Vine(かつてTwitterが提供していたショートビデオ)の共同創業者であるDom Hofmann(ドン・ホフマン)氏は、その後継サービスをByteという名前で開発していることを公言していたが、米国時間1月24日それがiOSとAndroid上でデビューを果たした。Byteを使えば、6秒のビデオを撮影またはアップロードして共有できる。わずかな時間しか許されていないことによって、最大1分間可能なTikTokのクリップよりもさらに密度の高い、余計なカットなしのコンテンツを、Byte上では生み出さなければならない。
Byteにはフィード(feed)、探索ページ(Explore)、通知(notification)、そしてプロフィール(profile)などの標準的なソーシャル機能が用意されている。だが現時点では、Byteにはリミックス機能、拡張現実フィルター、トランジション効果、そしてTikTokといった他アプリにはあるボーナス機能が搭載されていない。
ホフマン氏はByteを差別化するために、コンテンツクリエーターの収益化の支援に初期の焦点を置いている。Byte上で人気が出た人びとに、収益化オプションを提供するパートナープログラムのパイロット版が間もなく開始される予定だ。Byteは広告収益の分配、チップ、その他のオプションをパートナーに提供するのかと質問すると、ホフマン氏は「どのオプションも考慮していますが、当初は広告収益の分配と資本金からの補助を行います。パイロットプログラムの仕組みについては、まもなく詳細にお話しする予定です」と語った。
TikTokやSnapchatのような、直接的収益手段に欠けるアプリ上で人気を博した多くのクリエイターたちは、安定した広告収益を獲得できるYouTubeに視聴者たちを引き付けようとしてきた。早期の支払いを始めることで、Byteはそうしたダンサー、コメディアン、およびおふざけコンテンツをアプリに誘導して、より長い間、引き留めておくことが可能になるだろう。Chris Melberger(クリス・メルバーガー)のような元VineスターたちがTikTokスターになっている。Joshdarnit(ジョシュダーニット)やLance Stewart(ランス・スチュワート)はすでにByteに参加している。
まもなく、クリエイターへの支払いに使用するパートナープログラムのパイロットバージョンを始めます。Byteは創造性とコミュニティを大切にしますが、クリエイターを支援することはその両者をサポートできる重要な手段の1つです。詳細をお楽しみに。
また、Byteの最も熱心な利用者とのコネクションも、ホフマン氏がアプリをより魅力的にするために重視していることだ。彼は、2018年初頭に行ったByte初の発表以来、ベータテスターフォーラムを積極的に運営していて、そこを次に実装すべき機能を見つける場所とみなしている。「オンラインサービスの背後にいる人たちと、そのサービスを実際に使う人たちが、お互いに離されているのはとても残念なことです。そこで私たちはこのフォーラムを運営することで、お互いの関わりを良くできないかと思っているのです」とホフマン氏は書いている。
Byteへの道のりは長かった。振り返れば、ホフマン氏は2012年6月に、Colin Kroll(コリン・クロール)氏、Rus Yusupov(ラス・ユスポフ)氏らと共同でVineを創業した。同社は実際にローンチを行う前の2013年1月にTwitterに買収された。その秋までに、ホフマン氏は退職した。しかし、2014年と2015年には、連射砲のようなコミカルな寸劇と、ループ効果によって解き放たれた創造性のおかげで、Vineの人気が高まった。Vineのアクティブユーザーは、2億人以上になった。その後、考えられないことが起こった。なりふり構わないコスト削減によって、Twitterはそれ以上のビデオコンテンツをホストしなくても良いように、Vineの共有フィードをシャットダウンしたのだ。創造的なウェブの住人たちは悲しみに沈んだ。
そのころまでには、ホフマン氏はすでに、より自由度の高いクリエイティブが可能なByteの最初のバージョンを実装していた。写真、GIF、描いた絵などを、共有可能な小さな作品としてまとめることができたのだ。しかし、このプロトタイプが多くの人に受け入れられることはなかった。ホフマン氏は、2018年初頭にV2と呼ばれる後継アプリを実装する計画を発表して、Vineファンに希望を与えたが、数カ月後にはそれをキャンセルした。その後ホフマン氏は、2018年の終わりまでにはプロジェクトについてより真剣に取り組むようになり、Byteという名前を発表し、2019年4月には ベータテストを開始した。
関連記事:Twitterが放棄したVineがByteとして復活、TikTokから市場を奪回できるか?
現時点での大きな疑問は、遅れてやってきたByteが果たして無事、テイクオフできるかどうかだ。TikTok、Snapchat、Instagram、その他のサービスがある中で、人はさらに別のショートビデオアプリを必要とするだろうか? ここで勝つためには、他の場所でより多くの視聴回数を得ることができる、高い質を誇るクリエイターたちを誘う必要がある。Dubsmash、Triller、Firework、そしてFacebookのLassoといったTikTokのライバルが現在、米国でも使われていると考えると、競争の少ないネットワークにおけるスターの座を探すクリエイターたちには、挑戦できるアプリがすでにたくさん存在している。ホフマン氏が、Byte上でVineの魔法を十分に再現するためには、人びとの記憶の中にあるVineのブランド力に頼る必要があるだろう。
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(翻訳:sako)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/01/25/https-techcrunch-com-2020-01-24-vine-byte/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Josh Constine
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