世はワイヤレス全盛時代。中でもオーディオは、完全ワイヤレスイヤホン登場以来、もうケーブルなしが当たり前になりました。
でもですよ。いま、ワイヤレスの音に慣れた耳でワイヤードのイヤホンを使ってみると、思いのほかクリアに感じるんです。ワイヤレスで伝送って、やっぱり音質への影響はそこそこあるのかな、なんて痛感します。ケーブルほどくのは大変だけど。
そんなワイヤレスオーディオの現状に挑戦状を叩きつけたのが、ドイツの老舗オーディオメーカー、ゼンハイザー。“ワイヤレスの限界を解き放て”という刺激的なキャッチフレーズで登場した新作ワイヤレスヘッドホン「HDB 630」(実勢価格:9万5700円前後)は、ワイヤレスによる音質の低下をできるかぎり防ぐためのさまざまな技術が注ぎ込まれた意欲作です。
なんといっても注目は、USB-C端子が付いた付属のBluetoothドングル「BTD 700」。もちろんヘッドホンとスマホを直接接続することは可能なんですが、そもそもスマホ側でLDACなどのハイレゾワイヤレスに対応している端末が少ない(iPhoneも非対応)。対応していないとなると、ヘッドホン側がいくら高音質でも、音源がハイレゾでも意味がない。そこで出番となるのが、aptX Adaptiveに対応したドングル「BTD 700」。これをスマホに挿し込めば、最大96kHz/24bitのハイレゾ再生が可能になるわけです。
これとUSB-C対応のスマホさえあれば、ハイレゾを聴きたいがために対応スマホを買い替える必要もなし。ありがたい。
もちろん音質はバッチリ。締まりのある低域から伸びのある中高域まで、さすがゼンハイザー。42mm径のダイナミック型ドライバーと新開発のアコースティックシステムで、高音質を実現しています。
アクティブノイキャン(ANC)もしっかり搭載。ノイキャンの効きは強力ながらも、音質を優先して音をジャマしないギリギリの部分を狙っているということで、そのあたりにこだわりを感じます。
駆動時間はハイレゾ接続とANCがONの状態で最大45時間、充電時間は約2時間(10分充電で約7時間)と、ここはヘッドホンらしいスタミナっぷり。アプリのイコライザーも多機能で、好きな音質に追い込みたい勢も満足できること間違いなし。
ちなみに、ヘッドバンドに使われている合成皮革やイヤーカップ、イヤーパッドは日本製とのことで、約311gとそこそこの重さがありつつも快適な装着感に。
ドングルの他に、ケース、充電ケーブル、3.5mmステレオミニジャック付きの1.2mオーディオケーブル、航空機用アダプタが付属しています。
10万円近い価格はたしかにかなり高価なイメージがありますが、他ブランドでも10万円オーバーのワイヤレスヘッドホンが登場するなど、この価格帯が充実してきていることも事実。「いま使っているスマホ」で「ワイヤレス」で「ハイレゾ」を楽しみたい。そんなワガママな要望を叶えるなら、「HDB 630」は選択肢の筆頭と言えるかもしれません。
>> ゼンハイザー
<文/円道秀和(&GP)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/news/703710/
- Source:&GP
- Author:&GP
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