A20 Proを製造するTSMC「N2」は極めて順調〜競合は一部をSamsungに

TSMCの2nmプロセス「N2」は立ち上げが極めて順調で、3nmプロセス「N3」の立ち上げ時と比較して、約1.5倍の出荷数を実現していると伝えられています。

N2では、iPhone18 Proシリーズに搭載されるA20 Proが製造される見通しです。

A20 Proを量産する「N2」、3nm世代よりも安定した立ち上がり

3nmプロセス「N3」は立ち上げ当初、良品率(歩留まり)が低迷し、改良版である「N3B」によってA17 Proの量産が本格化した経緯がありました。

一方、2nmプロセス「N2」ではそうした問題は確認されておらず、量産開始時点から安定した立ち上がりを見せているようです。

N2では、iPhone18 Proシリーズおよび折りたたみiPhoneに搭載されるA20 Proの量産が行われ、その後にM6シリーズ、さらに2027年春に発売されると噂されるiPhone18およびiPhone18e向けのA20の量産が続く見通しです。

A20 ProはOLEDディスプレイ搭載iPad miniに搭載されるとの噂もあります。

こうした広範な製品に搭載される背景に、N2の立ち上がりが順調なことがあると考えられます。

MediaTekやQualcommの次世代SoCもN2で量産へ

N2プロセスでは、Apple向けチップに続いて、MediaTek Dimensity 9600やQualcomm Snapdragon 8 Elite Gen 6の量産も順次行われるとみられています。

特にAI処理能力を重視した次世代SoCでは、2nmプロセスの採用が事実上の前提条件になりつつあります。

AIアクセラレータ市場ではN2製品が95%を占めるとの予測も

AIアクセラレータ市場においては、N2プロセスで製造される製品が全体の95%を占めるとの予測も出ています。

この分野では、消費電力効率と演算密度が極めて重要であり、現時点で量産実績と信頼性を兼ね備えているのはTSMCのN2のみ、という評価が背景にあると考えられます。

QualcommがSamsungの2nmプロセスを検討する理由

こうした中、QualcommがSamsungの2nmプロセスを用いて、Snapdragon 8 Elite Genシリーズの一部を製造委託することを検討していると、サプライチェーン関係者が伝えています。

この動きは、TSMC N2における製造コストの高さを嫌った結果である可能性があります。

Samsungにとっては製造受託事業拡大の好機に

もしQualcommがSamsungの2nmプロセスを採用した場合、Samsungにとっては久しぶりにSnapdragonの製造を受託することになります。

さらに、現在はTSMCに委託先を移しているGoogle Tensorの再受注を目指す上でも、重要な実績になるでしょう。

現時点では、Samsungの2nmプロセスの良品率はTSMCに比べて大きく劣っていると噂されています。ただし、良品率の早期改善と、製造されたチップの品質が市場で評価されれば、自社SoC以外の受託製造規模を拡大できる可能性も十分にあります。

2nmプロセスにおけるウェハー単価に関し、SamsungはTSMCよりもかなり安い価格を提示しているとみられています。

Photo:Apple Hub/Facebook


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