登山を趣味にしている人にとって、ビギナーはもちろん経験者でも中々難しいのが登山靴選びだ思っています。ガチの登山ブーツは足首まで守ってくれる代わりに、ソールや足首まわりが硬くて重い。奥穂高や槍ヶ岳のような高難度の山に登るならむしろそれがいいわけですが、山によってはオーバースペックの場合もあって歩きにくくて正直しんどい。
軽くて柔軟性があるアウトドアシューズといえばトレランシューズですが、こっちはこっちで適当に選んでしまうと下りで足元がぶれたり、岩を踏んだ衝撃が足裏にそのまま返ってきたり。

裏を返せば、選び方さえ間違えなければトレランシューズにも目はあるということ。じゃあ山を走るために作られたトレイルランニングシューズで登山までこなせる一足があったらどうでしょう。それがALTRA(アルトラ)の「OLYMPUS 7(オリンパス 7)」(2万7940円)です。
■そもそも「OLYMPUS」はどんなシューズなのか
ランニングショップから始まったブランドで、“自然な走り”を追求しています。土台になっているのが2つの設計。ひとつはつま先とかかとの厚みに高低差をつけない“ゼロドロップ”構造で、もうひとつは足指が自然に広がるようにつま先まわりへゆとりを持たせた“FootShape”デザインです。これにより裸足に近い姿勢のまま、足裏全体を使って体重を移していける作りになっています。
そのなかで「OLYMPUS」シリーズは、トレイルカテゴリーの“マックスクッションモデル”という位置づけ。スタックハイト(クッション厚)は33mmあり、一歩ごとに路面から受ける衝撃をやわらげてくれます。
加えてソールプラットフォームの幅が広く、接地面を広く取ることで荷重が偏りやすい下りや足場の定まらない不整地でも足元のぶれを抑える設計。さらにアルトラで最も広い“Original”のFootShapeを採用しているので、足指まわりに窮屈さがありません。
■33mmは据え置きで、15%軽く10%やわらかくなったミッドソール

「OLYMPUS 7」でいちばん大きく変わったのがミッドソールです。従来のOLYMPUSシリーズに使われていたEVAフォームに代えて、反発性と弾力に優れるという“Altra EGO MAX”を搭載。前モデルのフォームと比べて15%軽く、10%やわらかくなっています。
ここで見ておきたいのが、33mmという厚みは変えていないところ。厚みは行動時間が長くなるほど意味を持つ数字ですが、重さもまた、行動時間が長くなるほど効いてきます。同じ33mmで15%軽い。日帰りの数時間ではピンとこなくても、長い山行の後半で差が出てくるはず。なお重量はメンズが325g(US10.5/28.5cm)、ウィメンズが274g(US8.5/25.5cm)。

ちなみにスタックハイトについて、同ブランドの人気シリーズ「LONE PEAK」は25mm。その差は8mmと聞くと、たかが数mmでしょ? と思いがちですが、山で使うとこれがかなり違ってくるんですよね。ただ、単純に厚ければいいという話でもなく、語り出すとややこしくなりすぎるので今回は割愛。
個人的には、この33mmという厚みとクッション性の向上が、トレランだけでなく登山でも使える絶妙なバランスだと思うんです。荷物が重いとき、ソールが柔らかすぎると疲労につながりやすいのはそのとおり。とはいえある程度のクッションがないと、今度は地面からの突き上げがかなり苦しい。

個人的な話になりますが、前モデルの「OLYMPUS 6 HIKE MID GTX(オリンパス 6 ハイク ミッド ゴアテックス)」(4万4000円/現在はローカットのみ販売)は、その辺りのバランスがかなり考えられているように思います。南北アルプスの高難易度の山はともかく、標高2000m程度のそれほどハードではない登山では大活躍してくれています。そのOLYMPUSが世代を進めたのが「OLYMPUS 7」なので、モデルの違いはあれど、個人的には登山での活躍にも期待しているわけです。
■“TractionLug”を足したVibram Megagrip

アウトソールには引き続きVibram(ビブラム)の“Megagrip”を採用。濡れた岩の上でも粘ってくれるコンパウンドで、山の道具ではおなじみです。「OLYMPUS 7」ではそこに、路面を強く捉える“TractionLug”を新たに搭載。これにより、濡れた路面でも乾いた路面でも状況に応じたトラクションを発揮し、荷重のかかる下りでも安定した足元を支えてくれます。
ご存じのとおり、登山でヒヤッとするのはたいてい下りです。疲れた脚に自分の体重とザックの重さがまとめて乗ってくる場面で、グリップと接地の安定を両方持っているというのは心強いところ。そこへ先ほどの幅広いソールプラットフォームが加わって接地面積も広いので、足元の安定感はピカイチ。さすがの「OLYMPUS」シリーズと言えます。
■締め付けと当たりを減らしたアッパー

見落とされがちですが、長く歩いたときに足元のストレスになるのはシューレースの締め付けと履き口の当たりです。「OLYMPUS 7」ではタンのボリュームを増やして甲まわりの圧迫をやわらげ、履き口には一体成型のコンフォートカラーを採用。足首とアキレス腱まわりを包み込むようなフィット感に仕上げています。
アッパー自体は通気性の高いエンジニアードメッシュで、要所には成形したTPUのオーバーレイパーツを配置。岩や木の根に当たる場面を想定して、耐久性と保護性能を高めています。山に入るとつま先や側面をどこかにぶつけるのは避けられないので、ここが手当てされているのはありがたい。
■走らない人の山でも、頼れる一足

重量325gという数字だけを取り出せば、トレイルシューズのなかでずば抜けて軽いわけではありません。ただ、33mmの厚みと安定感のあるソールプラットフォームを持つことを考えると、なかなかどうして良い仕上がり。登山靴ほど硬くも重くもないのに足元は任せられる、というOLYMPUSの立ち位置はそのまま。むしろ33mmを保ったまま軽くなったぶん、山をゆっくり長く歩く人にこそ効いてきそうです。トレイルは走らないという人でも、次の一足として検討の価値は大アリだと思います。
>> ALTRA
<文/山口健壱>
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- Original:https://www.goodspress.jp/news/744275/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
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