲大連工場の外観
■サーキュレーターの多くは蘇州工場で製造!
中国に数ある工場の中でサーキュレーター製造の中核を担っているのが中国中東部にある蘇州工場だ。徹底した管理体制のもとサーキュレーターをはじめとする人気家電が作られている。
<取材・文/黒川秀紀(本文)、GoodsPress編集部>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/679490/
- Source:&GP
- Author:&GP
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