米大学、全新入生のスマホに出席確認アプリを義務化。プライバシー侵害と物議

ミズーリ大学
 
授業に出席しているかを確認するアプリを、新入生全員のスマートフォンにインストールさせる大学の方針が「プライバシーの侵害につながる」と議論を呼んでいます。

学生の教室への出入りをアプリで確認

学生の教室への出入りが確認できるアプリを強制的にインストールさせる方針が物議を醸しているのは、米ミズーリ州の公立大学、ミズーリ大学です。
 
ミズーリ大学では、4年前から運動部の新入生と学業不振学生のスマートフォンに「Spotter」アプリをインストールさせていますが、2020年1月に始まる春学期から、対象を新入生全員に拡大しました。
 
Spotterは、ミズーリ大学の運動部の元コーチ、リック・カーター氏が開発しました。カーター氏は、運動部学生が授業をさぼらないよう、出席を確認して回る労力を大幅に削減できた、と語っています。
 
現在、SpotterはAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)の母校であるデューク大学のほか、ノースカロライナ大学、シラキュース大学などで導入されています。
 
ミズーリ大学
 

20の授業で試行導入

ミズーリ大学では現在、Spotterの導入は試行段階で、この春学期は20の授業で出席確認にSpotterが使用される予定です。
 
学生からは「必要性がわからない。常に監視されているように感じる」と反発する声もあがっています。
 
アメリカ自由人権協会(ACLU)ミズーリ支部のサラ・ベイカー氏は「プライバシーの侵害にあたる」として問題視しています。
 
一方で、すでにSpotterを使用している運動部の学生は「便利だ思う。他の学生は嫌がるかもしれないが」と感想を語っています。

大学は運動部学生の成績が向上した実績を強調

ミズーリ大学側は、Spotterの導入で運動部学生の成績が向上した実績を強調し、アプリが使用するのはGPSではなくBluetoothビーコンであり、出席確認以外に学生の位置情報を使うことはない、と説明しています。
 
また、学生はアプリを利用しない選択もでき、その場合は授業担当教員に出席票を提出するなどの代替手段を使うこともできると説明しています。
 
 
Source:The Kansas City Star, University of Missouri via 9to5Mac
Photo:University of Missouri (1), (2)
(hato)


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